【発表!】
住民主体による地域共生事業の推進方策アイデア
ぜひ皆様の地域でも取り組みの参考としてご活用ください。
住民が主体となって地域における共生の活動を推進するために、どのような仕組みが必要かについて、昨秋、具体的な提案や取り組みを募集したところ、全国から意欲的なアイデアが106通寄せられました。どの応募からも、皆様が本当に熱心に地域での共生について考え、思いを持って取り組まれている様子が伝わってきました。多くのご応募、誠にありがとうございました。
この度、財団内に設置した「アイデア選考委員会」により、【優秀賞】13件、【優良賞】14件が決定しましたのでご紹介します。ぜひ地域での活動の参考にしていただけることを願っています。
当財団では、「住民主体による地域共生事業の推進方策」について、今後、常時皆様からのアイデアを募集していきます。具体的な活動から国や自治体の仕組みへの提言など、引き続きぜひお寄せください。詳細は追ってホームページや当財団情報誌でお知らせします!
- ※「優秀賞」「優良賞」について、それぞれ都道府県の北からご紹介しています。
- ※各受賞内容は、タイトル、ご提案者(敬称略)、取り組まれている地域(今後の取り組みアイデアは、ご提案者の都道府県)、選考コメントの順に記載しています。また、各右側のご連絡先はご承諾いただいたもののみ記載しています。
- ※添付資料の掲載は割愛しておりますのでご了承ください。また、本文はこちらで体裁統一のため編集を加えています。
- ※受賞者の所属・肩書は、2022年3月現在のものです。
優秀賞
地域の新しいカタチ 鶴ヶ島市鶴二支え合い協議会
鶴二支え合い協議会 細貝光義
埼玉県鶴ヶ島市
「助け合い支え合う地域で、楽しく健康で生きていくため何かできることはないか?」健交サロンを立ち上げて
小鹿野町倉尾地区集落支援員 淺香繁
埼玉県小鹿野町倉尾地区
TEL:0494-75-0135
選考コメント
体力維持向上のための活動をするだけではなく、地域にある問題や課題の話し合いを行っている。防災や荒廃地の増加の問題に取り組むなど、サロンが住民主体で行う様々な活動の拠点となっている点が参考になる。また、サロンでの地域課題の話し合いが災害時に成果をあげた例として評価できる。
第三者の支援による住民参加型のプラットフォームづくり
芝園かけはしプロジェクト 髙橋明日香
埼玉県川口市
選考コメント
高齢の日本人と若い外国人が暮らす地域において、学生ボランティア団体が地域の第三者として「共生」の促進に取り組んでいる事例。
多文化交流イベントなど学生のパワーや柔軟性が活かせる活動内容で、言葉や文化、生活習慣の違いによって発生していた摩擦の解消に大きな役割を果たしている。活動内容もさることながら、第三者だからこそできることに着目している点が参考になる。
おとなりさん・ファミリーフレンド・プログラム(OFP)
特定非営利活動法人アジア人文文化交流促進協会 理事兼事務局長 楊淼(やん みゃお)
東京都
TEL:03-6452-3760
選考コメント
地域に住む日本人ボランティアと外国人住民とがペアを組み、半年間一対一の交流をするプログラムの提案。
一対一の交流で相互の文化理解を深めようとするアイデアが新鮮で、参考になる。また、やりたいという意思のあるボランティア希望者を、期間限定という取り組みやすい方法で外国人とマッチングしている点が良い。
ボランティア・ワークキャンプを入り口とした地域共生事業の推進
特定非営利活動法人グッド 村瀬つむぎ
長野県・静岡県・広島県
TEL:03-3973-1631
選考コメント
大学生を中心とした若者を「参加者」、地域で活動する組織を「受入団体」として、課題のある地域に一定期間滞在しながら、地域課題解決のために働く合宿型ボランティアのアイデア。
地域の外からのボランティアを入れることで、地域の魅力の再発見や新たなつながりの創出を図ろうとしている点が参考になる。また、一定期間滞在によって地域愛が生まれて継続的なボランティアにつながりやすい。
名張市版地域共生社会
名張市役所地域マネージャー 藤本勇樹
三重県名張市
TEL:0595-63-7484
選考コメント
地域課題を自主的に解決できる仕組みとともに、関係機関等と連携できる相談支援体制のモデルとして全国に知られているが、これらを有効に機能させている連携のあり方、人とのつながり方は、地域共生に向けたプラットフォーム作成の参考となる。地域の子どもは地域で育てるという思いから広まった「地域の子育て広場」では地域の高齢者が活躍するなど、住民が主体的に分野を超えて自然に関わり合える点が非常に優れている。
認知症の人がまちづくりの主人公 みんなでつなごう! 笑顔の輪! ~あなたと私の「オレンジ夢リング」
ゆめ伴プロジェクト i n 門真実行委員会事務局、門真市社会福祉協議会 小柗智誠
大阪府門真市
TEL:06-6902-6453
選考コメント
認知症の人と住民が共に楽しみながら、多様な人々・多様な場所で三つ編みを作ることを通して、認知症になっても社会の一員として役割を持つことのできる社会づくり、認知症への理解を深めようとしている事例。
全員が担い手という考え方が良く、それぞれの得意なこと、やりたい事を活かして役割を持っている点が参考になる。
地域共生、協働は、地域活動団体から
箱の浦自治会まちづくり協議会 会長 岡保正
大阪府阪南市箱の浦
TEL:072-476-1616 080-3940-9883(会長 岡)
選考コメント
高齢化が進む地域において、自治会が中心となり地域に働きかけながら課題に取り組んでいる事例。社会福祉協議会、地域包括支援センター、医療機関等と連携して地域共生に取り組んでいる。
「行政から協働を待つのではなく、地域から協働を働きかけていくべき」という姿勢が良く、住民から専門職へ積極的に働きかけている点が参考になる。
共育・共成・共存のまちへ
市民グループ ふくみみ 代表 橘貴範
広島県広島市
TEL:090-8244-3755
選考コメント
外国人のための日本語支援、まちのローカルツーリズムの開催、地域行事・イベントへの参加をしている事例。
単にイベントに参加するだけではなく、外国人と住民の交流の機会を積極的に設けて共生を進めようとしている点が参考になる。
子ども発の地域づくり ~子ども生活介護サポーターの活動から広がる地域共生社会~
ご近所福祉クリエイション 酒井保
広島県
選考コメント
介護予防をテーマとした「子ども発の地域づくり」を提案するアイデア。子ども、障がい者、認知症者といった通常「助けてもらう立場」の人も含め、それぞれが役割を持った地域づくり活動を構想している点が参考になる。
“まちのお茶の間”から地域共生の拠点“(仮)あてらぁの家”へ
特定非営利活動法人アテラーノ旭
高知県高知市
TEL:088-873-1082
選考コメント
人口減少と高齢化の進むまちをなんとか元気にしたいと、居場所づくりと地域の課題解決に取り組んでいる事例。
空き店舗の活用で地域活性化と住民のつながりの両方を生み出しており、参考になる。
また、配食等の活動をする中で、新たな課題を発見し、行政や様々な団体、地域住民との連携を広げていった点も良い。
何もしなければ 何も始まらない 始めよう・みんなで・助け・愛・活動
地域共生助け合い隊 会長 藤本八重子
長崎県諫早市
TEL:0957-48-1938
選考コメント
地域の高齢化、特に一人暮らし高齢者の生活不安という課題に対応するため、住民ができることとして有償ボランティアを始めた事例。その頑張りと熱意で身近な活動を立ち上げた点を参考にしてほしい。
村おこし子ども団
宇検村役場保健福祉課地域おこし協力隊 栄雄大
鹿児島県
TEL:080-8390-1750
選考コメント
子ども達が自主、自発的にボランティア活動に参加できるアイデア。
大人が考える地域活動を押し付けるのではなく、「ゼロから子どもたちを中心に大人がサポートしながら活動を始めていく」プロセスを重視している点が参考になる。子どもが自然にボランティア意識を育むきっかけとなる。
優良賞
地域サポート応援職員制度の創設について
足利市元第1層生活支援コーディネーター 饗庭啓将
栃木県
選考コメント
行政と地域の架け橋となるような「地域サポート職員」の配置を推進するアイデア。
それぞれ視点や意見が違うことから、行政と住民が同じ方向を向いて理解し合うのは難しい道のりがある。そうした状況の解決策の一つとして参考となる提案となっている。
NPOと地元企業および民間団体が協働で困りごとを解決するシステム
特定非営利活動法人手をつなごう
群馬県沼田市
TEL:0278-25-9082
選考コメント
地域住民のどこに頼んでよいか分からない困りごとについて、NPOが窓口となり、困りごとを解決できる地元企業や団体につなぐシステムの提案。地元の企業を巻き込む例として参考になる。
輝け地域御朱印
埼玉県企業局 茂木順子
埼玉県
TEL:048-822-5345
選考コメント
ボランティアを記録するツールとして、地域御朱印帳を作成することを提案している。
客観的記録がなく評価されづらいボランティア活動について、地域の特色を生かして見える化するためのアイデアとして参考になる。
住民の共生活動を推進するための、地域の小中校生の夢を叶えます基金運営
南流山子ども食堂の会 金川泰三
千葉県
選考コメント
地域の小中高生が家庭の事情でやりたくてもできない事に対して、夢を叶える基金のアイデア。
住民主体で支援をする基金の枠組みを提案している点が参考になる。
レッツボウサイプロジェクト~地域防災ラボラトリー~
特定非営利活動法人防災コミュニティネットワーク 理事長 増村一樹
東京都杉並区ほか
TEL:080-3301-4565
選考コメント
防災を通して地域共生の居場所を確立しようとしている事例。
防災という関心の高い住民共通の課題に着目し、地域コミュニティの形成を行おうとしている取り組みが参考になる。
在留外国人との多文化交流、今出来る街づくり
大島地区町会連合町会 会長 渡辺恵司
東京都江東区
選考コメント
外国人居住者が多い地域性を踏まえ、従来交流のなかったことを課題として外国人居住者の孤立化を防ぎ、地域住民とつながる助け合いのまちづくりを提案するアイデア。自治会・町会の連合会長が柱になって住民主体で取り組んでいる点、大学生や専門家も交えてグループワークを重ね、祭りやイベントなどの気軽な形で外国人と地域住民を結びつけていこうとする点が参考になる。
プロセスエコノミー型まちづくり:ホシノマチ団地
株式会社みんなのまちづくり 代表取締役 伊藤洋平
長野県佐久市
TEL:080-7086-4745
選考コメント
移住促進を目的に公営住宅を改修した佐久市のホシノマチ団地の取り組みは、国土交通省のスマートウェルネス住宅等推進モデル事業にも選定されているが、単にハードの提供ではなく、住民主体を柱とした居住環境づくりが進められている。入居者募集や入居者向けサービスづくり、団地の環境整備、地域の高校生も巻き込んだ活動や仕事の創出などの具体的な取り組みが参考になる。
御代田町産ライ麦ストロー作りの活動を通した他業種との協働による共生の地域づくり
~MIYOTAライ麦ストロープロジェクトの取り組み~
MIYOTAライ麦ストロープロジェクトメンバー、御代田町社会福祉協議会,ケアマネージャー 東城美苗
長野県御代田町
TEL:0267-32-1100
選考コメント
クラフト作家、デザイナー、農家、社協、ボランティアの連携・協働により、ライ麦をストローに加工する活動をしている事例。
作業には、通所介護事業所の利用者や学生、障がい者も参加しており、地域共生社会づくりの実践例として参考になる。
ひとりじゃないよ。みんなが繋がるアパートメント
陶山美佐
三重県
TEL:090-9127-9835
選考コメント
多様な人たちが助け合うシェアアパートメントのアイデア。
高齢者、シングルマザー(ファザー)、学生、要支援者、福祉や医療に興味のある方等、様々な人が助け合い共生する空間を提案している点が参考になる。
昔の暮らしは、現代社会の問題を解決します
籔の傍 代表 小関皆乎
京都府向日市
TEL: 075-933-7733
選考コメント
住民、竹林所有者、大学、行政、企業等とのネットワークづくりをしながら、放置竹林の整備活動を進めている事例。
放置竹林という地域の課題を通して、多様な主体がつながっていっている点が参考になる。
市内在住の高校生が市民活動センターを拠点として地域の魅力を発信するフリーペーパーづくり
あしや部~芦屋市在住高校生市民活動プロジェクト~ 共同代表 田畑北斗
兵庫県芦屋市
TEL:0797-26-6452
選考コメント
地域の魅力を地元の高校生目線で発信するフリーペーパー作りを通して、高校生の地域との接点づくりに取り組んでいる事例。
地域との関わりが薄い若年層にアプローチし、地域における多世代の共生を推進しようとしている点が参考になる。
ナッジ×一石◯鳥!
九州大学大学院法学研究院教授 嶋田暁文
大分県由布市・佐賀県伊万里市
選考コメント
ヤギの餌集めで高齢者宅を回るなど、引きこもりがちな高齢者にも自然な役割・出番を生み出している事例。「ナッジ:人々の行動を無意識的に変容させること」という視点から、地域のつながりを深め、様々な効果につなげようとする発想が参考になる。
共同温泉見える化計画~福祉・観光で活用する動画制作~
はまRUN(ラン)会 寺田竜
大分県別府市
TEL:0977-25-6811
選考コメント
共同温泉文化という地域の特色を生かしたアイデア。温泉地ならではの課題に着目し、地域づくりの伴走支援をする中間支援組織を設立し、解決のための企画・活動をしている点、観光・福祉・地元の文化継承の視点を持って取り組んでいる点がユニークで参考になる。
ホットスポットウォークで 広げよう!!子どもも大人もおじぃもおばぁも皆が住みよい地域づくり♡
豊見城市社会福祉協議会 第2層生活支援コーディネーター 田仲育恵
沖縄県豊見城市
TEL:080-6489-3666
選考コメント
外から入りやすく・見えにくい場所「ホットスポット」に着目している点が新しく、参考になる。
子どもが犯罪に巻き込まれやすく、高齢者も迷いやすい地域を把握し、防犯と高齢者の見守りを兼ねた取り組みとなっている。
選考コメント
住民主体による地域共助の仕組みづくりに早くから取り組み、福祉分野を越えて防災も含めた多角的な活動を行っており、推進方策として、他地域の参考になる。
住民の主体性を大切に、避難訓練やAED講習、児童との会食会・ふれあい体操・健康吹き矢教室など様々な活動を行っている事例。