では、実際に「ふれあいの居場所」をどうつくっていけばよいでしょうか。
さわやか福祉財団では、これから「ふれあいの居場所」をはじめたい人やはじめたいが漠然としてわからないという人に向けて、次の4つのタイプに分類し、具体的にポイントを整理してみました。
1.自然発生タイプ
世話焼きの人を中心に、しかける意識なく自然にはじめているタイプ。例えば、ベンチや誰かの家などで、何人かがたまり場として集っている。人間関係が濃密な地方で比較的多く見られる。
2.単独タイプ
ふれあいを目的にした居場所をできるだけ仕掛けをせずに、ゼロからつくるタイプ。ある程度、人同士のつながりのある地域が取り組みやすい。
3.カフェタイプ
ふれあいを目的に食事や喫茶をメインにしたタイプ。ただ食事をするために行ってみようかな…と参加者が気軽に入りやすい雰囲気がある。人間関係が希薄な都市部などでも取り組みやすい。
4.併設タイプ
既存の活動から発生したふれあいの居場所。現在何らかの活動をしており、その活動の余剰金や場所を活用して、ふれあいの居場所に取り組むタイプ。それまでの活動での人脈もいかしながら取り組むことができる。
分類分けの意味
分類は、これから「ふれあいの居場所」をはじめたい人のための足がかりになるものであり、「ふれあいの居場所」を厳密に類型化したものではありません。
また、きっかけとして類型化をしましたが、その類型は、参加する人達の意志によって変化していくものなので、固定的なものでもありません。
タイプによって、着眼点が違うため、それぞれの特色や事例を提示することにより、つくりたい人が、選んではじめてもらえるようにしました。
また、すでにはじめている人にとっても、自分のタイプを明確にすることにより、自分たちの理念を深めたり、他のタイプから学んだり、他のタイプに移行するときのガイドにすることもできます。
地域の現状と分類にあたり…
このテキストで取り上げる居場所は、これから「ふれあいの居場所」をつくろうという方の参考にするために、いくつかの「ふれあいの居場所」を類型化したものです。
これらの前提から、
- 対象者を明確にしているもの
- 第一の目的をふれあい以外にしているもの
- すでにつくり方が決められているもの
は分類から除いています。
地域には、さまざまな居場所があります。どの居場所も、参加する人達の目的にあった情報交換ができたり、同じような悩みを共有したり、仲間がつくれるなどの役割を果たしており、それぞれの存在意義は大きいといえます。
そのような中で、デイサービスやミニデイサービス、宅老所などは、まごころあるふれあいの精神で運営されていますが、主に高齢者を対象にするところが多くみられます。ふれあいの精神で運営されていることは、とても素晴らしいことですし、ふれあいが広がっていくことは、大変望ましいことです。
私たちは、「ふれあいの居場所」をつくることを歓迎します。