「地域助け合い基金」助成先報告

 空き店舗・空き家を活用した居場所づくりプロジェクト

京都府宇治市
居場所移動支援配食・会食

助成額

150,000円2024/02/15

最終助成額

71,718円2025/03/21
(一部返金:78,282円)

助成⾦の活⽤内容

少子・高齢化がますます進展する中、高齢者が地域社会とつながり続け、尊厳を保たれながら、役割と生きがいを持って暮らし続けていける地域づくりが必要であると考えています。
退職すれば、肩書きを失い、「ただの人(高齢者)」になってしまい、今まで不可欠であった名刺も必要ではなくなってしまいます。生涯にわたって、役割や生きがいを持ち続けることは高齢者にとって重要であり、介護予防にもつながるといわれています。
このプロジェクトにより、空き店舗等を活用し、高齢者にたくさんの役割をもうけ、生涯現役であり続けられるよう、「居場所づくり」、「生きがいづくり」に着手したいと考えます。

一方、市内には、多くの商店街や空き店舗、空きスペースが存在しています。商店街によっては、半数以上の店舗が閉店している状況にあり、人気もまばらな状況になります。
商店街の可能性を探り、高齢者の活躍の場、そして、ふらっと誰もが立ち寄れる居場所として、新たな昭和レトロな商店街の創造を目指したいと考えています。
たとえば「人情長屋」のような昭和の良き時代をイメージし、そこに令和の要素をプラスするイメージである。高齢者の特技を披露する場であったり、ふらっと立ち寄って、ただ喋る場であったり、放課後の子どもの居場所であったり、子どもと高齢者の交流の場であったり、以下のようなさまざまな居場所づくりを模索したいと考えています。

☆令和の人情長屋が宇治に出現!
☆昭和の洋酒喫茶 復活!でもノンアルコール!ナンテ令和のシニア版!
☆宇治の野菜 おもしろブランドの確立! 直売所もあるヨ!
☆昭和のレコード喫茶 令和版復活!
☆昭和の歌声喫茶 復活!
☆ライブハウス! と言っても浪曲と講談!
☆おとなの大衆めし屋! 昔の映画も見られるよ!

活動報告

貴財団からの助成をいただくことで、今後のさらなる展開に向けた活動をこの1年で達成できたのではないかと考えています。宇治市、社会福祉協議会(生活支援コーディネーター)が主催する「宇治市地域の支え合い仕組み作り会議」への参加活動などを経て、今後の具体的な展開に向けたプロジェクトを立ち上げることができました。また、2024年2月に開催された「宇治市健康長寿フェス」イベントで「空き家・空き店舗活用プロジェクト やったことないこと やろうよ! ワクワクすること やっちゃえぃ!」というタイトルでプレゼンテーションをした際には、「説明されたようなおもしろいところができたら行くよ」という参加者からのうれしい感想もあり、本活動のスタートとして意義深いものになりました。

その後今後の活動理念の検討を進め、生きがいを感じて社会とつながっていくことの重要性を改めて確認して宇治市民としての問題意識を共有することができました。このような活動を通して、思いを共有できる人材とのつながりも生まれ、プロジェクトチーム化できたことは大きな成果であったと考えています。

本活動は、宇治市でも今後の課題として認識されている「空き家の活用」という視点からスタートしましたが、今後の活動コンセプトを大きく捉えてこれからを見据えた時に「ウェルビーイング」という言葉が最もふさわしいキーワードではないかと考えました。「心身の健康」と「地域社会とつながる幸せ」を追い求めること、そして、一人ひとりが自分らしくいきいきと生きることを目標として位置付けました。さらに、そのようなより良い生き方を目指す宇治市民を “ウェルビーイング宇治人” と称することとして、この用語の商標登録を行いました。(2024年11月登録済み ※登録関連費用は貴財団の助成範囲外)

人、コンテンツ、場所という3つの要素がつながっていくことで“わくわくスポット”がつながっていく、“わくわくスポット”がつながっていけば、それは“わくわく横丁のまち”になっていく。宇治のあちこちが“わくわく横丁のまち”になっていけば、市域全体が“わくわく横丁のまち宇治”とも言えるでしょう。点から線、線から面に大きく拡げていくことが、今後目指したいターゲットイメージです。

そのような目標に向けた次のアクションアイテムとして、具体的な創発の場「ウェルビーイング宇治人サロン」を市内随所で開催していきたいと考えています。自分が秘めていた可能性の再発見をしよう、ウェルビーイング宇治人を目指す視点とはどんなものか、自分流のウェルビーイング宇治人とは。このような問いに自ら思いを巡らすことで、さまざまなアイデアやパワーが生まれてくるのではないかと考えています。心身ともに元気な多くの生活者が、その人なりの自己実現を実践し、多様な人たちとワクワクする交流を楽しんでいる。「わくわく横丁のまち宇治に住むウェルビーイング宇治人たち」がワクワクしながら日々楽しんでいる。そんなエキサイティングな光景があちこちに拡がっているのではないでしょうか。

この度は貴財団から、このような社会的目標につながる助走活動にご支援をいただいたことに感謝申し上げます。

今後の展開

「ウェルビーイング」という言葉が最近よく使われるようになってきました。私たちの活動では、ウェルビーイングを「心身の健康と地域社会とつながる幸せ」と位置付けています。

さて、宇治市は観光都市でもあり「回遊の促進」が観光プロモーションにおけるテーマの1つでもあります。しかし、地域生活者の「ウェルビーイング」を向上させるという視点でも「回遊促進」は当てはまるのではないかと考えました。「観光スポット」を「生活者が地域でワクワクできるスポット」として置き換えるとしたら、どんな「回遊促進」があるのか、市民の「街歩き回遊」はどんなイメージになるのか、日常生活圏から少し離れた市内他地域を訪れることも、所謂「小さな旅」なのかもしれない、と。

このようなことを話し合ってきた結果、「ウェルビーイング」を目指すための「わくわく横丁のまち宇治」というキーワードに至りました。心身の健康のためには、地域社会においても一人ひとりがその人なりの役割を担うこと、その役割を創り出すことが極めて大切です。「観光スポット」を生活視点で考えれば、それはさまざまな役割を創り出すことができるリアルな場所であり、心身の元気さを生み出す「わくわくスポット」とでも呼べるのではないかと考えました。

この活動では、一人ひとりが自分らしくいきいきと生きる、生きられるまちづくりに貢献できることを目標と位置付け、宇治市でより良い生き方を目指す人を “ウェルビーイング宇治人” と称することにしました。今後はまず、「ウェルビーイング宇治人サロン」と名付けた創発の場を順次開催していく計画です。地域生活者の方々同士が話し合い、自分が秘めていた可能性を再発見して、「わくわくスポット」という新しい世界に結びつけ、また切り開くことにつなげていければ、より素晴らしい地域社会の実現に貢献できるのではと考えています。 

このような視点での地域貢献に関心をお持ちの方からのご支援をお待ちしています。

添付資料