「地域助け合い基金」助成先報告
ぐんまの子ども・若者支援フォーラム実行委員会
群馬県伊勢崎市 ウェブサイト助成額
150,000円(2023/05/26)助成⾦の活⽤内容
今回は、群馬県の「中毛・東毛エリア」と呼ばれる地域の開催を予定しています。
この地域で活動している団体との繋がりをつくり、ネットワークの構築を目指しています。
また外国人の居住者が多い地域でもあり、公立の小学校や中学校に籍がありながら、言葉の壁や文化の違いから通学できない子どもたちが存在しています。
このような課題を共有し、問題解決の糸口を見出したいと考えています。
活動報告
支援フォーラムは、①「外国籍の支援のあり方について」②「社会福祉協議会の取り組みから見える官民連携」③「安心の居場所を考える」3つのテーマで分科会を企画しました。
今回の開催にあたっては、群馬県の東毛と呼ばれる地域の支援者または支援団体のご登壇を依頼し、地域性から見える人々の暮らしについてクローズアップする方向性を念頭に置きながら準備を進めました。
分科会①と③では、その地区のNPO団体代表者や個人で活動する方にご登壇頂いています。外国籍の方と「共生共創」「多文化共生推進」という考え方は、その地域ならではの気付きを学びました。
実行委員会では、分科会ごとに担当者を決め発表者を検討し依頼しています。同時に、より多くの方々にご参加いただけるようにホームページを更新し、チラシの作成の準備を行いました。閲覧し申し込みしやすいように内容の詳細を心がけましたが、分科会ごとに進捗状況が違うため、なかなか上手く進められなかったように思います。チラシデザインの決定が遅れ、関係各所への依頼や配架に時間の余裕が取れなかったことも反省点です。
また第3回までは基調講演を設けていましたが、イベントというイメージから脱却するために「分科会」と「グループワーク」企画を立てました。ホームページでは、それぞれの立場から考える支援について意見交換をしましょうとPRを行っています。残念なことに、前回までの人数よりも少ない参加申込の結果となりました。おそらく基調講演の講演者の話を聞きたいと考える方が多かったことと、グループに分かれたディスカッションに抵抗があったのだと考えられます。
これまでの分科会では発言せずに帰られる方も少なくなく、意見を述べるのは苦手な人が多いという印象がありました。しかし支援フォーラムは、医療・福祉・教育・行政関係各所の相談業務にあたる方々のご参加が多く、それぞれの立場からの発言が重要だと考えていましたのでその経緯を踏まえて「グループワーク」の企画を作りました。
グループワークは当初各分科会ごとに行う予定でしたが、「社会とのつながり」や「豊かな対話」を軸とした教育活動を行うNPO法人代表者に依頼し支援とはなにか、団体運営の大変さは何だろうか、支援ネットワークに大切なものとは、などについて参加された人たちの思いをあぶり出していただきました。
その結果、子どもと若者の困難に真摯に向き合う参加者からたくさんの意見を拝聴することができました。
私たちはこれまで「支援者同士の繋がり」と「官民連携」を目標にフォーラムを運営して参りましたが支援の輪をさらに地域に広げる目的を掲げ、群馬県社会福祉協議会と協働運営することになりました。
行政では把握しきれない、または窓口に辿り着けない人々に寄り添う民間の支援者と困難な問題を抱える地域の皆さまに寄り添う社会福祉協議会と繋がり、「ぐんまの子ども若者支援ネットワーク設立準備会」を立ち上げました。
今回の支援フォーラムは、支援ネットワークについて考えるキーポイントとなる開催であったと共にさわやか福祉財団の助成金を使わせていただくことで、地域のつながりの大切さについて考えるきっかけができました。また私たちは今後何をすべきなのか、ふり返る時間を頂けたと感じています。
群馬の子どもや若者が明日への希望を見失わないために、これからも支援フォーラムを継続し続けていきたいと考えています。
今後の展開
この支援フォーラムは、子どもや若者の支援活動を行う団体の交流会が発端です。情報を共有する中で支援者同士の繋がりが不可欠であるという考えに至りました。支援者もいち団体では問題解決に至らない場合があること、また支援者にも相談し合う仲間が必要なことが共通の悩みでした。そのためには官民連携も重要であると考え、群馬県子ども若者支援協議会と繋がり、支援フォーラムでは協議会と「共催」しています。「自分が経験した辛さを誰かと共有できないか」「子どもや若者の明日を一緒に考えたい」、そんな思いが大きくなり、ぐんまの子ども若者支援フォーラムを実現することができました。
実行委員会を立ち上げた初日に、「真ん中にいるのは子どもと若者であることが大切だね」と提案してくれたひとりの委員がいました。支援フォーラムの看板に掲げた「~支援を必要としている方と支援者がうまくかみ合う社会の実現を目指して~」。この言葉も同じ委員の考案です。人は何かを始めると、気持ちが違う方向に動いてしまうことがあります。思いや心がけはいつの間にか離れて行ってしまうようです。支援とはなんだろうを考えるときに、誰もが平等の立場にいることを念頭に置くようにしています。
群馬県社会福祉協議会との繋がりは、ひとりの生活支援コーディネーターの提案により実現することになりました。地域のために日々忙しく動き回り、課題を拾いあげている方です。コーディネートをしてもらうという体験を通して、人と人の繋がりは大切だとあらためて知りました。新たな支援フォーラムの一歩を、共に動き続ける仲間たちと踏み出していきます。