「地域助け合い基金」助成先報告
NPO法人 アコア
福岡県福岡市早良区 ウェブサイト助成額
150,000円(2023/05/11)助成⾦の活⽤内容
【応募事業-備品(PC購入)事業】
当団体の活動は、被害者女性たちの孤立を防ぎ、回復に向けて互いを助け合い励ましあうための「つながり」を実感できる場と機会の提供である。
トラウマの影響により遠出ができない・公共交通機関を利用できない・子育て中である等の理由で現地に足を運べない方々が参加可能できるオンライン開催のニーズも多い。
また現地に来られる方が使用するため(使いやすく機能する)貸出PCを設置し、PCを持てない方々の福祉や医療等の情報収集に役立てて頂く。
●受益対象者:DV虐待被害者、トラウマの影響による症状に苦しむ女性、ひとり親、生活困窮者女性等
●活動内容:トラウマケア勉強会、自助グループミーティング、課題整理や情報提供等の個別相談、エンパワーイベント(アート・ダンス・フォーラム等)
●地域との連携:HPやブログでの情報発信も強化していく
今回の助成金でPC購入(備品購入)を行い、喫緊の課題を抱える女性たちにより充実した安定感のある質の良いケアのオンラインサポート環境を整えていく。
活動報告
当法人はDVや虐待被害等の被害者女性たちが相互支援を行う機会と場を提供する当事者支援団体である。自助グループミーティングを中心に、暴力被害の後遺症で様々な症状や生きづらさを抱えた女性たちが出会い、集い、互いに回復を励ましあっていくための様々な活動を行っている。今回の助成金で購入させていただいたPCをそうした女性たちへ貸し出しを行い、医療や福祉利用に関する手続き書類の作成や情報収集、オンライン勉強会等の参加、ひとり親家庭の母子の学習支援等に役立てて頂き喜びの声を頂けた。
またスタッフのPCも新規購入できたことで、危ぶまれたオンラインでの自助グループ活動の継続が叶い、オンラインのみに繋がれていた参加者たちに安心して頂けた。HPの更新継続、あらたなSNSでの情報発信ができたおかげで地域の参加者も増加。新しいつながりの場「夜のギフトカフェ」も始動した。様々な事情や症状を抱え、外出が困難な状況にある女性たちの孤立が和らぎ、「一人で過ごす不安な夜に贅沢な時間を与えてもらえた」「(つながった)皆さんのあたたかい思いを胸に明日も良い一日を過ごせたらと思います」など喜びの声を頂くことができた。今回、たすけあいの助成を頂けたことで、文字通り、私たちが助けて頂き、必要とする女性たちを助けることが継続できました。ありがとうございました。
今後の展開
NPO法人アコアは、暴力や暴力の影響を受けたトラウマによる痛みや生きづらさ、困難を抱えた女性、孤立している女性たちのケアや安全な居場所となることを目指し活動しています。2007年に自助グループ活動を開始し、2017年に福岡市でNPO法人を設立しました。回復のための勉強会、本の読み合わせ、ダンスやアートの表現活動、講演会などのエンパワメントイベントを開催してきました。うつ、発達障害、アダルトチルドレン、DV・虐待、PTSD、摂食障害などの症状を抱え、孤立から抜け出せない女性たちの相互支援が可能となるような「関わりづくり」と「場づくり」を行っています。
オンラインでの自助グループ活動を中心としたアコアでは、症状がなくなることだけを目的にしません。症状だけを取り上げてそれを無理にやめさせようとしたり、お説教をしたりすることはありません。回復において大切なことは、今の自分を認め、自分を責めずに、自然な自分を受け入れることです。そのためには、まずひとりで悩むことを止めて、同じ悩みを抱えた仲間たちに囲まれて、「ありのままの自分」でいても大丈夫だと感じられる「安心できる場」を持つことが必要です。同じ悩みで苦しんできた人たちが、本人からの正直な体験を聴くこと、本人も心を開いて自分を語れること、そうして向き合わねばならなかった「問題」と「体験」を仲間と分かち合うことで、相互に援助しながらゆっくりと回復に向かい、新しい生き方が出来るようになります。
被害を受けた女性たちが、痛みをパワーに、変えられるものを変える勇気が発芽できるよう、今後もピアサポーター育成や、行政への働きかけや連携などNPOの草の根活動も続けていきます。
もし、暴力被害の後遺症で苦しんでいる女性や、困難を抱えて孤立している女性が身近にいらしたら、どうぞ私たちアコアをご紹介ください。そして暴力根絶のために、暴力と被害に関する正しい知識や理解に関心を持っていただき、一緒に考えて頂けたら嬉しいです。