「地域助け合い基金」助成先報告
シニアクラブゆうゆう
東京都八王子市助成額
150,000円(2023/06/28)助成⾦の活⽤内容
当地域は自治会活動の歴史が長く、組織的で安定した活動が行われています。しかし状況は変化していて高齢化が進み核家族や独居世帯が増加しています。加えて今後一気に団塊の世代(居住と職場の地域のみ往復する生活者)が高齢化し、地域での生活に慣れないが、基盤としなければならない状況が起こります。その時に地域の中に多様な生活の仕方や社会性の求め方があることは好ましいことであると考えます。支援を受ける側になるだけではなく、必要な支援を自ら選び、かつ自分の持っている能力ををボランティアとして他者や地域に提供する自立的な人達の”拠点づくり”を目指しています。又クラブが地域に向けて常に開かれていて参加が自由であることを大切にしたいと考えます。参加されている方々の印象は自分の意見を持ち活動性や残存能力も大いにあるように感じます。
活動報告
〇第参加型サロンの理解と周知
シニアクラブゆうゆうは組織作りから解放された「参加型」というコンセプトで始めた高齢者サロンです。いろいろな動機で集まった方達が、現在、「懐かしのメロディー」としてテレビに登場する昭和の歌を中心にカラオケをみんなで歌ってスタートしました。もちろん機能低下を防ぐ体操・脳トレ等も取り入れながら。
「参加型」の3文字に惹かれて集まったけれど、皆さん違って当然。「こんなことがしたい!」よりも歌う以外は礼儀正しく、一向におしゃべりに花が咲きません。
今思うと、自分史を語る・体を動かしたい・物忘れ防止のトレーニング・ゲーム等希望があったようですが対話のきっかけが作れず、スクエアーダンスの指導を受けながら、どんなことに興味をあるのか試みながら自前でプログラムを作りいろいろ活動しました。
それも行き詰った頃、「プログラムのアイデア募集」を思いっきました。
ボランティアセンターの講座内容から興味のあるものを募って、ボランティアさんのデモンストレーションと体験をセットに活動開始、吹き矢・脳トレ・オンラインフィットネス・ボッチャ等、人の動きが多くなり、やっとゆうゆうが動き出し始めたようでした。
その頃から皆さんがひとこと通りすがりに囁いて行くようになりました。
「大きな声が出なくなってきた」、「自宅で家族のために作る簡単なメニューを教えて」、「ご主人に物忘れが多いと言われた・悔しい」「脳トレベーパーを主人の分も欲しい」、「脳トレベーパーの採点を参加者同士でしたい」、等々。
このようなつぶやきは、「参加者同士のおしゃべりやみんなで一緒に行動する」こんな簡単な手の届く触れ合いが必要なのだと言っているようでした。
現役時代は社会的役割を見事にこなして人を動かし貢献されただろうと想像したけれど、それらは永遠でないと感じているようだった。
参加者は、徐々に機能低下が進んでいると不安を感じ、予防や残存能力の維持・向上への取り組みも必要と感じているようだ。
シニアクラブゆうゆうを小社会に例えてみると、高齢者にやさしい地域社会づくり(気づいたら手を貸してあげる)をしたり逆に出来ないことは助けてもらう、そんな思いやりの相互作用をシニアクラブゆうゆうの活動は育てたいと考えている。
やっと外の世界が見えてきたようです。
今後の展開
〇組織作りから開放されるとは?
仕事や作業は沢山あるので、組織化をしっかりしようとすると役割分担は厳しくなります。
高齢者は役割を担うことを負担に感じる方もいるでしよう。
従来の町内会組織は何世代もかけてできあがっています。しかし現在そのような組織に入ることをためらう傾向があります。親世代がいない場合は尚更です。
役割で求められたり義務でするのではなく、「誰かの、カになる」、「自分も助けてもらうことがあるし役に立っことは嬉しい」というように考えてみることを試しています。
フラットな人間関係の中で「手伝う・協力していただいた」は負担にならないことです。親切心で役割を全うすることが出来たら、義務感は減少します。