「地域助け合い基金」助成先報告
【個人】 村上 ひろこ
長野県松本市助成額
150,000円(2023/07/13)助成⾦の活⽤内容
【地域での妊娠中うつ・産後うつ予防プログラム】
数回の連続講座として、随時開催予定。
①妊婦さん、産後のお母さんのアロマを使った身体ケア
メンタル不調を予防するには、身体がリラックスすることが大切です。
・妊娠中の方には、足や手のアロマハンドトリートメントを施術します。
・産後のお母さんには、ベッドで横になっていただき、全身のアロマトリートメントを施術します。
※施術には、ご本人にかかりつけ医の同意をもらっていただきます。
②妊婦さん、産後のお母さん対象のアロマクラフトづくり
クラフトづくりで”楽しい””ワクワクする気持ち”を感じることで、メンタルヘルス不調を防ぎます。
気軽にプログラムに参加する、きっかけにしていただきたいです。
③同時期に出産・子育てするお母さんのコミュニティづくり。子育て仲間、居場所づくり。
気軽に会える、話せる仲間と悩みや辛さを共有することで、孤独感が和らぎます。
地域で子育てするポジティブなイメージを作ります。
④地域の行政サービスの紹介
妊娠中から、産後に使えるサービスの情報を提供します。
ファミリーサポートの出張登録を行い、ご本人の負担少なく、サービス利用ができるようにします。
⑤妊娠中うつ・産後うつになるリスク、不調になった時の対応方法をプログラムとして学びます。
・妊娠期間の心身の葛藤
・うつになりやすいリスクを知る
・バースプラン、バースレビューを実施 など
活動報告
【お母さんが集まり繋がる場】をテーマに、月に3回程実施しました。
ここ松本地域は転勤や移住など県外の方が多いこと、また、昨今出産直前まで仕事をしているなどの事情で、出産後は【孤育て】で心が苦しくなる方は日々増え続けているように感じています。
まずは、子連れでも安心して参加いただけるように、おむつ替えや授乳に配慮した空間づくりをしました。産後うつ・育児うつ予防のひとつとして、自分の話を安心して話せること。人の意見に左右されず自分がどうしたいかをじっくり考える事が大切と考えているため、ワークショップでは開催前に“今日のおはなしは、この場だけに留めておいてください”と場の安全を担保することで、お母さんたちの自己開示を促すことができたと感じています。
子育てする地域で、自分の話を安心して出来ることは、今後の子育ての自信に繋がると思ったからです。
普段病院でしか会うことの出来ない、産婦人科の先生と「性のおはなし会」を開催しました。病院に行くほどでもないけど、ちょっと聞いてみたいことを自由に質問できる機会をつくりました。昨今、SNSの普及で、調べれば調べるほど不安になる方は大勢いらっしゃいます。その中で、地域でお互いに相談し、自分なりに解決できる機会になったと思います。
お母さん方は、日々赤ちゃんのお世話をしていて、自分のことは後回しにしてしまいがちなため、お母さん同士でエッセンシャルオイル(アロマオイル)を使用した、相互タッチケア会を開催しました。その際に使用する、施術ベッド、バスタオル等を初期費用として使用させていただきました。おはなしすることで心が軽くなり、アロマタッチケアで身体がラクになることで、育児への向き合い方が変わったり、自分自身を大切にすることで、家族をさらに大切に思うことができたとお声をいただきました。核家族化、少子高齢の社会であるからこそ、子育て世代のお母さんの繋がりは非常に大切だと思います。
地域のお母さん同士の繋がり強化に留まらず、地域住民の方との繋がりは今後の課題だと思っています。弧育ての苦しさのひとつに、“迷惑をかけてはいけない”という思いがあります。お住まいの地域とのつながりができることで、声をかけあう関係ができ地域の子育て理解が進めば、より一層子育てしやすい街になると思っています。
地域の公民館を使わせていただいたことで、赤ちゃん連れのお母さんにたくさん声をかけていただきました。「かわいいね。頑張ってるね」と肯定的な言葉をかけてもらえると、お母さんたちは安心してお出かけできると感じました。
今後の課題としては、多世代の方との交流が活性化していくことだと思っています。
今後の展開
核家族化が進んでいること、そして、松本地域は転勤の方も多く、誰にも頼れず孤独な子育てをしている方が多い印象があります。お母さんがこどもと一緒におでかけするには、周囲のサポートが必要不可欠です。産後うつ、妊娠うつは誰にでも起こりうることであり、心が苦しくなるお母さんは、私はダメな母親だと自分を責めがちです。地域の方に積極的に子育て世代を受け入れていただきたい思いと同時に、「今」と「昔」の比較はせずに、今のお母さんの辛さや孤独感に寄り添っていただけるような地域になってほしいと願っています。
今回は、子育て世代の方同士の交流が多かったので、今後の課題としては、多世代間の交流の場をつくっていくことだとおもいます。「おじぃちゃん、おばぁちゃんといっしょ」の会を開催することで、先述したように、「今」と「昔」の社会の変化、文化の変化もお互いに寄り添っていくことができると思っています。
地域のお祭りや、交流会などとも積極的に交わっていきたいと思っています。