「地域助け合い基金」助成先報告

NPO法人 WakuWakuの家

山梨県山梨市 ウェブサイト
居場所配食・会食

助成額

150,000円2023/08/29

助成⾦の活⽤内容

共働き、核家族、貧困家庭が増える中、孤独な育児をしている母親が増え、また、体験的な遊びの経験が足りない子どもたちが自己肯定感を育くむ機会を失い、無気力・無関心になっていっている。
核家族化により、祖父母や地域とのつながりの希薄化も進み、様々な価値観に触れにくい環境で親も子も過ごしており、子育ての悩みを聞いてほしい親たちの交流の場、色々な遊びを思い切り経験でき、個を認めあう子どもたちの場、様々な世代・地域の方々との交流の場が必要であると考える。
その手立てとして、フリースクール、民間学童、食堂を運営・開催し、学び、遊び、食事をしながらゆっくりと話をし、人と人がつながり認め合える場としての居場所作りを行っている。
特に食堂に関しては、食事を楽しむ他に繋がりを持つという目的を持って参加する親子が多く、これまでの活動でも、食事の準備を手伝いながら、食事を配りながら、食事をしながら、そしてみんなで片付けをする中で、自然に交流が生まれ、その中で新しいつながりができたり、悩みを相談しあったりする様子が見られた。
また、私たちスタッフも子育ての相談などを受けることがあり、行政や関係機関につなぐことや継続的に相談にのることができている。
この助成金を活用させていただき、ひとり親家庭の親子も、経済的困難を抱える家庭の親子も、そうでない家庭の親子も、誰もが一緒に集い、同じ食事を食べて、子どもはのびのびと遊んで、大人は繋がりを持って、大家族のように過ごせる、地域に根ざした居場所の継続を目指していきたい。

活動報告

<どのような活動ができたのか>
助成決定後、2023年9月~2024年3月の間で、11回の子ども食堂を開催することができた。
子どものべ272名、大人のべ168名 合計440名の家族が参加してくださった。毎回平均40名の参加を目指したが、ほぼ満席か、満席の40名を10名ほど上回る50名以上の開催日もあった。
参加者は山梨市を中心とした5市から来てくださり、リピーターの方が回数を重ねるごとに増えてきている。
毎回、違ったメニューを考案し、手作りのよさを生かしたあったかい夕食を提供することができた。メニューの特徴としては、釜を使用した焚火で炊いたご飯。ホットプレートを3台使用したパスタバイキングや巨大ハンバーグ。近隣の方からご寄付していただいた、野菜、お米、肉や調味料を使用して、バランスの良いメニューを提供させていただいた。デザートは子どもたちが喜ぶことを想像しながら、手作りゼリー、巨大ケーキや焼きマシュマロなどを考案し、美味しく更に楽しみながら食べて頂けるように工夫した。

<すすめるうえでどのような苦労・課題があったか>
スタッフの賃金確保が一番の苦労であった。継続していくためには、そのための広報、地域とのつながり作り、メニュー決めや買い出しなど、当日以外にもさまざまな労力を有する。地域のため、子どもたちのためと尽力するスタッフではあるが、長く続けて行くためには人件費の確保をしていくことは大切であると感じている。
また、子ども食堂という居場所を必要としてとしている方(特に経済的困窮家庭やひとり親家庭)へどのように開催情報を届けていくのか、無理のない自然な繋がりを構築していくのかについても苦労があった。開催当日については、その方々が他の方に分からないように受付の仕方を工夫し、自然に混ざって会食していただくことにも気を配った。

<どのような人に対して、どのような取り組みができたのか>
子ども食堂という場を必要としてくださっている方々に、低額であったかくて美味しい夕ご飯をおなか一杯食べてもらったり、ゆったりと話をしたり、子どもたちの様子を互いに見守りあったりしながら過ごしたりすることができた。
また、盛り付けや片付けを参加者にお手伝いいただくことで、助け合って開催することができ、自主的に参加していただける環境を作ることもできた。そのことで、自然と参加者にとってよい居場所として機能していった。
信頼関係を少しずつ強くしていく中で、学校のこと、子育てのこと、家庭のことなど相談していただくことも多くなり、必要に応じて、別の機会に相談の時間を設けたり、専門機関へ繋げたりすることもできた。

<参加者の声>
・大きな家族のような気持ちで参加させていただいていました。食堂がある日は、自分自身も気持ちに余裕を持って子どもたちと接することができていたように感じます。いつも、子どもも私も朝から楽しみにしていました。ぜひ、次年度も続けていっていただきたいです。
・子供たちも自由に遊べ、みんなと楽しく過ごすことが出来る。支度や片付けも全て自分でするということが、子供たちの成長に繋がる。
・家での夕食は、父親は仕事で不在、母は時間に追われて一緒に食卓について食べてあげる事ができず(キッチンにて数分で立ち食い)、加えて祖父母ともコロナがきっかけで疎遠になってしまい、みんなでワイワイゆっくり座って楽しく食事をする機会がなくなっていたので、とても貴重な場所でした。
・子どもものびのびと自由に遊べて、親同士も交流しやすい場だと思いました。
・スタッフの方々の気遣いや雰囲気作りが、とても素晴らしかった。
・親子で人見知りですが、その場にいてもいいんだと思わされました。保育園と家庭の行き来の中で子ども自身1つの自分の居場所、ここへ行けば会える人がいて、遊ぶ場所があってと認識しているので、安全な場所としてこれからも利用したいと思いました。
・毎回、美味しく季節の食材とメニューを工夫して、作ってくれて、皆が笑顔で集まれる場所だったから、毎回母も子供も楽しみだった。
・メニューの中に、子供が苦手な物があり、全部私が食べましたが、とても美味しかったです!
デザートもとても美味しかったです!お母さん達とも少しだけど、話が出来て良かったです!
・子供同士がこのような場で交流ができること。食を通し、他児童の様子が知れて自分に還元できる環境がありがたい。私たち親も、食事のヒントや工夫が知れて嬉しい。

<新たな協力者の状況>
昨年度末、地域の方へお手伝いスタッフを募ったところ、新たに10名の方が集まってくださり、R6年度より、今までと同じ毎月金曜日の夜の開催を2回から1回にし、1回は土曜日のお昼ご飯に合わせた開催を行えることとなった。支援をいただき、休むことなく食堂を開催し続けられたことで、お手伝いの輪が広がり、新たなコミュニティーが作られた。(既に4月13日に一回目を開催した。)

今後の展開

私たちWakuWaku食堂は山梨市にある築120年の古民家で開催しています。
【学校や地域を超えた子どもたち同士お母さん同士の繋がり、地域の皆さんの交流の場になりたいと思い運営しています。核家族も多くなり、いろんな世代が混じり合って食事をする経験が少ない子どもたちに、みんなで食べる楽しさを味わってほしい、自分が作ったご飯を美味しいと食べてもらえる経験をしてほしい、様々な方に関わっていただきながら心豊かな大人に成長してほしいと思っています。】
このようなコンセプトのもと、開催し始めて今年で3年目となりました。
現在も山梨県には独りで苦しんでいる親御さんがいて、いつもお腹を空かしている育ち盛りの子どもがいます。孤立してどこに助けを求めれば良いのかも分からない人たちが、たくさんの人と混ざり合い、情報を得たり、助け合ったりしながら、「つながっていくこと」ができることが当たり前の社会となってほしいと思っています。
子ども食堂はご飯を食べて帰るだけでなく、つながるための手段となっていくことも私たちWakuWakuの家の目標です。他人とつながることを恐れずに、悩みや苦しみ、楽しいことを話せる場になってほしいと願っています。
年々多くの親子、おじいちゃんやおばあちゃんの参加が増え、来てくださる方にとって居心地の良い居場所となってきていると思います。毎月2回の開催を心待ちにして来てくださるリピーターの方や、その方からの紹介で足を運んでくださる方がたくさんいます。地域の輪を広げ、みんなにとっての心地よい居場所となっていけるように、これからも継続して開催し続けることが目標です。
今年度は金曜日の夜に1回と休日の昼に1回の計2回の開催をしていきます。子ども、子育て中の親御さんそして地域の方々の調理スタッフとしてご参加いただく、または、食事が始まるまで遊んでいる子どもたちの見守り(紙芝居・手品・折り紙教室などの活動補助 大歓迎!)、野菜などの食材提供など、皆様のお力をそれぞれの形でお貸しいただけたら幸いです!!自分にできることはないかな、やってみようかなと少しでも思っていただけた方は、ぜひ、ご連絡ください。お待ちしております。

添付資料