「地域助け合い基金」助成先報告
NPO法人 こえもじ
愛知県豊田市助成額
150,000円(2023/08/18)助成⾦の活⽤内容
当団体の活動には、さまざまな最新機器が必要です。現在は、会員がそれぞれ手持ちの機器や接続部品を持ち寄って実施しています。しかしできることに限りがあり、できる人にも限りがあります。また、イベント等では資料投影するため、プロジェクターとスクリーンを使用されていることが多く、当団体で所持していないので、他団体から借用して活動しているという現状があります。
草の根活動ではありますが、自らさまざまなイベントなどに文字表示を提案し、実践しており、少しずつですが、理解も得られ、主催側で機器の準備やネット環境などの整備にもつなげています。そして、私たちが文字表示をすることで、そういった人々が地域に生活していることに気がついてもらえるきっかけにもなると実感しています。
今後もこの活動を継続するための必要最低限の備品購入の資金にさせていただきたいです。
活動報告
さまざまなイベントに音声認識アプリを活用したリアルタイム字幕を実施することができました。また、本会の活動目的である音声認識活用の普及啓発活動を数多く実施することができました。
たくさんの活動の中でもとても印象に残った活動が、2024年3月に実施した蒲郡市社会福祉協議会の生活支援コーディネーターの方との連携です。素敵なご提案とご協力をいただき、私たちの活動の先を照らす光となりました。音声認識アプリを使用して、主催イベントの講演会に音声認識アプリでリアルタイム字幕を実施、そして、そのアプリが誤認識した文字を高校生ボランティアに修正してもらいたいというご相談でした。若い人でしたらスマホを使用した文字の修正などの操作は容易であることは理解していましたが、どうアプローチすれば良いのか、弊会では行き詰まっており、何もできない状態でした。それを蒲郡社協からご提案いただき、弊会の活動地域外ではありましたが、すぐに関わらせていただくことに。当日は、とても多くの生徒さんが集まり、アプリへの関心の高さと社協さんのアプローチ力を感じました。予想通り、操作はすんなり習得。こちらから説明などしなくてもすぐにアプリが誤認識した文字を修正してくれました。目の保護など、大人として管理せねばならないこともあり、反省点もありましたが、試みとしては大成功でした。実際にボランティアした学生からはアプリに対する感動やこのようなボランティア活動への楽しさなどを聞きました。またイベント参加者からは講演者の話がリアルタイムに全文表示されることへの感動を近くへ来てお話しされる方もいました。講演中、ずっと文字を見ている方もいらっしゃいました。
リアルタイム字幕の現場はさまざまな方が登壇され、その人の人生の財産とも言える素晴らしいお話しをたくさん伺うことができます。若い人がこのボランティア活動を通じてその人生に触れられることも有意義と思います。若い人が気軽にできるボランティアとしてすぐにでも全国に広めるべきとすら感じました。その後、私たちが活動している西三河地域でも同様の活動ができないかと、地元社協や高校のボランティア部などさまざまなところへ声がけ、アプローチを継続していますが、すでにある福祉サービスとの共存が難しく、なかなか進みません。これが今の課題です。すでに制度が確立しているため、新しい試みが受け入れられない状況があります。蒲郡社協さんでもその後の活動には反映されていないと聞いています。しかし、すぐに変えることが難しいことは十分に理解しています。さまざまな関係機関と連携し、今後も若い人のボランティアへの入口となるべく、さまざまな企画をしていきたいと考えています。
この8月には豊田市役所主催の子ども向けのSDGs講座の講師として音声認識アプリなどの最新機器の体験講座を実施。子ども達へSDGsについて理解を深めてもらいました。その際にも購入した機器を使用させていただきました。
私たちの活動は最新の機器を使用せねば活動ができません。今回のご助成により、基本的に必要な機器を揃えることができました。感謝申し上げます。今後も活動を継続してまいります。ありがとうございました。
今後の展開
音声認識アプリを活用することやリアルタイム字幕の普及啓発活動をしています。現在の音声認識の技術の進歩はとてもはやく、ここ数年でも技術は向上し続けています。話題のAIを組み込んだ無料アプリも登場しています。音声認識アプリの文字表示や自動翻訳機能を活用することは、社会にある見えない壁を越え、難聴の方や外国人など多様な人々の社会参加のあと押しとなり、人々の交流を促します。さまざまなイベントにおいてリアルタイムで字幕付与される社会を目指しています。
しかし、技術が向上したとはいえ、日本語はその文型が他言語と比較しても複雑で、認識がまちがっている場合があり、まだまだ完璧ではありません。弊会ではその誤認識した文字を修正するボランティアを募集しています。スマホやパソコン操作ができる高校生以上の方でしたら、気軽にできるボランティア活動であり、リアルタイム字幕の場では、その後の人生に有益なお話しもたくさん伺うことができます。新しい技術に触れながら地域共生社会をめざしてみませんか。
また、情報アクセシビリティなイベント実施を計画中の事業者さまからのご相談も承っています。
弊会の活動は、地域のボランティアにご協力いただいて活動する地域密着型です。弊会HPに連絡先を記載していますので、お問い合わせ、ご相談、お待ちしています。また、弊会は運営も全てボランティアです。応援してくださる方、事業者さまからのご連絡もお待ちしています。