「地域助け合い基金」助成先報告

 下高砂協議体

山梨県南アルプス市
居場所その他

助成額

50,000円2024/05/02

助成⾦の活⽤内容

・この地域でも、近年住民相互の連帯が薄れてきている。以前は、組対抗の卓球大会、敬老会など開催し、この地で生まれた方々は、人生の先輩達に(たとえ中年男性になっても)「〇〇ちゃん」などと呼ばれたものである。他の地域から嫁いできた女性は、和服を着て姑と地域を挨拶して回り、子どもが生まれた際は、「ぼこ見」と称して自宅の広間に近隣住民を招いたりした。
小学生が他人の畑の果実を食べるのを目撃すると、畑の持ち主は「こら!お父ちゃんの名前を言ってみろし」(父親の名前を言えば、どこの子かすぐ、分かる)と笑って言ったものだった。
お月見の夜はお団子をたくさん作って、えんさ(縁側)に置き、近所の子どもは木の枝を持って、その団子を突き刺し盗んだ(なぜかこのように言う)ものだ。

最近はコロナ禍もあいまって、地域の行事は減る、あるいは消滅し、縁側のある家はほとんどなく、どこの家にお嫁さんが来て何人子どもがいるか、さらにはその家のご老人が、生きているのか死んでいるのかわからないこともあるほどである。この地域に小学生が何人いるか、地元小学校に尋ねたところ、「50人」と。協議体メンバー全員合わせてもその半分も顔を知らない状況である。

・プライバシーについて賛否両論はあるだろうが、私たち協議体メンバーは、「とにかく昔のように近所で顔見知りを増やそう、一人で悩まず気軽に『助けて』、『手伝って』と言える地域にしよう」と力を合わせている。

・意識的に地元を歩くと、うつろな目でふらふら歩いているお年寄りや、雑草がいっぱいで荒れた畑や、水が溢れている側溝などに気がつく。市役所始め関係機関に勇気を持って相談すると、意外に早く解決することができた。

・毎年秋には落語や音楽会とともに防災の講演を行っている。特に本年は、地元旧八田村の姉妹都市石川県穴水町が元日の大地震で被災され、集会所に設置した募金箱に約4万円が集まったなど、地域住民は大きな関心を寄せている。今年は地元の災害防災ボランティアが、育児関連の防災グッズも展示してくださるとのことで、子どもからお年寄りまでが集いやすいように、第1部は手品をお願いした。毎回「結集」が大きな課題である。

活動報告

①「懐かし映画館」地域の集会場で映画を上映。様々な年代の住民が鑑賞し、楽しい交流ができた。
これまでは毎年高齢者向けに懐かしい映画「愛染かつら」「青い山脈」などを選んできたが、今年は「年代に関係なく喜んでもらえる映画にしよう、そのためにはどんな映画を選んだら良いのだろう?」と全メンバーが苦悩。インターネットや友人知人から情報収集し「べイブ」に決定した。

②「夏休みこどもカレー屋さん」夏休みに子どもたちと交流し地元産の野菜を味わってもらえた。
じゃがいも、人参、米、スイカの寄付があり女性ボランティアの活躍でおいしいカレーを味わってもらうことができた。ゲームは、昔ながらの輪投げや手作りゲームをおこなった。
集会場はホールにはエアコンがなく「子どもとの遊び&カレー」には過酷な環境。
工アコンが設置されている和室の備品をすべて片づけて実施した。

③「下高砂ハロウイン」仮装した子どもと保護者ボランティアが地域を歩き地元の老人施設やレストラン、高於者宅を訪問できた。
突然の衆議院議員選挙で日程変更を余儀なくされ、さらに秋にしてはめずらしく悪天候が続き、週間予報では当初大雨であったが、2日前あたりから晴れとなりスタッフは安堵した。子どもたちは通学路でない道も知ることができ、地域のお年寄りの顔も知ることができた。「おいくつですか?」の質問に「9 9歳だよ」と応えた婦人には期せずして拍手がおこった.

④「みんなで見る手品~ちょこっと防災講演会付き」ただ防災講演会だけでは敬遠されてしまうおそれがあるので、手品とセットにすることで結集をはかった。
協議体の財源だけではプロのマジシャンをお迎えできないので′、さわやか福祉財団の「地域助け合い基金」の助成を受けて実現することができた。防災講演ではあらためて地域のハザードマップを確認しあえた。

⑤地域課題話し合い 他地区の成功例を聞くとスケールの大きさに圧倒されてしまうが、「集会場イベントにきていただき、そこから地域の課題を気軽に聞き取ろう」という基本の姿勢は続けていく。今年度提出された地域の課題(気になること)「雨がやんだ後も側溝から水が溢れる箇所」「市営住宅跡地に人の背丈ほどの雑草が繁茂」「道路の陥没箇所が、歩行自転車通行には危険」は解決に導くことができた。

今後の展開

広報等で我が協議体のことを尋ねられた際に応えているフレーズは甲州弁満載です。
「あのしは誰でえ?」のない近所、気軽に「助けてくりょう」と言えるふるさと、子どもも高齢者も決して一人にさせない、そんな ぬくとい なるい繋がりのある地域作りを目指していきます。

本来は地域課題を話し合い解決に向かうべき活動ですが、一番に大切にしているのは「今日も協議体の会議か いやだな 面倒くさい」を絶対回避するということ。
役職のため、地域のため、誘われてしかたなくとメンバーが参加した経緯はそれぞれですが、人は地域のため、とくにイベント開催となるといつのまにか盛り上がり熱心にかかわれるもの。毎回の会議はイベント準備の時期に行い、前半でイベント開催の検討会を、後半では地域の問題点や気になること・人(認知症状のある高齢者、大声で子どもを叱っている母子家庭など)を話し合うようにしています。
イベントも地域の世代間交流はもちろんですが、「紙のアンケートよりもイベントに参加してうちとけた時に住民の声を聞き取る」ことを常に心がけています。

今年度反省会ででた課題は①「参加者を増やす」こと=「周知方法を回覧板でなく全世帯配布にしてみよう」、②「魅力的なイベントを開催する」こと=新たに挑戦することとして「地域の女性陣に呼び掛けて,、10時~15時くらいの県内バス旅行(見学・昼食付きで安価な参加料)を、出荷休みの月曜か金曜の昼間に企画してみよう」

集会場にお弁当を配達してもらい、「反省会」と称して食べながらわいわい意見交換をした結果です。私(代表大堀)自身は地域のため…、と熱い思いで手弁当で活動してくださるスタッフのさんが大好きです。実は神奈川県からお嫁に来た身なんですけどね。

添付資料