「地域助け合い基金」助成先報告
NPO法人 かけはしねっと
茨城県つくば市 ウェブサイト助成額
133,000円(2023/07/24)助成⾦の活⽤内容
コロナ禍により外出が減少、家族同士・支援者との交流機会も減少しました。オンラインの活用などによりつながりの維持に取り組んできましたが、子どもたちの経験不足、ケアする家族の孤立、精神的なストレスへの対応等が課題になっています。世間的には感染対策の緩和により各種イベントが再開されていますが、医療的ケア児や病児・障害児は、新型コロナウイルスに限らず様々な感染症に対して重症化リスクが高く、引き続き感染対策が必要です。そのような子どもたちと家族が安心して楽しめる季節のイベント参加機会を提供するともに、イベントを通じて、家族同士、支援者/地域との交流を促進したいと考えています。本事業を通じて屋外での経験が不足しがちな医療的ケア児ときょうだい児の思い出作り、医療的ケア児とその家族のリフレッシュ、家族同士の交流、地域や医療・福祉の専門職との顔の見える関係づくりを図ります。
活動報告
なつまつりを開催しました。開催にあたっては以下のことを大切にしました。
・基本的な感染対策を徹底し、感染症の重症化リスクが高い子どもたちも安心して参加できること
・さまざまな障害や医療的ケアへの対応により介助する保護者がストレスなく参加できること
=>車いすや大きなバギーでも通行しやすいバリアフリー、おむつ交換用の大きなベッドの準備、医療的ケア実施のためのスペース確保など
・健常児であるきょうだいも楽しく参加でき、家族全員が楽しめること
当日は医療的ケア児や病児・障害児とその家族の多くの参加がありました。子どもたちが作ったランタン飾り、山車の運行がお祭りを盛り上げ、かき氷やわたあめ、焼きそばなどのほか、射的やヨーヨー釣りなどお祭りらしい出店が並びました。最後には大人も子どもも、障害のある子もない子も全員が輪になってジャンボリミッキーの曲に合わせてダンスをし、フィナーレでは花火を楽しみました。各所で交流の輪ができ、子どもたちのはしゃぐ声や家族の笑顔を見ることができました。地域ではさまざまなお祭り、イベントが行われていますが、混雑が予想される場所には車いす、医療機器を持った状態では行きにくい現状があります。今回のなつまつりが、医療的ケア児とその家族の夏の良い思い出になればうれしいです。
また、開催には市内の福祉事業所にご協力いただき、会場の提供、準備から当日の対応までサポートいただきました。また、学生や企業のボランティア、地域の方も足を運び盛り上げてくださり、関わったスタッフにも新たなつながりが生まれました。参加してくれた医療的ケア児と家族だけでなく、私たちも貴重な経験ができました。
今後の展開
医療的ケア児と家族が地域のお祭りに出かけていく気持ちにつながったり、地域のお祭りがバリアフリーになっていくことを期待します。当会としては交流会や季節のイベントを通じて家族同士のつながりづくりの機会を提供し、医療的ケア児とその家族に「ひとりじゃない」というメッセージの発信と、地域への啓発活動を続けていきます。医療的ケア児は外出が難しく、自分たちが引きこもりがちだった経験から、参加者には気軽に参加してほしいと思い参加費等を徴収せずイベントを開催しています。資金面では今回のような助成金、寄付金、当会の活動に賛同いただいた賛助会員からの会費から成り立っています。資金面で支援いただける方を随時募集していますのでご支援いただける方は当会ホームページからぜひご連絡ください。https://kakehashinet.jp/ また、医療的ケアへの理解も支援になります。大きなバギー(介助型子ども用車いす)で移動する子、酸素チューブをつけた歩ける医療的ケア児、経管栄養による注入や痰の吸引をしている子どもと家族等を見かけましたら、温かく見守っていただけると嬉しいです。