「地域助け合い基金」助成先報告
やまびこ~紫ヶ丘を住みやすくする会~
京都府宇治市助成額
150,000円(2023/01/13)助成⾦の活⽤内容
これからも紫ヶ丘に安心して住み続けていける地域づくりを、多方面から検討していきたいと考えている。この地域に暮らす住民が一つとなり、他人の困りごとを自分事として捉え、「自分が住む地域は自分で」という考えのもと、地域づくりを以下の取り組みを中心に進めていきたい。
1.病院送迎バスを活用した移動支援の仕組みづくり
・病院の送迎バスを活用した買い物をはじめとした移動支援の仕組みを行政とともに構築していく。
・乗りたい人が乗れない。移動の際の乗降サポート(見守りなど)なども含め検討していく。
・バスに乗ることで、スタンプ押印、それで買物ができる仕組みづくり、お互い様づくりを検討していく。
2.集会所を活用した多世代の居場所づくり
目的:一人暮らし高齢者や高齢者のみ世帯の増加に伴い、孤立する高齢者等も増えている。近隣との関係も薄くなってきており、高齢者の居場所が必要であると考える。また、高齢者だけではなく、障害者も子どもも気軽に要られて多世代でつながり、支え合うことができる居場所づくりを目指す。
会場:紫ヶ丘集会所
対象年齢: 特になし(子どもから高齢者までだれでも参加できる)
開設日:固定曜日・固定時間
内容:多世代の居場所(コミュニティカフェ、多世代交流の場、高齢者の社会参加・生きがいづくりの場、子どもの放課後の居場所・学習の場、古本市、0円ショップ(不用品のリユース市))
コンセプト:いつ来ても、誰かがいて話ができ、発散ができる、自分がいてもいいんだと思える居場所。子どもから高齢者まで、年齢に関係なくいてもいい居場所
活動報告
〇移動販売「とくし丸」の誘致
〈きっかけ〉
・買物に不便と感じている人が多くいる地域のため、手押し車で生活している人や、今後、買物に行けなくなる人が、不便なく生活できるようにという思いで取り組んだ。
〈課題〉
・移動販売車の停車スペースの確保
〈活動〉
・やまびこメンバーで町内を歩き、駐車可能と思われるお宅に直接お願いした。
・チラシ等を配布するとともに、必要かと思われる人に直接声掛けをおこなった。また、やまびこメンバーの自宅前などにもチラシを配り、出来るだけ目につくように工夫した。一度だけではなく、数度に分けて周知を行った。
〈成果〉
・週2回の移動販売(6の通り→金曜15:30/12の通り→水曜10:30)
・平均5~6人が、利用されている。
〈気づき〉
・とくし丸の車が故障し来れなかった際、?困っている?との声があがった。主に、物価高で値上がりしたけど、必要な人がいることがわかった。
・とくし丸が、買物の選択肢の一つになっている。
・花が好きで、植木の世話をしている高齢者が、栄養不足になり動けなくなっていた人が、とくし丸が来て、買物ができるようになり、みるみる元気になられた。
〇宇治徳洲会病院の無料送迎バスの空席を利用したおでかけ支援
〈きっかけ〉
・公共交通機関から遠く、スーパー等へ行くにも、交通の便が悪い地域である。
・移動スーパーの誘致はできたが品数が少ない。病院送迎車両のルートにスーパーがあるので、空席を利用できないか。
〈活動〉
・市長寿生きがい課に相談し、市交通政策課から病院へ調整。
〈成果〉
・送迎バスを利用することによって、今まで接点がなかった人たち同士が、その場所で交流ができ、朝の便でおしゃべりをして、買物に行くようになった。
〈地域活動団体との連携〉
・やまびこのメンバーの中に、「青年の社会参加を応援する会 実のり 」という引きこもり支援をされている地域団体のメンバーがおり、その方たちが作成した数量限定(70個)のパスケースを配布。バスの乗車券がわかりやすく、出しやすいように、と作成していただいた。「利用されている人が喜んでおられる」との声があった。
〇ラジオ体操
〈きっかけ〉
・居場所づくりとして、主体は高齢者だが、その場に子どもたちも参加できるものを考えようとなった。
しかし、いきなりイベントをするのは難しいので、気軽に始められるラジオ体操を、夏休みの土日でしてみようとスタートした。
・まずは、集会所の公園から始めようとなった。
〈活動〉
・ラジオ体操の開催にあたって、近隣への挨拶をし、反対の意見はなく「楽しみにしている」、「昔はあちこちでしていたんや」と懐かしむ声もあった。
・ラジオ体操の際に、とくし丸や宇治徳洲会病院のバス、やまびこの宣伝も合わせて行うことにした。
〈成果〉
・毎回20人程度が、集会所前の公園に集まり、ラジオ体操の先生が来てくれる日もある。
・その場所でも、待っている間におしゃべりをしている人がいるなど、交流の場となってきている。
・参加した際のスタンプカードを、やまびこメンバーで作成。出席スタンプがたまれば、景品を渡す。
・30個のスタンプが押印できるカードになっており、30個ためて景品を渡した後、スタンプカードは一旦終わり(ラジオ体操は継続、新スタンプカードのみ発行はなし)にしようと思っていたが、「(たまった後に)景品がなくても良い」「スタンプカードを継続してほしい」との声があがった。スタンプが貯まることで、自分自身の健康バロメータになっていたり、生活の張り合いになっているという声があり、夏休み以降も継続していくことになった。
〈気づき〉
・集会所から遠い所からの参加、町内会を辞めた人や、話をしたことない人の参加もあった。男性の参加者が多い。子どもの参加もある。
〈参加者の声〉
・「童心に返れて楽しい」「土日だけでなく、開催してほしい」との声があった。
〇みんなのやまびこまつり
〈きっかけ〉
・集会所を利用した多世代交流による居場所づくり(令和5年12月2日開催)、「やまびこ」の宣伝を兼ねて開催。
・子どもも大人も、自由な場にしようと話し合いを始めた。
・子どもと高齢者の間の世代ぐらいも、巻き込んでいきたい思いがあった。
〈活動〉
・視察で行った、eスポーツイベントを早速取り入れた。
〈成果〉
・太鼓の達人を大きなスクリーンでしたり、ポップコーンを作って、お子さんから高齢者までみんなで集うことができた。
・当日、集会所には子供が大きくなって、使わなくなったおもちゃや、食器、グラス、衣類等をもってきてもらい「差し上げます/もらってください」コーナーも設けた。種類も豊富で品物もたくさん集まり、町内の人がたくさん来てくれて、とてもにぎわった。
・地域の人のご厚意で、やまびこへの寄付金が2万円集まった。今後の運営資金として、活用していきたい。
〈気づき〉
・「子どもたちが楽しそうだった」「町内でこのような催しは初めて」「来年もまたやってほしい」との声も聞いている。
・いつも、集会所付近で遊んでいる子どもが来ていた。⇒居場所を必要としているお子さんだと思った。
・「この日だけなら」と、手伝ってくれた人もいた。
〈課題〉
・eスポーツの太鼓の達人は、子どもたちだけでやっていたので、やまびこメンバーでお手本を見せたら、高齢者の参加も促せたかもしれない。
〇活動を通しての声、感想等
・町内会の活動が廃れてきていると感じる。地域を良くしていこうという気持ちを持っている人たちでないと、やっていけないと思うが、そんな人たちと集まって、色々な意見を聞きながらつながりを広げていけると思っている。町内の活性化の一助にやまびこが貢献していると感じる。
・やりたいという気持ちでやっているから、苦労とは思わなかった。
・楽しいストレスで、できている。
・最初は、本当に住みやすくなるかなと心配になっていた時期もあった。やまびこって何だろうと思った時期もあった。「学区福祉委員会がやっているのか?」町内の人から「勝手にやっているんでしょ?」と思われていたが、町内の運営委員会にて「ええことしてるし、ええやん」との声があり、やまびこを理解してもらえたことで、不安な気持ちが吹っ切れた。
・つながり作りのため、何をしたらいいかを探すのが大変だと思った。行政や、生活支援コーディネーターからの情報で、他市町村の事例を聞けたり、視察に行き、やまびこまつりに取組むことができた。
・若い世代の男性が、やまびこに入ってきてくれた。その男性は「やまびこがなかったら、ここまでつながれなかった」とおっしゃっている。
・自分だけでは、ここまで出来なかったけど、行政や包括、生活支援コーディネーターと一緒にやってきたからこそ、自分たちのやりがいや生きがいにもつながり、地域の人たちとのつながりも強くなってきたと感じる。
〇これからの抱負
・居場所づくりの定期的な開催を、検討していきたい。
・子ども~高齢者まで、交流できる居場所づくりを検討していきたい。
今後の展開
・地域のつながりが希薄になっていきているので、つながり合うことをアピールしていきたい。
・これからも「つながり」をキーワードに考えていきたい。
・イベントの時だけや、その時だけでも協力してくれる人がいたり、自分達のできる範囲で活動に参加など、色々な参加の仕方があってもいいと思っている。
・集会所を活用した居場所づくりについて
→子どもたちからお年寄りまで、年代に関わらず交流ができる場を今後も考えていきたい。せっかく集会所があるのだから、上手く活用していきたい。自分たちの子どものころを思い出しながら…
・「ここに来たら誰かがいる」そんな場に。
→中で将棋をしている人がいたり、子どもたちが放課後宿題をしていたり、高齢者がお茶を飲んでおしゃべりしていたり、おやつ作りの得意な人が、ケーキを焼いたり、それぞれの人達が過ごしたいように過ごせる場、集える場にしていきたい。
・(やまびこまつりを経て)eスポーツは、お子さんだけでなく、高齢者も楽しんでもらえるツールだと思う。
・なかなか外に出られない大人が一定数いることを「地域の事として」知ってもらいたい。
・そういった人たちやその家族の方が、相談し合える場にもなれば良いなと思う。
・つながり合える場所を考えていくために、他の地域の情報を知りたい。