「地域助け合い基金」助成先報告

 SA南港ハッピー

大阪府大阪市住之江区 ウェブサイト
生活支援

助成額

130,000円2023/11/09

助成⾦の活⽤内容

【スマホ相談室(仮称)】
住之江区社会福祉協議会が高齢者を対象とした調査(令和3年度実施)によると、その7割以上が所有しているスマホもその活用はLINEですら半数程度にすぎません。
私が住む地域は高齢化率が4割と非常に高く、高齢者数も約8500人となっており、スマホを使えるようになりたいというニーズも多く潜在していると思われます。実際、ボランティアで毎週実施している南港ウォーキングラインに参加している高齢者の方にお話しをお聞きすると、スマホをもっと使えるようになりたいと言われる方が多いです。
ところが、最近よく目にするスマホ教室も、この地域は区の中心から離れているせいか開催がほとんどなく、デジタルデバイド対策が遅れていると感じています。また、医療や介護も今後ますますICT化が進み、それらサービスを受ける側にもデジタル端末やICTを使ったサービスへの適応が必須になってくると思っています。
そこで高齢者の多くが所有しているが活用できていないスマホについて、その使い方等を気軽に聞ける場を提供したいと考えております。スマホ事業者が実施すると警戒感があって参加しにくいと思われ、住民がボランティアで開催することで、少しでも参加しやすく、また専門的でなく、高齢者目線での使用・活用方法の説明ができ受け入れやすいのではと思っています。
講師役には私と私の知人がなり、地域にある会議室を借り、月に2回程度、理解しやすくするため少人数で開催することを考えております。会議室は、地域の福祉会館も使用し、住まいから近い所で実施します。地域包括支援センターや地域活動協議会にも、広報や声掛け等支援をしていただけたらと思っています。
これまで、開催にあたって、インターネット環境が整っていない会議室もあり、モバイルWifiの費用や会議室の使用料負担及び捻出がネックになっていました。そのため立ち上げに躊躇していましたが、このほど貴基金のことを知り、応募することにしました。

活動報告

 地域の高齢者を対象にスマホの相談室を開催する計画(期間:1年間)を立てました。
今回の助成金を立上げ・運営資金として活用できたことは、大変ありがたく、計画を上回る開催となりました。
「スマホ初心者相談室」と名付けその開催を案内するチラシを作成し、区社会福祉協議会コーディネーターの方の紹介で近隣4地域の福祉会館にチラシを配架することができました。
「家族からスマホを持たされたけど使い方がわからない、電話もかけられない」と来られた独居の高齢女性を始め、来られる方はスマホの操作が想定以上にできないことがわかりました。当初は月2回程度の実施を想定していましたが、これを月3回程度まで増やすことにしました。地域の町会長さんの理解を得て福祉会館を半額で借りられるようになり、近くの会社のオープンスペースも借り、回数を増やすことができました。
会場は、Wifiがない会議室もあり、レンタルWifiをつないでYouTubeのスマホ解説動画を見て、スマホ初心者に合わせて解説を加えるという方法を取りました。

 アプリのバージョンで画面や操作が違う。高齢者向けの簡単スマホはメーカーや機種によって機能や操作がもっと違う。相談を受ける側としても面食らうことが多くありました。何でもわからないことは聞いてくださいと言っても「何を聞いていいかわからない」方ばかりで、やはりテーマを決めてこちらから解説するのが一番いいと思いました。ただ話を聞いてもわかっていない方も多いのでゆっくり繰り返し進めることがポイントでした。口頭での説明に加え、紙の資料として配布することも理解をしてもらうのには必要で、助成金を活用して資料も作成しました。資料の作成は大阪府のええまちプロジェクトが作成されたものやYouTubeも参考に作成しました。一方的な講義形式よりは、実際のスマホ画面を使って操作を説明するという方法が効果的でした。

 地域包括支援センターの方にもご支援をいただき、高齢者でスマホで困っている人がいたら本相談室を紹介いただいたり、大阪市の認知症アプリに相談の開催をアップしていただいたりしました。それを見た方が親に紹介して来られる方もいました。
本活動を知った近所の後期高齢者の方が、スマホのことはわからないこともあるけど高齢者のことはわかっているからとサポートしてくださりました。その方の適度なツッコミは、初対面の方同士でも、スマホの画面を見ながら話しがはずみ、高齢者のコミュニケーションの場として大いに盛り上がりました。

 大阪府のボランティア仲間の連絡会で、スマホ初心者相談室のことを紹介したら、うちでもやって欲しいとご要望があり市外にも出かけ、ニーズの多さを実感しました。
1年間トータルで33回開催、延べ211人の参加となりました。
 1年で終わらずぜひ継続してやって欲しいという声も多くいただいております。高齢者向けのスマホサポーターを増やすことも進め、スマホ初心者相談室を継続、発展させていきたいと考えています。

今後の展開

 私たちの地域(大阪市住之江区南港)の高齢化率は4割を超え、人数も8千人。スマホを持っているけど使えない方も大勢いらっしゃると思います。スマホはなくては生活できない時代になっています。独居や家族が離れていてスマホのことを聞けない人は、近所の詳しい人に聞くのも一つの方法です。便利さや使いやすいことが伝われば、ハードルが下がり、楽しさを共有でき、コミュニケーションも広がるのではないかと思います。

 シニアの身体的特徴や生活を理解したスマホサポーターを増やしていきたいと思います。メーカーや機種、アプリのバージョンによってスマホの操作が違いますが、自分が使っていなくても、ネットで調べれば解説が見つかりますので、スマホのことを何でも知っている必要はありません。地域の高齢者向けにボランティアをしようという思いがあればスマホサポーターはできます。
サポーターの養成やスマホ相談室そのものを開催するためには会場の確保がネックになります。高い会場代では続きません。地域での高齢者向けの行事と組み合わせたり、会場の賃料を格安(できれば無料)にしていただいたりすると助かります。また地域の会議室や集会所といった人の集まるところにWifi 環境を整えることを進めていただけたら幸いです。

 スマホが高齢者の社会参加のきっかけの一つのツールとなることを願っています。

 当SA南港ハッピーは、大阪市住之江区南港で活動するボランティアです。超高齢社会となっているこの地域で認知症を含む高齢者を始め皆が暮らしやすい街になることを願っています。活動の詳細は、ホームページをご覧いただき、ご興味のある方はぜひご連絡ください。情報交換をいたしましょう。
https://sites.google.com/view/sanankohappy/

添付資料