「地域助け合い基金」助成先報告

【個人】 吉村真悠子

東京都足立区
居場所

助成額

149,000円2024/10/11

助成⾦の活⽤内容

1.活動の趣旨
本助成金を活用して取り組みたい活動は、「バリアフリー・アドベンチャー」というプロジェクトで、重症心身障がい児をもつ当事者家族のお出かけを支援し、居場所づくりや、相互交流や社会とのつながりを作ることを目的としています。

2.活動の背景
私は、ミトコンドリア病という難病を抱える重症心身症の娘を持つ母親で、普段はSNSを中心に、重症心身障がい児をもつ家族の日常を発信しながら、普通の家族にとっては当たり前と思える様々なことに子どもとチャレンジしてきました。家族で個人的にいろいろと挑戦する中で、同じような境遇の他の当事者家族の皆さんのチャレンジしたいという気持ちを実現する活動をしたいと思うようになり、このプロジェクトを立ち上げました。

活動の背景にある最も大きな地域課題として、障害や疾患を抱えた子どもたちの多くが、地域の学校に一緒に通ず、それによって、地域社会にとけ込むことが難しくなってしまっているという現状があります。学校などで一緒に過ごしていないので、地域で行われるお祭りや様々な活動にも参加しづらいのが実情です。子どもは、もともと分け隔てなく自然に互いに遊んだり一緒に過ごすことができます。子どもやそこ家族が安心して楽しく自信を持って外出できる機会や経験を提供したいというのが、大きな動機です。

3.活動内容
・グランピングお泊り会の実施
具体的には、千葉県千葉市の稲毛海浜公園内の「スモールプラネット キャンプ&グリル」で当事者家族のお泊り会を実施し、当事者や支援者同士の交流を図ります。同時に、シュクレという車椅子等での座位保持のための座椅子器具の専門家の先生をお招きし、また、地元の浜の施設運営関係者の方々を交えて情報交換します。

・2回の実施
なるべく多くの参加者が集まってほしい、また子どもの体調などの都合から寒い冬季の実施は難しいので、秋と春の2回お泊り会を実施する予定です。1回目は初めての取り組みになるので、様々な改善点が見つかるはずで、それを踏まえて2回目の実施に活かし、当事者家族の安心感を高めたいと考えています。

・サポート体制
このプロジェクトでは、当事者家族が安心して過ごせるような工夫を取り入れたいと考えています。具体的には、ペースト食やミキサー食などの食事の工夫を飲食施設の担当者と相談しながら実現します。また、普段いなげの浜でバリアフリーの活動をされていて障害や病気に理解のあるカメラマンさんに同行してもらい、慣れない環境で家族が存分に楽しみつつその思い出を写真や動画で残せるようにします。そして、医療的ケア児の家族や支援者向けにメディアやイベント運営をしているNPOの方々にも参加いただくなど様々な支援を準備します。

4.活動の狙い
この活動を通じて、私自身の家族も含めた、当事者家族のエンパワメントが大きな目的の一つです。

私自身の娘が急に病状が変わって重度心身症児になり、もう3年が経ちます。私が、障がいのある長女と「外に出るのは大変」「こんなことはできない」と決めつけて、いろんなことを諦めていたせいで、次女までも家族としての思い出を作れないまま過ごしてしまったら、私自身後悔しないだろうかと思いました。もし娘の状態がさらに悪化して医療的ケアがもっと必要になったら、など同じ様に葛藤や不安を抱える多くの当事者家族に会ってきました。

当事者家族が新しいことに挑戦し、成功体験を共有することで、外出に対して自信を持つことができるようになることで、地域に出かけていき馴染んでいけるきっかけにしたいと考えています。

また、地域で事業を展開する地元企業さんと協力してプロジェクト進めることで、地域のバリアフリー改善が進むことも最終的な狙いにしています。このプロジェクトを通じて、障がいのある人々への対応を学ぶ機会となり、理解や配慮をどう形にすればいいのか、具体的な活動を通じて考えていただけることを期待しています。地域での助け合いには、地域の理解と、それを表現する方法を知っていただく必要があり、それにはまず、当事者家族が勇気を持って出かけられる機会を作る必要があると考えています。

活動報告

準備中