「地域助け合い基金」助成先報告
ちびっこ みなみ
香川県丸亀市助成額
150,000円(2023/03/20)助成⾦の活⽤内容
月1回の既存の事業「すくすく広場」は、地域の身近な相談の場であり、子育てに行き詰まったり、1人で頑張りすぎていたりする、お母さんらも含めて、地域の若い世代の親子の集いの場所となっています。
毎月活動をしている中で感じたことは、思いのほか保護者が相談する相手を欲しがっているという事です。身体計測で、わが子の成長を確認した時のほっとした表情や保健師さんに発育の相談をして少しは気持ちが軽くなっていく様子等がよく見られます。ほんのささいな声かけさえも喜んでくれます。
夫婦と子どもだけの家庭が、この城南地区にはたくさんあります。祖父母の支援もなかなか受けられない親子に、少しでも一息つける居場所ができればと以前から考えていました。
少しずつ開設日を増やし、その場で色々な情報交換、悩みごと相談(傾聴)ができるようになり、さらに地域の高齢者との世代間交流や地域に住む様々な世代の交流の場として、楽しみの場にもなれるようにと考えています。
最初は月1回の「ちびっこみなみ」を増やし、集まってくるみんなの意見も取り入れながら、充実した時間を過ごせるように内容も工夫しつつ、いずれ将来的には毎週開設できればと願っています。
活動報告
私たちの住む城南地区は、豊かな自然を保ちながら、近くに大型商業施設があり、さらに、災害等も少ない地域であることから、住みやすい地域として、近年、様々な地域から人が移り住むようになってきました。
最近は、若い住民が急増し、今までのコミュニティ活動だけでは、人々のニーズにこたえることができなくなってきてしまいました。にぎやかさは増しても、住民のつながりが希薄化してきたのです。お年寄りが集える場を、親子の居場所をという声をよく聴くようになりました。
そこで今回、この助成金を親子の居場所づくりとして活用することとしました。
「ちびっこみなみ」の開設です。城南地区は、昔は、南村(みなみそん)「みなみ」と呼ばれていたからです。
「ちびっこみなみ」は、未就園児とその保護者を対象に以下の2点に重点を置く場としました。
〇予約なしで、気軽に訪れて親子が思い思いに過ごせる場所であること
〇保護者が、少しの間、ほっと一息つける場所であること
【実際の活動】
「ちびっこみなみ」には、未就園児向けの ・音の出るおもちゃ ・指先を使う練習になる木のおもちゃ ・ままごとセット ・0・1・2歳向けの絵本等を数多く用意しています。
子どもたちは、思い思いのおもちゃを戸棚から出してきては、畳敷きの広間で遊び、少し飽きてきたら、保護者、子ども、スタッフが円卓を囲み「ティータイム」と称し、お茶を飲みながら、情報交換をしたり、おしゃべりをしたりする場となります。ある時は、その「ティータイム」で絵本の読み聞かせを行ったり、歌遊びを行ったりもします。特に何かのイベントをすることもなく、ゆったり、まったりと過ごせることを大切にしています。
【参加者の声】
〇一日中、子どもと二人でいると、無性に大人と話したくなります。ここに来てやっと、大人と話せた。嬉しい。
〇久しぶりに熱いコーヒーを飲むことができました。いつも冷め切ってからしか飲めないから。美味しかった。
〇うちの子の食べ物とほかの子の食べ物がよく似ていたことがわかり、なんとなく安心しました。
〇広々とした場所で遊べるから子どもがのびのびとしています。ばたばたと走っても、下の階に響くことを気にしなくてよいので安心できます。
当初、スタッフは、4名(元保健師・元保育士・元小学校教員)で運営していたが、子育てが一段落した小学校支援ボランティアのスタッフが2名増え、地元愛育班のスタッフも加わり、7名で運営しています。保護者にとっては、スタッフは子育ての先輩です。気兼ねなく、気になることを尋ねることができます。
この場で初めて出会った人たちとも、回を重ねるごとに慣れ親しみ、今では、まるで、家の茶の間に帰ってきたかのような安心感さえ生まれています。冬場は、ホットカーペットを敷き暖かくし、夏場は、大きく窓を開けはなし自然の風を入れ、真ん中に円卓を置くなど、シチュエーションも心をいやせるポイントだと考えています。
【課題】
〇参加者がやや固定されている。この広場を活用する人を一人でも増やし、子育ての輪を、地域の輪を広げていきたい。
今後の展開
〇「ちびっこみなみ」開催回数を増やし、保護者のホッとできる時を、子どもが伸び伸びと遊べる時を増やしていきたい。
〇「ちびっこみなみ」の参加者を増やすよう、市の「赤ちゃん訪問」「予防接種」「検診」の折にチラシを配布していただくことにしている。
〇今年度は、子どもだけでなく、保護者に視点を当て、心地よい居場所プラス簡単なワークショップ等も開き大人のための時間も大切にしていきたい。保護者が楽しいと感じられるようなイベントを考え、子育てから一時、自分を解き放つ時間を作っていきたい。例えば、簡単な手芸(軍手人形・花かご等)、保護者向けの絵本の読み聞かせなどを行っていきたいと考えている。ただ、作って楽しむだけでなく、家庭に帰ってからの子育てにも活用してもらえればと思う。また、保護者の希望も取り入れ、これからの計画も立てていきたいと考えている。
〇地域の老人クラブとの交流の時間をもち、親子丸ごとで世代間交流を行っていきたい。