「地域助け合い基金」助成先報告
高倉地域づくりの会
岡山県津山市助成額
150,000円(2023/02/09)助成⾦の活⽤内容
1.生活支援活動
地域住民が相互に協力しながら、生活支援活動を行う「絆つなげ隊」結成を計画。高倉地域に住む①75歳以上の高齢者、②病気やケガで日常生活に支障のある方(年齢不問)でお困りの方に対応する。この目的に賛同し、高倉地区にお住まいのお手伝いのできる方も募集する。地域住民に対して、生活支援を行うことにより、互いに声を掛け合い、見守りの意識を住民が持てるようになることで、助け合いながら、住民の安全安心の生活を推進していく。そのために広報活動、研修会費用として、当資金を準備金としたい。
2.顕彰碑の伝承
大庄屋でありながら、年貢の減免で農民の味方として活動、処刑された先人の偉業碑を敬う。高倉地区内でも新興団地が増加しており、その住民達にも数百年前の歴史を伝えたい。わかりやすく次世代につなぐために、ふれあいサロン等で手作り紙芝居の形で地域の物語を伝えていきたい。絵手紙教室の方に絵柄等デザインしていただき、地区独自の作品作りに、当資金を活用したい。1997年に「ふるさと景観賞」に選ばれており、今後も地域の歴史を地域に伝承していくための資金として活用したい。
活動報告
①生活支援活動
地域にお住まいの高齢者または病気やけがなどで日常生活に支障のある方の困難な作業等を支援することにより、住民の安全安心な生活を守ることを目的として「絆つなげ隊」を発足した。協力者は地元高倉の住民とした。
〈取り組み〉地域住民に理解を求めるため、利用者、協力者の募集、支援内容のチラシ配付を行い、広報活動並びに研修会等を実施した。その結果、利用者12名、協力者35名の情報収集を得ることができた。
〈課題〉利用者12名に対して、聞き取り(初回訪問)に応じ、町内会長、愛育委員、民生委員、絆部会員が対応することとした。支援内容、時期、誰が出動するか等細目にわたり利用者のご希望も取り入れた。
実際には、利用開始時は、1件のみ稼働した。他の利用登録の11件に関してすぐには活動希望無しであった。
令和5年5月8日に1件の要望に出動。内容は、換気扇の掃除、高い所に上がれない利用者への支援であった。利用者からは、「助かった、良かった」とのお言葉をいただいた。また協力者からも「手伝って喜んでいただき、人の助けになれて嬉しかった」との言葉があった。
この「絆つなげ隊」には、人と人との絆を〈つなげたい〉という思いが込められている。開始したばかりの事業であるため、今後は、住民に周知されることと、利用された方から信頼されることを目指していきたい。地域の高齢者が困った時には、地域の中に助けてくれる場所があること、そのことが地域で生活する上での、安心感につながることを、啓発して、制度の周知に努めていきたい。
その後、11月に1件、12月に3件の依頼があった。内容は、庭木剪定、ごみ出し等。今までできていたことが少しずつできなくなった時に、「絆つなげ隊」があって良かったなぁと思ってもらえるように頑張ります!!今はまだ、スタートライン。地域の方とのコミュニケーションを深めながら、確実に周知できるように前向きに努めていきます。
②顕彰碑の伝承
この地域には、約300年前のこと。大庄屋でありながら年貢で苦しむ農民の声を聞いた堀内三郎右衛門は、近隣の庄屋達に呼びかけて、一揆(高倉騒動)を起こした。これは、郡代に認められず、堀内三郎右衛門は処刑に伐せられた。この悲しい結末となった先人に対して、地元民は顕彰碑を建立した。
次世代にその功績を分かりやすく伝えるために、絵手紙同好会と地元高校生が図案を描き、読み手は絆部会員が担当し、役割分担しながら「堀内三郎右衛門ものがたり」という紙芝居を作ることができた。紙芝居舞台、拍子木には助成金を活用した。
地元の健康福祉祭りにて、初お披露目をし、地域の方より好評を受けた。民生委員の視察研修会では、紙芝居で地元の歴史解説を行い、委員の皆さんから「解りやすかった」と称賛の言葉をいただいた。
また、地元小学校での地域学習、老人会、ふれあいサロンでの行事に活用と、幅広く活動することができている。また、その先人の顕彰碑は地元住民の協力により、各町内会や子供会が進んで清掃活動を行っている。こういった、地元の偉人を紙芝居や顕彰碑により知ることが、住民のふれあいや交流の時間となり、更には、他人を思いやる精神の強さ、命の大切さを末長く次世代につなげ、育んでいきたい。
今後の展開
安心安全な毎日を過ごすために、私たちの力で何かできないか?と、地域の絆部会で論ずる中で、「ちょっとした困りごとなら、私にもお手伝いできるよ」「日常生活の事くらいなら、手助けできるよ」との声があがった。地域色として、人のために役立ちたいと考える方が多いため、「絆つなげ隊」を立ち上げることに関しては、スムーズに実施することができた。利用者に関しては、「まだ、自分でできる」「もう少し、頑張れる」と、オープニング時の利用は1件であった。その後、件数ばかりが気になる状態が続いたが、現在までに5件の利用があった。また、一方で、嬉しいことに30名以上の方が協力者として登録して下さり、大変励みになった。未だ活動には至っていない協力者に対しては、実情を理解してもらうためにも、現況報告や福祉講座に参加していただいている。この事業は、開始したばかりではある。地域での広報活動、細やかなコミュニケーションを深めながら、地域の絆を住民の「お守り」として今後も活動を続行していきたい。
また、先人の歴史は、地域の「宝」。方法は様々であるが、次世代につなげるために、紙芝居を作成・活用することで、誰もが解りやすく、親しみやすい方法を取り入れた所である。歴史について高齢者・若い世代と入交り、楽しみながら地元愛を深め、伝承していきたい。