「地域助け合い基金」助成先報告

 長後寺子屋ぽかぽか

神奈川県藤沢市
居場所その他

助成額

150,000円2024/02/08

助成⾦の活⽤内容

当地区でも経済的に困難なご家庭が増加していると実感している。そのような家庭では、学校での学習についていけないお子さんであっても塾に通えないため、わからないことをそのまま放置せざるをえず、ますます学習についていけないという悪循環に陥り、結果的に不登校となったり、生活が荒れるケースがある。
地域の経験豊富なボランティアが参画し、そのようなお子さんの心や学習のサポートを無償で提供することによって、少しでもそのようなお子さんの成長の手助けをしたいと考え、本活動をスタートした。

活動報告

 私たちは、学校での学習についていけない、あるいは教室に入れず不登校になっている地域の子供たちをサポートするボランティア団体です。この思いを形にしようと、開催できる場所探しに取り組みました。無償で使用できる場所が見つからず頭を抱えていたところ、駅前にある就業支援施設の施設長の理解を得て安価でスペースを借りることができました。助成金という応援と勇気をいただけたことで活動を拡大することができました。万一の事故に備えたボランティア保険にも加入することができました。チラシを作成し長後地区の小中学校で配布してもらいました。その結果3人の子供たちが参加してくれました。3人にはマンツーマンで関わり、苦手なところを丁寧に教え、1人で考えて解けるように繰り返し取り組んできました。その結果、自信につながり自己肯定感が向上しました。また地域のこども食堂やテーブルマナー講習への参加など幅広い体験ができるようになりました。

 1人の子供さんの親御さんが入院することとなり、姉との二人暮らしが始まりました。十分な家事ができないことを知り、自分で料理ができるようになって欲しいと考え、家事のプログラムを実施しました。「お米を炊いておにぎりを作る」ところから始め、包丁やコンロを使わなくて済むよう、カット野菜とひき肉をホットプレートで調理する焼きそばや、材料を調理バサミで切って作るお好み焼きなど手軽にできる料理を作るプログラムを実施しました。母親が退院後、子供たちだけでおいしい焼きそばを作ってくれたと聞いたときのスタッフの嬉しさはひとしおでした。このように学習プログラムだけでなく、ものを作る楽しさや面白さを伝え、興味が広がる工夫をすることにより子供たちが成長していくことを実感しています。私たちの活動を聞いた地元の方の差し入れやお手伝いもありました。大変ありがたく、多くの方々の共感を得ることができました。
私自身が授業のお手伝いや社協のイベントへ参加した際、私たちの活動をお伝えしたところ、先生や社協の方がチラシを積極的に配ってくださいました。今までの実践の一つ一つの積み重ねが信頼関係の構築に繋がっていくのを実感しました。

 地域の子供たちがどんな環境にいようと自信を持って自立して生きていける人になってほしい。そのためのサポートは大人の仕事です。先生方と話していると日本語がよくわからない外国出身の親御さんが多いことを知りました。12月のイベント、クリスマスのリース作りの参加者募集の際、日本語版だけでなく英語版のチラシも作成しました。学校や社協の餅つきイベントなどで配布してもらったところ、スリランカの方が見学に来てくださいました。

 12月に開催したクリスマスリース作りイベントはこのスリランカ出身の二人のお子さんを含め10人以上の参加者で会場は満員となり大盛況でした。職場の植栽の木の葉を分けてもらう協力も得て17個ものリースが完成し大喜びでした。子供たちが5人も増え、外国の方と交流が広がりこれからが楽しみです。今後も子供たちとの関わりを大切に、たくさんの世界を提示できる「長後寺子屋 ぽかぽか」でいたいと思います。

今後の展開

子供3人でスタートし「ぽかぽか」も2年目を迎えます。試験の点数を上げるための一般的な塾とは異なり子供たちの全人的な成長を見守っていく無料の塾です。スタッフ全員が子供たちの心の成長と学習支援に目を向け活動しています。子供たちと話していると自ずとその子の良いところや乗り越えようとしている心が見えてきます。そのような時間がとても大事だと思います。亀さんのようにゆっくりとした歩みですが焦らず丁寧に寄り添って行きたいと考えます。
 学校に行けないことや勉強がわからないことで引け目や孤立を感じていた子供達が地域イベントへ参加したり差し入れをいただいたりすることで心が明るくなります。 「ぽかぽか」では2、3ヶ月に一度、地区の方の協力を得て調理プログラムなどを企画し交流を深めたいと考えています。

添付資料