「地域助け合い基金」助成先報告
地域団体 たかはらんど
島根県邑南町 ウェブサイト助成額
150,000円(2024/08/08)助成⾦の活⽤内容
島根県の、過疎の最先端地である邑南町という中山間地で活動しています。地元たかはらの高原小学校は全校児童40名の小規模校であり、この高原小学校の存続をテーマに活動しています。地元産物の商品開発製造販売などで資金を稼ぎ、子どもたちへの郷土学習や自然体験、郷土の歴史の探究、イベント企画運営、移住定住促進、婚活など、幅広く地域振興活動をしています。以前からの夢だった拠点となる空き家の改修が完了し、この春から宿泊と飲食店を始めました。
そんな中、私自身子育て中の身ですが、子ども達は夏休みになると給食がなくなるので、栄養面や経済面、そして作る手間を考えると、保護者への負担は大きく、子どもたちも十分な栄養と量を食べているのかとの不安もあります。例えば共働き世帯では、朝から子どもを放課後児童クラブへ預けますが、弁当持参が必須です。コンビニもないこの地域では作るしかなく、ついカップラーメンになってしまうことも。
地域で子育てを目ざしている私たちは、子どもを健やかに育てたいことと、保護者さんの負担を軽減し、地元の産品の需要を増やす意味も含め、夏休み子ども弁当を企画し、希望者にお届けすることにしました。
お母さんたちや地元の農家さんの協力も得て、まさに地域で子育てをしたいと思っています。
発達障害の子どもが全国的に増加しており食の安全が言われていますが、地元の安心安全な食材を、少しでも子どもたちに食べさせたい。ここ邑南町は、中国山地のてっぺんに位置し、美しい水と空気と大自然に囲まれた高地です。地元の美味しい安全なものを食べて、暑い夏を乗り切って健やかに育ってもらいたい。そして、食材を提供してくださる方々はみんな地元の人たちなので、そこにも興味を持ってもらえれば、どんどん繋がり、大きな輪になるのではと夢想します。
私たちが掲げるテーマにおいても、今後の展開も期待できるものとして、始めるにあたりワクワクしています。
活動報告
こちらは、過疎の最先端である中山間地の真っ只中に位置します。地元の小学校の児童数が減っていく中、この高原小学校(たかはらと読みます)の存続をキーワードに活動しています。
現在、児童数は40名。地域で子育てを謳っている我が邑南町ですが、まさにそれを体現したいと思って活動しています。以前から思っていたのですが、夏休みになると給食がなくなるため、子どもの栄養面や、親への負担などを考えると、子ども食堂もできればいいが、この際弁当にして、児童クラブへ届けよう。と思い立ち、生活支援コーディネーターさんへ相談に行ったところ、こちらの助成金を紹介してくださり、実際にやってみることができました。
児童クラブに通う子どもたち以外にも、自営業をされている所では重宝され、毎回子どもが自転車で取りに来たり、親の分も弁当の注文をくださったりということもありました
また、なるべく地元の食材を使い、安心安全な食事をと心がけ、見た目もわくわくするようなもの、と子どもたちの顔を思い浮かべながら、色々考えながら作るのがとても楽しく、また感想を聞いて次に活かしてというやり取りをすることで、子どもたちやお母さんたちとのコミュニケーションも取れました。
地元の農家さんからいただいたものをオマケで付けたり、ママ友が手伝ってくれたりと、思いやりの連鎖が子どものお弁当に集約される感じがして、本当に幸せな体験でした。
反省点として、夏休み前に高原小学校の全校生徒にチラシを配ったのですが、ちゃんと親の目に留まっておらず、改めてこちらから連絡するという事態に。次回は、チラシよりは始めからラインなどの最近のツールで情報を流すほうが、手間も資金もかからなくて良いのかも、と思います。また、親自身も弁当が必要で、ついでに子どもの分も作るパターンが意外にも多く、それはそれで嬉しい発見でした。
それと、
私どもの団体では、みんな仕事を持った上でできる範囲で活動をしているため、子ども弁当に関われるのが一人しかいないという中でのチャレンジでした。できれば子供向けだけでなく、今後はお年寄りや、不自由な方に向けての弁当もできればいいなあと思っていますので、そのための人員、仲間を増やしていきたいと思っています。
今後の展開
地元、高原小学校の存続をテーマに活動しています。現在児童数40名と、町内の他校と比べてもそこまで危機的なほうではありませんが、それゆえ、まだ商店もあり公共交通も通る高原では、人口減少に対する危機感があまり感じられません。ですが確実に若い人は減り、子どもも産まれてくるわけでもなく、過疎であることに違いはありません。
地域団体たかはらんどでは、この地域の良さを皆さんと共有したい思いで、様々な活動をしています。
町内外のイベントにて地元食材で商品開発した「たかはらカツサンド」「カツ飯」「高原山地のあじむすび」など販売して活動資金を稼ぎ、春には「山を喰う会」という山菜を採って天ぷらにして食べるイベントや、秋には「たかはら市」という、一年の恵みに感謝する新嘗祭と合わせてのイベントを開催し、地元の活性化を図っています。
また、地域のお宝に目を向けようと、郷土史や史跡の案内、紹介、子どもたちへの郷土学習や、ミステリーツアーの開催、たたら跡地を巡るツアー企画など、先人たちの歩みに思いを馳せ、感謝する活動もしています。
そして、この春には、念願の拠点となる「たたらばハウス一代」をオープンし、地域団体から非営利活動法人へと法人格も取得しました。
宿泊と飲食営業ができるようになり、活動の幅が広がって、せっかく飲食ができるようになったのだから、今回子ども弁当をやってみようと思い立ちました。地域の子どもたちを地域で見守って育てたい。夏休みになると給食がなくて、子どもの栄養状態への不安や親への負担を考え、地元の食材で作る弁当を、夏休み期間中、1食100円で提供しました。たたらば食堂営業日限定なので週三日。スタッフは一人で満足なことはできませんでしたが、子どもたちや親たちともコミュニケーションが取れ、また喜んでもらい、地元の農家さんや親が手伝ってくれたりと、とても嬉しく有意義な体験となりました。
今後は、子どもだけでなく、お年寄りや不自由な方に向けてもやっていきたいと思いますが、そのためには人手が足りないのが課題です。
地域を今後も存続させていくために、今やるべきことは何なのか。答えはわからないけど、何もしないで後で後悔するのは嫌なので、将来、子どもたちに「こんな地域に誰がした」と言われても、せめて言い訳ができるようにしておきたいと思うのです。
美しい山々に囲まれて、おいしい空気においしい水が当たり前にある。先人たちがここで厳しい自然環境の中、時代を紡いで来られたその先に、今の私たちがいること。感謝して、次の世代に引き継いでいきたいとの思いです。
私たちの活動に共感してくださる方がおられましたら、ぜひ一緒に活動しましょう。
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