「地域助け合い基金」助成先報告

 熊本グリーフピアサポートグループ みんなの和

熊本県合志市 ウェブサイト
その他

助成額

150,000円2024/06/05

助成⾦の活⽤内容

流産・死産・新生児死といった周産期に子どもを失うという経験は「社会的に認知されない悲しみ」と言われます。周りが妊娠していたことを知らない、もしくは周りが妊娠を知っていても亡くなった子どもとの存在を紹介することもできないまま存在が失われるため、親は悲しみを誰とも共有できず内に秘めたまま通常の生活に戻らなければなりません。周りもなんと声をかけていいかわからず、当事者も傷つくことが怖いため不用意に発言できず、当事者は孤立してしまうことが問題になります。

私たち「みんなの和」は2021年に発足し定期的なお話会の開催、2022年からは10月9日~15日のBaby Loss Awareness Week~亡くなった赤ちゃんとご家族に想いを寄せる1週間~の啓発期間にサクラマチクマモトを啓発カラーにライトアップしています。世界的な啓発習慣のため、この時期は世界中で有名な建物がピンク&ブルーにライトアップされます。光は言葉を交わさなくても「一人ではない」「亡くなった赤ちゃんのことを想っている」という気持ちを共有することができます。

今年度はライトアップ費用として当事者と共同でチャリティの返礼品を作り、支援したい人に寄付してもらうことで死別の経験の有無を問わず繋がりをつくることができればと思っています。
また、今回の助成金を活用し会のパンフレットを新規に作成。毎月のお話会やチャリティ物品制作時、今年度は医療機関、周産期の対象とする専門職を対象としたイベントも2つ予定しており、当事者への啓発はもちろん医療者など支援者側への周産期グリーフケアの必要性の啓発を行っていきたいと考えています。

活動報告

私たちの団体は流産や死産・新生児死といった妊娠中もしくは出産中~産後まもなく赤ちゃんとお別れした家族の居場所を提供することを主としております。年に1度の大きなイベントとして、熊本の代表的商業施設サクラマチクマモトを啓発期間(10/9~10/15)に啓発カラーであるピンク&ブルーへライトアップする活動を行っていますが、今回は初めて啓発期間すべてをライトアップすることに挑戦しました。そのためにライトアップ費用は高額でしたが、チャリティーのためにたくさんの人たちが力を貸してくれました。まずチャリティーの返礼品である水引チャームとティーバック作成に20人以上の人が名乗りを上げてくれました。さらに、チャリティーグッズを置いてくれる場所を募集し、6市町村13のお店が快諾してくれ約1か月間のチャリティーを行った結果、個人や企業からの寄付も含め276,688円の支援を頂きライトアップを成功させることができました。このライトアップは非言語的なアプローチで、言葉はなくても亡くなった子を想う光であり、別れを経験した家族への支援、経験はなくても家族のことを想っていると伝えることができる大事な光となっております。見た方からは感謝の言葉も頂くことができました。苦労した点ではスタッフが少なく、広報や移動、連絡、郵送対応などが大変でいた。多くの店舗にチャリティーグッズを置いて頂けた嬉しさがありましたが、活動できる日にちが限られた中で広い範囲に移動せねばならず、時間が足りないと感じました。今後の課題として時間に余裕が持てるよう何事も早めの行動を心がけようと思います。また、助成金でパンフレットを作成させていただき、会のパンフレットに加え私たちの活動内容が知れるような活動報告も作成させていただきました。毎月のお話会やイベント時に私たちの団体をより分かりやすく知ってもらえるように活用させていただいております。

今後の展開

当団体は流産や死産・新生児死などの周産期喪失に関わるケアを、望んだ人が誰でも受けることができる社会を目指しております。この事柄は誰にでも話せる事柄ではなく、また周りの人間も簡単に話を聞いていいものか悩む事柄です。その結果孤立してしまい他者と関わることや社会復帰が大きな壁となります。
今後、当団体は市町村や病院との連携・相談ができるようにNPO法人を目指し活動予定です。私たちの団体では①プライバシーが保たれる状態で活動できる場所、②活動資金、③市町村や病院・その他周産期に関わる方との繋がりという3点を欲しております。①については、私たちの団体は人の命や性に関する事柄のお話を当事者同士で行います。個人のプライベートなことや精神的にデリケートな話をするため、大勢で話をする場合もあれば個人的に話したいという方もいます。そのため公共の場で話をすることをためらう方が多いです。安心し、かつ事務的な空間ではない場所を見つけていく必要があります。②については、当団体は心身ともに辛い状態でありこれから治療などにも金銭を必要とする当事者からは、お話会などのイベントでもあまり高額な金銭は要求しないようにしています。そのため、活動資金はないに等しい状態です。今後NPO法人を目指し、法人化した暁には賛助会員や企業会員の募集を行う予定です。③につきましては、当団体は周産期グリーフケアについてよりよい未来を望んでいます。そのためには当事者の声だけではなく、市町村や病院の職員の声も聴かせてほしいと思っています。当事者と接する職種の方も相手に気を遣い声掛けや対応に悩む場面が多いです。そのため、個々の話で終わらせるのではなく連携をしていきたいと考えています。
小さな赤ちゃんとお別れした家族が周産期の喪失に向き合いながら社会復帰への手伝いができるように、私たちにできることをさせてください。
この度は当会への助成とこのような掲示の機会を頂きありがとうございました。

添付資料