「地域助け合い基金」助成先報告

 まちかどデジ活

東京都世田谷区
居場所見守り生活支援

助成額

50,000円2024/05/02

助成⾦の活⽤内容

2023年度に(1)高齢者向けにスマホを教える活動、(2)子ども向けドライブシュミレーションゲームイベントを行い大変好評だったので、この2つの柱をさらに発展させ、(3)親子でスマホやゲームの使い方を考えるファミリーコーチングの活動も新たに付け加えて地区社協や地域の方々のご期待に応えていくこととしたいと思っております。

【助成金で進めたい活動】
(3)親子でスマホやゲームの使い方を考えるファミリーコーチング 
今年、本助成を得て新たに実施する予定の活動です。地域の子育て中の親子をイベントの場(5月の代沢わいわい文化祭・11月の代沢こどもフェス)をきっかけにさらに支援していくことを目的としています。どのような支援かというと、子どもがゲームやスマホばかりやっていて勉強しない、と考えてイライラガミガミしてしまう親に対し、ワクワクのファミリービジョンを描いて暖かい家庭を築けるようになるための支援です。
申請者は民間の人材育成機関「次世代ファミリーコーチング」でファミリー課題に対応するコーチング手法を学んでおり、ここで学んだコーチ仲間が多数います。(コーチ仲間は、企業の人事部所属の方、他自治体の男女共同参画委員としてキャリア相談等に対応している方、個人としてクライアントの相談にのっている方などです。) この方々の専門スキルを活かして、「ドライブシュミレーションゲーム」で遊んでくれた親子に、隣のブースで、「スマホやゲームについてどう思う?」の傾聴を行い、子どもが自分でスマホやゲームの時間についてどう思っているのかをしっかり自分で言語化する、お母さんもただただ子どものゲームを叱っているばかりにならないように、どう思っていて子どもが何を願っているのかを言語化する、などのお手伝いをしていきます。
具体的にはコーチが傾聴して引き出された言葉を付箋に書き、模造紙に貼っていく、他の子どもや親の気持ちの言葉を見てさらに自分の気持ちを内省する、等の活動になります。未就学児・小学生・父親・母親が各々の気持ちを表現しやすくするために、ブースには気持ちを表すビジョンカードを飾ったり暖かい雰囲気になるような飾りつけを行います。

活動報告

<どのような活動ができたのか>
5月11日(土)・12日(日) 世田谷区代沢地区会館で開催された「代沢わいわい文化祭」のまちかどデジ活のブース内に、「ごきげんになる気持ちの木」のコーナーを設置し、ファミリーコーチングのスキルを身に着けた者(以下「コーチ」と記述します)が、ご来場者(未就学児でも小学生でもお母さんでもお父さんでもシニアでも)に次世代ファミリーコーチングメソッドにのっとった以下の体験をしていただきました。

来場者体験
①コーナーの机に並べられたビジョンカード(美しい風景・子どもが遊んでいる情景・食べ物や文具など物を美しく撮影した写真のカード。次世代ファミリーコーチングオリジナル)および飾りつけに目をとめていただきます。

②ご来場者にコーチが自然に話しかけ、今日のイベントのことや、まちかどデジ活で体験したゲームのこと、家庭でゲームやスマホを使っているいつもの時の話など自由にお話いただきます。この時、コーチはスキルを学んでいて「人間スポットライト」のような相手を照らす対応をしますので、ご来場者には楽しかったことや、幸せでワクワクなファミリーの将来のイメージをふくらませて楽しく語っていただくことができます。もちろん、ファミリーによっては、親も子も、今の状態は楽しいことばかりではない、と語りだす方もいますが、そうして語りだすことで現状を客観視しながら語りだしてもらうこともコーチングの狙いのひとつです。

③ご来場者が気にいったビジョンカードの1枚を選択してくださったらコーチがこんな問いかけをします。(なぜそのカードを選んだのか、という聞き方をしないこともポイント)
「あなたはどこにいますか?」「今どんな気持ちですか」「誰と何を話していますか」「何が見えますか?」
コーチは、言葉がけのスキルを学んでいるので、あまりお話が得意でない(言語化が上手にできない)お子様からも言葉を引き出すことができます。

④ビジョンカードを元に自由に想像をふくらませて語っていただいた後、「お話してどうでしたか?」とお気持ちをうかがいながら「あなたが言われたら嬉しくなる言葉を教えてください」とお聞きします。想像力が膨らんだ状態ですので、ご家庭での様々な場面を違った角度から思い出しながら深く考えて、自分が言われてもっとも嬉しい言葉を引き出すことができます。

⑤「言われたら嬉しくなる言葉」を葉っぱの形の付箋紙に書いていただき、「ごきげんになる言葉の木」に貼っていただきます。親子各々がそれぞれで「言われたら嬉しくなる言葉」をコーチに引き出してもらって付箋に書き、後から相手の言葉を確認することによって、相手がこういうと嬉しいのだ、という事を深く認識することができます。この体験をしていただくことによって、その後家庭内で多少の揉め事があったとしても、親子が互いに「相手が言われたら嬉しくなる言葉」を思い出して互いに褒めあい、暖かい家庭が継続することを目指しています。

<どのような人に対してどのような取り組みができたのか>
地域の中のボランティア中心のイベントに、新しい企画というワクワクを加えることができて、ご来場者にも実行委員会にも貢献できました。
毎日ご多忙な保護者の方々(自分の気持ちを内省する時間などとれない状況)に、自分の気持ちが動く言葉って何だろうかと考えていただく時間のご提供ができました。この体験によって、少しでも「相手が嬉しい言葉を考えて発する」きっかけになることを願っています。
言語化が上手なお子様たちに思う存分語ってもらうことができました。(コーチが傾聴を練習していることもあると思いますが、楽しそうに語ってくれました。)

言語化がまだ苦手なお子様たちに、気持ちを言葉にして伝えられることの喜びを少し味わってもらえました。
未就学児でまだ字がかけないお子様でもやりたがってくださったので、気持ちを絵にしていただいたりしました。外国籍の方もイベント趣旨ご理解いただき、英語でお気持ちを書いてくださったりしました。
気持ちを傾聴してもらう機会の少ないシニアの方々も体験し、「自分を内省し、嬉しくなる言葉」をじっくり考えていただきました。
お父様やお母さまとの関係に少し悩みを抱えるお子様(いつも怒られてばかりなど)のお気持ちもじっくり傾聴してあげることができ、コミュニケーションのアドバイスをして差し上げることができました。(お子様のお悩みにも守秘義務がありますので、直接保護者にお伝えすることはいたしません。)
おしゃべり好きなシニアの方も「相手の嬉しくなる言葉」を意識でき、言葉を大切にするきっかけになりました。

<すすめる上での苦労・取り組みの課題①>
コーチたちは今回のイベントでのご来場者との対応に手ごたえ(心を動かしながら言葉を選んでくださっている実感)を得ていますが、ご来場者様とご一緒の写真を本報告書に掲載することは控えました。会場には「さわやか福祉財団の助成金を得ているので活動写真をとらせていただくことがあります」との掲示は行っておりましたが、ご対応する皆様に、「写真をとらせていただいて良いですか?報告書などに写真を活用してよいですか?」とお聞きするのは興ざめするので確認しきれませんでした。良い企画であることをアピールしていきたいのですが、活動写真をSNS発信していくためには考えておかなくてはならない課題が多いと思っています。活動を広げていくためには広報活動が大変難しいです。

<すすめる上での苦労・取り組みの課題②>
まちかどデジ活は、(1)高齢者向けにスマホを教える活動、(2)子ども向けドライブシュミレーションゲームイベントの2つの事業を行っているところに、今回、次世代ファミリーコーチング(民間で有料のコーチングを行っている団体)とのコラボで本企画(3)ごきげんになる気持ちの木、を実施しました。助成をいただいたことにより企画が実現し大変ありがたく思っていますが、(1)・(2)に協力してくださる方がなかなか集まらず少々苦労しています。この「ごきげんになる気持ちの木」の企画が、コーチングスキルを学んだ方の対応のおかげで良いイベントとなったように、(1)高齢者向けにスマホを教える活動、(2)子ども向けドライブシュミレーションゲームイベントの運営も、(1)スマホを教えるためのマインドや技術を学んでいる人、(2)ゲーム機器を自分でも取り扱えて、子どもに遊ばせる時にも見守り続けてゲームソフトの適切な運用ができる人が必要です。今回(3)の活動でご一緒した皆様には(1)(2)にも少しづつご興味を持っていただけておりますが、今後もまちかどデジ活が地区社協や生活支援コーディネーターや地域の方々のご期待に応えていくためには、老若男女問わず「デジタルが得意」あるいは「今はあまりやったことがないがデジタルは今後必要なので学びたい」と思ってくださる方が欠かせません。
まちかどデジ活は、今はデジタルが全く苦手であったとしても(1)高齢者にスマホを教える活動の担い手となるまでステップアップできる道筋をご案内できます。ニューメディア開発協会のシニア情報生活アドバイザー研修やスマホタブレットマスター講習を受講すれば、総務省のデジタル推進委員やTOKYOスマホサポーターになり活躍することもできます。小中学生にも保護者や地域の大人たちがデジタルに恐怖感なく活き活きとデジタルを楽しむ姿を見せることが大事と考えています。(1)高齢者向けにスマホを教える活動、(2)子ども向けドライブシュミレーションゲームイベントの企画にもぜひ応援・ご協力をお願いいたします。(われこそは、とお思いの方はWEBのお問い合わせからご連絡ください。)

今後の展開

今回の助成金で進めさせていただいた「ごきげんになる気持ちの木」の企画は、小中学校内の活動やPTA・町内会のイベントなどでも対応可能です。ご要望に合わせたアレンジも様々可能です。どうぞご相談ください。

まちかどデジ活の「ドライブシュミレーションゲームイベント」と「ごきげんになる気持ちの木」のセットでのイベントですと、確実に子どもたちにお楽しみいただけると思います。特に小学校高学年頃思春期初期のお子様同志のつながりづくりなどにご利用ください。

まちかどデジ活の「ドライブシュミレーションゲーム」は、デジタルゲーム機器を正しく責任を持って取り扱える管理者の居る施設(民間学童など)への長期お貸出しも対応しております。ご希望の方はお声がけください。

まちかどデジ活では、老若男女問わず互いのデジタルを学びあう活動を支援しています。大人の方で、現在スマホはお持ちでお使いなのに、自分はデジタルが苦手と自認する方が多いのは残念なことです。大人たちがデジタルに拒否感や苦手意識を持っていることは、お子さんのデジタル教育にも良い影響がありません。デジタルは日々進化しているので、誰でも日々継続的に「これが変だけどどうしたらできるようになるかな」「あの人はカッコよくできているけどどうやっているのかな」と考えて調べて対応し続けることが必要です。できている方のコミュニティに居ると学びもスピードアップします。

まちかどデジ活では、現状デジタルに苦手意識があったとしても高齢者にスマホを教える活動の担い手となるまでステップアップできる道筋をご案内できます。ニューメディア開発協会のシニア情報生活アドバイザー研修やスマホタブレットマスター講習を受講すれば、総務省のデジタル推進委員やTOKYOスマホサポーターになり活躍することもできます。ご興味のある方はどうぞお声がけください。

添付資料