「地域助け合い基金」助成先報告

 ANGEL's HEART

神奈川県茅ヶ崎市 ウェブサイト
居場所その他

助成額

150,000円2023/05/15

助成⾦の活⽤内容

流産・死産・新生児死等により、赤ちゃんを亡くされたご家族へのグリーフサポート(心のサポート)を目的に、安心して胸の内を語れる場、経験者同士の交流を重ねることで孤立を防ぎ、その先の生きる力を支える活動を行っています。
赤ちゃんを見送ったご家族は、希望や未来を失い、深い悲しみを抱えています。
同じ経験をされた方々の繋がりの場、心のリハビリのために、毎月1回想いを語るお話会やおくるみ作りの会を開催しています。

予期せぬ流産や死産で亡くなった赤ちゃんを急に出産しなければならない親にとって、その小さな体に着せてあげられる服はなく、また急なことで準備をする時間もありません。現在そのような準備を揃えている産院は、まだまだ足りていないのが現状。産院での十分なグリーフケアを受けらず苦しんでいるご家族が多く、一つでも多くの産院に、そしてこれから同じように経験するご家族のためにと、会に参加している赤ちゃんを亡くした母親と父親が、一針一針赤ちゃんを優しく包むおくるみを作り、産院に寄付する活動を2022年よりスタートさせました。

その他、心の回復や癒しに繋がる音楽会、グリーフケアの講習会、赤ちゃんを亡くしたご家族への支援を啓発するピンク&ブルーリボン運動に賛同し、啓発イベントなども行っていく予定です。

流産・死産であっても「産後」の身体と変わりはありませんが、それについて相談出来る場もケアを受けられる場も少なく、心身両方のケアが必要だということが社会から抜け落ち、認知されていないのが現状です。地域の産院や助産師、行政などとの連携を図りながら、必要な人に情報が届き、地域全体で支えていける場づくりを目指し、活動の拡充と継続のために活用したいと考えています。

活動報告

流産・死産・新生児死等で赤ちゃんを亡くしたご家族のグリーフサポート(心のケア)を目的に、対象者への居場所作りや心の回復に向けたプログラム・イベントの開催の他、支援の必要性を社会に啓発するピンク&ブルーリボン運動の啓発活動を行ってきた。
孤立をなくし、同じ経験をされた方々の繋がりの場や心のリハビリのために、毎月1回想いを語るお話会やおくるみ作りの会を継続して開催。
その中でも、小さな赤ちゃんを見送るための「おくるみ作りの会」に必要な生地やリボン等の材料を助成金を活用して購入した。赤ちゃんを亡くしたご家族が子のために選んであげられるように、生地の種類を増やすことが出来た。
お話会やおくるみ作りの会等に参加される経験者の方々は、「心の居場所」だと言って下さり、安心して思いを語れる場になっている。

また、この活動に関心のある助産師さんを通じて、地域の医療機関におくるみを寄贈させて頂けることになりましたが、他の産院との繋がりを持つことは難しいと感じることが多くあった。
そのため、地域の産院や行政機関で働く助産師・保健師向けの医療者交流会を開催し、活動について知って頂き、赤ちゃんを亡くしたご家族への支援についての意見交換を行った。退院後の繋がりとして、自助グループを知ることが出来て、安心したという声が多かった。
涙を流し語ることもあり、サポートする側の心のケアの大切さも改めて感じた。

今回助成金を活用させて頂き、新たに大切な人を亡くした方向けの音楽会を開催。赤ちゃんだけでなく、兄弟や大切な人との死別を経験された方の心の回復や癒しに繋がる音楽を届けることが出来、参加の方々にとても喜ばれました。

そして、赤ちゃんを亡くしたご家族への支援の必要性を啓発する「ピンク&ブルーリボン運動」の啓発のため、地域のマルシェに出店したり、他の市民団体と協働して啓発イベント(キャンドルナイト)を開催したことで、経験者以外の方にも知って頂く機会になり、地域との繋がりを持つことが出来た。
当会のメンバーやSNSでイベントのことを知った経験者や賛同者など、沢山の方が足を運んでくださり、お空に還ったお子さんを想い、キャンドルを灯し、同じ時間を共有することで「ひとりではない」と感じて頂けた。経験者同士の繋がりの場、安心して涙を流し、想いを馳せる時間をこれからも作り続けたいと思います。

今後の展開

流産は妊娠の約15%(4~7人に1人)、死産は約50人に1人の割合で起こるとても身近なことにも関わらず、その実態や声は埋もれています。亡くなった赤ちゃんを出産した母親は、「産後」であるにも関わらず、母親として周囲から認識されず、母子保健等の公的サポートから抜け落ち、産後の体や心について相談出来る場は少なく、医療機関や行政との連携がなかなか進まないのが現状。

退院後に繋がれる機関等の情報提供や産院でのグリーフケアの一環として、ひとつでも多くの産院におくるみを届けるにはどうしたらよいのか、また、死別の悲しみに加えて、育児や生活の困難も抱えていますので、そうしたこともカバーできるような地域の仕組みはどのようにしたら良いのか今後の課題です。

当事者団体として、そうした経験をされた方々が孤立なく想いを語れる場、相談できる場として活動を継続していくことと共に、周囲の理解・寄り添いの輪が広がり、必要な人に必要な情報とサポートが届き、手を差し伸べられる優しい社会となることを願っています。

また、若い世代に「妊娠=出産」ではないこと、その中には悲しいお産もあり、生まれてこれない命もあること。だからこそ、自分自身を大切にすることへの意味を伝えられる機会があればと思います。

どうぞ皆様「ピンク&ブルーリボン運動」を知って頂き、啓発活動にご協力下さい。

添付資料