「地域助け合い基金」助成先報告

 信州みんなの食堂

長野県松本市 ウェブサイト
居場所見守り生活支援配食・会食その他

助成額

150,000円2023/06/30

助成⾦の活⽤内容

地域の子どもや子育てに関わるお母さん、お父さん、おばあちゃんやおじいちゃんに参加してもらい、異年齢による交流を重ねます。具体的には、年代を問わずにテーブル席に座って宿題をしたり、ボードゲームやカードゲームで対面によるコミュニケーションを図る、提供された食事を囲んで一緒に食事を取るなど。赤ちゃんを連れたお母さんも安心できる環境づくりや地元の大学生にも来てもらえる仕組みを作る準備をしています。当こども食堂では、お年寄りには昔の遊びを教えてもらったり、見守りスタッフの役割を果たしてもらいたいと考えています。そのために、小さい子ども用のフロア整備や床の足元が悪い部分を直す必要があります。幼児が靴を脱いで遊べるスペースに囲いを付けるなど、今より安全で充実させたいと考えています。所どころ剥がれている床面は、つまずいて転ばないように補修したいです。
また、参加する小学生の多くは両親共働きのため、自宅に一人留守番気味です。子ども達には夕食の提供だけでなく、平日の放課後活動として、家庭では体験できないイベント(両親、祖父母へのプレゼント作り、おやつ作りや季節の食育活動)を行う計画を立てています。イベント材料の費用は極力抑える工夫はしますが、子どもの参加人数が多いため、費用が嵩むことが予想されます。子ども用には他に、カードゲームとボードゲームを買い足して、居場所機能の充実を図りたいです。
食事支援、居場所支援を主体とした「子ども食堂」という活動を通じ、子ども達の横世代の繋がりを強くしていくだけでなく、大人同士の繋がりにも目を向けています。見守り役として来てくださる地域の高齢者の皆さんとの繋がり等、普段交わることの少ない縦世代の交流や情報交換などのコミュニティースペースとして、当こども食堂が地域に根差すことを目標にしています。
この場所は、元飲食店を居抜きで借り上げており、大人数の食事にも対応できること、厨房を手伝ってくれる人材が現職の料理人であることから、こども食堂でも本格的なプロ監修の食事を提供できることが強みです。「美味しい手作り料理の提供」を通じ、子どもや大人の居場所・交流・悩み相談や情報を共有できる場所として、なるべく長く存続し、地域に貢献していかれるよう活動していきたいと考えております。

活動報告

チラシは毎月月初めに作成し、公民館への掲示や地域の回覧板など配布しています。公民館では、センター長や公民館長をはじめ、生活支援コーディネーターの上条貴子さんにもお会いできるので情報交換など定期的に行えました。我々の運営する子ども食堂は毎週水曜日に定期開催していて、毎回楽しみに来ている子どもや大人以外にも、新たな参加者も増えています。周知が広がり「ずっと来たかった」と話す母親も多くいます。子ども食堂という場所が、子どもと親の支援先であるという認識も広がったのではないかと感じています。また、民生委員さんや学区内外から現役の教員や引退後の教員の方々が応援に来てくれるようになりました。学校では見せない子どもたちの表情を見て、皆さん関心されます。また、参加する子どもの中には「お母さんは来ないで」と念を押して来る子もいます。学校や家庭では発揮できない「その子がもつ本来の姿」が現れているのではないかと感じています。
地域で農作されている個人の方から直接、野菜や米などの寄付を頂戴するようになりました。大豆をたくさんもらった時期には、子どもたちも一緒に豆乳から豆腐を作りました。もち米をもらった時には蒸かしおこわやもちつきで食べたり、米粉にして団子を作ったりしました。最近では家庭で作らなくなった料理作りを子どもと楽しみながらできました。スタッフには孫がいる世代の方々もいるので、教える側も楽しめたようです。
子どもだけで参加する子もいれば、親子参加で親も大人の交流を楽しみに来てくれる家庭もあります。一方、「ご飯は食べるなって言われている」と話し、他の子が食べているテーブルで話だけで過ごす子もいます。親が顔を出したことのない家庭は何組もいます。他者との関りに消極的で、地域で孤立する家庭がいるのではないかと気になります。
幼い我が子と毎週参加していたママ友2人組は、自分たちでも居場所作りがしたいと幼い子どもと保護者向けのサークルを立ち上げて毎月活動を始めました。そちらの活動では、当こども食堂を通じて松本大学地域づくり考房「ゆめ」と繋がり、育児中のママがホッとできる空間を提供する「ママカフェ」に発展しています。
当こども食堂としては、先ほどのサークルにはイベントや食事提供の協力を、松本大学には地域と大学生を中心とした居場所作りに共催するようになりました。「子ども食堂」とは別の活動「珈琲ひまわり」が始まり、地域に住む多くの高齢者にも利用してもらえるようになりました。

今後の展開

出産前後の母親とその子どもや、生活体験や学校行事ができずに過ごしてきた子どもたちの交流不足、経験不足を解消させたい思いで始めました。幼い子連れでも参加しやすいよう、施設内には授乳室やキッズコーナーを整備して異年齢の交流を深めてきました。餅つきやお菓子作りなど活動ができる年齢の子どもたちと体験活動も行っています。平日の開催日には、小学校を下校後に参加する小中学生が多いので、宿題サポートからおやつ、食事など提供しています。食後は保護者の迎えを待つ子どもたちがカードゲームやボードゲームで遊んだりしますが、天気が良いと駐車場で遊びだす子も多くいます。見守る大人が必要なので、随時ボランティアスタッフを募集中です。親戚の子を預かるような感覚で一緒にご飯を食べたりお話したり、子どもと大人の居場所作りに加わってもらいたいと思います。

添付資料