「地域助け合い基金」助成先報告
【個人】 福井 陽介
大阪府大阪市都島区

助成額
150,000円(2024/01/10)助成⾦の活⽤内容
【パソコン・タブレット用の作曲ソフトを用いた作曲体験の提供】
通常の音楽教室のように、家族が音楽をしていたり、高価な楽器代・月謝を出して音楽教室に通ったりしなければなかなか触れることのない楽器や、曲づくりを気軽に体験できる場所をこれまで開いてきている。
体験スペースとしてのアトリエ「音工房〇」と並行して金・土にカフェを開店し、子育てや子どもの病気・障害にする相談に乗ることと、来店したお客様の見学や気軽な体験を受け入れている。
現在、有償でのレッスンだけではこれまで支援してきた、発達障害や不登校の子どもたちやその保護者・支援者など、必要としている人に十分に届かないため、無償にて開催することでより広がりを持たせたいと考えている。
主催者1人で見られる最大人数が6人までであり、現在所持している個数では足りないため、助成金を使ってより多くの人を受け入れられる体制を整えたい。
※必要に応じて英語対応も可能
ボランティアでの開催実績:
2023年8月 都島区民祭り内にて参加費無料でブース出店
2023年12月 こみらいフリースクールの生徒を受け入れ、無償にてワークショップ実施
その他、小学校の放課後事業などでも音楽ワークショップの経験あり
活動報告
創作アトリエ「音工房〇」という場所を運営しています。プログラミングとアートを掛け合わせ、英語も適度に織り交ぜたプログラムが受けられる、自分で毎回違う内容を選んで受けられる「学びとあそびのテーマパーク」のような場所です。表のコンセプトとしては教室・習い事になるかと思いますが、中身としては大人・子ども問わず、アートや技術関連のことで集ってゆるやかにすごすための場所として運営しています。
https://magiweb.daa.jp/
有料のレッスン、無料の出張ワークショップどちらも行っています。公共性を強くしたい活動については、アトリエの運営を圧迫しない範囲で可能な限り今後も行っていきます。
【無料・福祉目的として受けられる状況で開催したワークショップの例】
●大阪市内の小学校でのワークショップ(2024年1-2月)
大阪市内の小学校のクラブ活動の時間に出張し、複数回Ableton Liveを使った音楽づくりワークショップを行いました。
小学校の機材にはガイドラインなどにより制限があり、ワークショップを行うにあたってはこちらから機材を持っていく必要が高く、たすけあい基金のおかげで実行できてほっとしております。子どもたちも新しい機材にワクワクしながらワークショップを受けてくれていました。
このワークショップを学校現場にて、継続的にできる方法を考えています(詳細は「今後の展開」)
https://www.instagram.com/reel/C3C9QzXPI9y/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==
●こみらいフリースクール[都島区](2024年5-7月)
中国出身の映画監督ジャン・ウェン氏とともに企画したワークショップ。ジャン氏の撮影した映像に、フリースクールの生徒さんが音をつける活動。
https://www.instagram.com/p/C7l3Xk1PqPR/?img_index=1
公開できていないですが、最後のワークショップではこのように映像に対してリアルタイムで演奏しました。
https://dai.ly/k1Sdk4SZjRZ1nCCnJT0
第一回:bandlabのルーパーで押すだけで音楽創作!
第二回:映像から感じたことをシェアしてみよう
第三回:映像に合わせてサンプラーと生音で即興演奏!
外部からよくフリースクールに講師が来るタイプのフリースクールのため、生徒さんたちも慣れているものの、自分の気持ちや感じたことを外に出すということについては課題がある様子でした。生徒さんによっては「こう感じたことが形になって面白い」と言ってくれる人もいたものの、難しさを感じてしまい、出すものを引っ込めてしまう人もいました。
ワークショップを重ねながら、最終的に即興で出す!ということにフォーカスしたワークショップでは、思いもよらぬ音のアイデアが出てきました。突発的なアイデアは言語化できなくてもいいし、気持ちが何か知らないけれど外に出た、という経験を、参加者全員にとどけられたことに満足しております。一番最後に行ったワークショップに可能性を感じる一日となったので、今後の引き出しとして使っていきたいと考えています。
●「生野区1dayヒートアップ」(生野区役所)でのワークショップ(9/27)
ワークショップ代は投げ銭。「DJ・ヒップホップのような音楽をつくろう」と銘打ってワークショップを行いました。
https://www.instagram.com/p/DAdrfejg4ZT/
経済状況が様々な層がひろく来場できるイベントで、無料イベントもあるイベント。また、子どもたちだけで財布を持たずに来場している人もいたため、実質無料で参加できる投げ銭制としました。事実、無料での参加者が全体の半分ほどいたので、投げ銭とした意味はあったかと思います。プログラミング教室に通っている子のなかに強い興味を持ってくれる人がいてその後もワークショップに参加してくれるようになったり、はじめて触れる音楽づくりに夢中になって何時間もワークショップの場で作りつづける子がいたりなど、さまざまなことが起こっていました。このワークショップを通じて、自分の拠点としている都島区以外にもつながりができたこともあって、その後もイベントにお誘いいただけるきっかけとなりつつあります。
●ミヤコジマチャンネル文化フェス[都島区](11/2)
無料のワークショップではないですが、自治体後援のイベントでもあるためこちらに記載させていただきます。
https://www.instagram.com/p/DBylCitp6lO/
この日は音楽のみならず、映像のプログラミングなど、ひろく紹介しながら、アートとプログラミングでできる内容についてひろく紹介する機会となりました。普段アトリエを利用していない親子やシニアの参加者の方が参加してくださり、また映像の展示を入場された方が見てくれて「こんなこともできるのか」とご興味をもってくださいました。親子のための場所として、こうした場所があることを周知するきっかけとなり、その後の展開にもつながるきっかけとなりました。
●Wakwak Steam Labでの無料ワークショップ[福島区](1/13)
仕事でも行っている、分野横断的に学ぶ「STEAM教育」を学べる未就学児・小学生の児童生徒の利用する場所ですが、この日は広く体験してもらいたい!と無料でワークショップを行いました。
https://www.instagram.com/p/DEqpqUVyOqk/?img_index=1
普段別のならいごとを行っている人も参加してくれたおかげで、子どもたち本人からも「新しくて面白かった」という感想をもらうことができ、やった意義があったと感じています。高く評価してくれる人もいる一方で、「デジタル作曲」そのもののわかりづらさもあり、説明があっても、一見して参加しようと思う人が少なかった部分があるため、今後の説明の仕方を真剣に検討する必要がありそうです。
今後の展開
今後、アトリエの運営の中では、有料・無料問わずにワークショップを行っていく予定です。より公共性を高めるため、小中学校の指導要領に基づいて、クリエイティブに学ぶことができる指導案を考え、学校で出前授業をするために計画を立てています。ワークショップを続ける中で、西区STEAM CLUBの代表、前川由紀子さんが下さったご縁で、大阪市総合教育センターにてセミナー講師を務める機会がありました。
https://www.instagram.com/p/DBjH_2Lp4mO/
この機会に大阪市教育委員会、ならびに教育センターで勤務される職員の方とつながり、指導要領に即した科目の授業に、アート・プログラミング的要素を取り入れ、より論理的思考力や問題解決能力を養うことができる授業を公教育の中で行うことができる可能性が出てきています。1月には教育センターの職員さんとミーティングを行い、学校での機材の制約や文部科学省のガイドラインについて詳細に教えていただき、どのように計画を立て、機材の制約について、解決できる提案方法の可能性についてご指導をいただきました。
今後、アートやプログラミングを考えるためのツールとして広く普及させ、子どもたちと保護者、育てる地域の大人たちも含めて、自身の強みや好きなことに気づき、希望を持って生きられる社会の実現を、私のできることから生涯かけて実現させていきます。その第一歩に、学校現場や、新設された不登校支援の側面がある公立学校(大阪市立心和中学校)ならびにフリースクールとも連携を強めながら、自分自身が動ける範囲を拡大しながら、今後も活動を続けてまいります。