「地域助け合い基金」助成先報告

 つなぐ手と手

兵庫県高砂市

助成額

150,000円2024/08/08

助成⾦の活⽤内容

昨年度は、「在宅看取り」に向けた地域づくりを考える映画会とトークショーを開催すると共に「米田老人クラブ」と一緒に「歳を重ねてもずーっと住み続けられる地域にするには? ずーっと暮らしたい高砂って??」をテーマに座談会を開催して「つながり」「多世帯交流」「趣味」「健康」について、地域づくりを考え、自分たちの手で暮らしやすいまちをつくっていく活動をしていきたいと実感した。
また、「コープ高砂」で「認知症の人にも優しいお店!安心して買物ができる環境づくり」をテーマに座談会を開催して地域と繋がりを持った活動に取り組んできた。
そこで、今年度は、座談会で話し合った内容を具体的に事業へと展開することを目標に、地域再生の仕掛けについて学び、地域活動の実践を通して地域共生社会づくりを推進していくことを目標に活動していく。

事業テーマ「年を重ねてもずーっと住み続けられる地域再生の仕掛け」【対象:一般市民、地域団体等】
①基調講演「歳を重ねてもずーっと住み続けられる地域づくり~地域再生の仕掛けとは~」
講師:渡辺哲雄さん(作家・日本福祉大学中央福祉専門学校特別顧問)
②地域活動実践報告
※私設公民館づくり
※買い物ボランティアin高砂~だれにとってもやさしいお店を目指して~
※米田老人クラブの取り組み等

活動報告

〇これまでは、会の目的である「誰もが安心して暮らせるまちづくり」を推進するために、「認知症」、「看取り」、「緩和ケア」、「LGBT」、「障がいのあるご本人から学ぶやさしいまち」等、毎年テーマを決めて、講演会、映画会、シンポジウム、トークショー等を一般市民や保健医療福祉関係者を中心に開催して、これからはどんなまちづくりが必要なのか啓発活動を中心に活動してきた。

〇今年度は、これまでの活動から得た「地域のサポートシステムが必要」、「地域と病院や福祉施設との連携が必要」、「住民自らが自分の問題として考える必要性」から、まちづくりを進めるためには、具体的にどんな手法、仕掛けが必要なのかを学ぶ講演会と地域づくりの実践発表会を開催した。

〇講演では、講師から実際の事例を通して地域づくりは、かけ声だけでは進まないこと。地域づくりを進めるには、人と人との繋がりを拡げ、人の行動をそっと後押しするナッジを活用した地域づくりが必要であることを学んだ。ナッジはちょっとしたきっかけや仕掛けで人をよりよい方向へ導き、日々の行動を変容させ、本人や社会にとって望ましい行動を促す手法であり、地域づくりは、ナッジと助け合うシステムをどうつくるかであり、行政との連携を含め、今後の活動の進め方の参考になった。

〇昨年度、「歳を重ねてもずーっと住み続けられる地域づくりにするには?ずーっと暮らしたい高砂って?」をテーマに座談会を一緒に開催した老人クラブにも働きかけ、今回は、一般市民の他に老人クラブの方やボランティア団体、地域活動団体の方の参加があり、新たな参加者につながった。

〇また、3つの地域づくり実践活動の発表会は、地域での取り組みを知る機会となり、地域づくりを進める中でどんな課題があるか共有することができた。参加者からは、講演も含め地域の繋がりをつくる仕掛けについて、具体的なアイデアが参考になった。活動に参加したい等好評であった。

今後は地域の他のグループとの連携の必要性が再確認できたので、活動を通して協働で推進していくことが期待できる。

今後の展開

つなぐ手と手の活動は、誰もが安心して暮らせるまちづくりをめざして今年度で8年目を迎えた。
運営方法は月1回の全体会と事務局会議の他、事業ごとにプロジェクトを立ち上げて活動を進めている。
活動内容はやさしいまちづくりに関する啓発活動・研修、会員相互の交流と親睦、関係機関との情報交換等を中心に展開している。(別添「つなぐ手と手のチラシを参照)

会員のほとんどは、地域で活動している団体に所属しており、個人としてつなぐ手と手の活動を推進する仲間である。会員のそれぞれの専門性や得意分野を活かしながら毎年テーマを決めて活動を推進している。

地域づくりは、行政としても住民とともにつくる共生社会に向けた取り組みであり、苦情や要望に対するその場しのぎの政策や支援に終わってはいけない。そのためには行政と住民との対話が必要であり、住民と行政との協働が不可欠である。
今後は、地域づくりの場に行政職員が参加し、住民とのコミュニケーションを図り、行政も含めた地域づくり活動が協働できるように働きかけていきたい。
また、地域で活動しているグループや団体との連携を深め、身近なところで活動を協働して、住民が安心して、活き活きと暮らせるまちづくりを進めていきたい。

添付資料