「地域助け合い基金」助成先報告
一般社団法人 奈良県社会福祉士会 地域防災推進プロジェクト 委員会
奈良県橿原市 ウェブサイト助成額
150,000円(2023/07/11)助成⾦の活⽤内容
災害発生後に、一人ひとりの被災者の状況を把握したうえで、関係者が連携して、被災者に対するきめ細やかな支援を実施する取組「災害ケースマネジメント」のための仕組づくりの必要性について、関係者で共有するためのきっかけ作りを目的としたシンポジウムを、10月28日に開催する予定です。
奈良県では、大災害の経験がほとんどないため、災害発生後のいわゆる復旧期から復興期にかけて重要となってくる「災害ケースマネジメント」の担い手として、福祉の現場で働く専門職への期待の大きいことを自覚している関係者が少ないという現実があります。
そのような事情から、被災者支援のための連携・協働に向けたキックオフと位置づけている今回のシンポジウムは、奈良県全域において福祉にかかわりのある分野で活動する、主に相談援助職(生活支援コーディネーター、地域包括支援センター職員、介護保険ケアマネージャー、障がい者相談支援専門員など)を主な参加対象とします。
シンポジウムの開催後には、参加者がそれぞれの地域において、専門士業や関係機関との間だけでなく、平時から住民組織やボランティア団体などとの関係構築に取り組み、有事の際の確かな被災者支援(助け合い)につながるよう、継続して働きかけていきます。」
活動報告
令和5年10月28日に『災害発生後の生活再建を考えるシンポジウム』を開催、様々な分野から100名の参加がありました。
シンポジウムでは、福祉の専門職や様々な分野の専門士業の方々のネットワークづくりが重要であること、そのためには平時からのお互いの顔の見える関係づくりが欠かせないことなどを発信しました。
シンポジウムの開催趣意書の表題は次のとおりです。
『被災者支援のための新たな仕組「災害ケースマネジメント」の確立に向けたシンポジウムの開催について』
今回は開催趣旨に即して、参加対象を福祉専門職や専門士業、行政職員、社協職員などに絞り込みましたが、今後は一般市民を対象に加えてシンポジウムを開催していきたいと考えています。
なお、シンポジウムから2ヶ月後の令和6年元旦に発生した能登半島地震で被災された方々に対する相談支援活動に、シンポジウムに参加した社会福祉士が数多く参加しています。その際の貴重な経験が、いずれは地域における福祉視点の防災活動につながっていくと考えています。また、委員会が中心になってそのように働きかけてまいります。
今後の展開
「奈良県で大災害が発生した際、被災者それぞれの事情を踏まえた生活再建支援がおこなえる、そのような仕組をつくる。」私たちの取組に参加している方々は人と社会に温かいまなざしを持っておられます。平時の活動、日頃からの顔の見える関係づくりが肝となります。様々な立場の方々とのネットワークを作っていきます。