「地域助け合い基金」助成先報告
NPO法人 カケルとミチル
東京都杉並区 ウェブサイト助成額
150,000円(2022/12/09)助成⾦の活⽤内容
「発達障害に関する啓発と支援活動の普及」
近年、インターネットやSNSの普及により、発達障害に関する情報は誰でも簡単に手に入るようになった。一方で、溢れている情報の中から正しい情報や自分にとって必要な情報を取捨選択することは容易ではない。誤った知識や過度に不安を煽る情報に晒されることにより、自分自身で判断する力を失い、精神的な健康を損ねる人もいる。
このような状況を鑑み、当法人はYouTubeでのラジオ配信、児童福祉施設の職員向けセミナー、自治体と協力した保護者向け講演会など、専門家による正しい情報の発信を軸に、幅広い普及活動に力を入れてきた。
その中で、少しずつではあるが公的な支援施設に勤める支援者や、発達障害の診断を受けた子どもの保護者には情報を届けることができるようになってきた。一方で、幼稚園・保育園・公立の小中学校・学童クラブといった地域の子どもを受け入れる場にいる大人や、発達障害の診断を受けていないけれど困っている子どもの保護者といった、既存の制度には当てはまらないけれど子どもとの関わりがある大人に対してはなかなか情報が届けられていないと感じている。発達障害の診断がなくても、その特性により本人や周囲が対応に困る子どもは地域にも少なくない。こういった子どもと関わる大人に対して正しい情報を発信していくことで、より子どもたちが地域で暮らしやすい世の中になると考える。
そこで、今回は以下のイベントを計画した。
タイトル「発達障害児支援の専門家による“子どもとの関わりのコツ“セミナー
目的:発達障害に関する啓発と支援活動の普及
方法:東京都内にて対面セミナーを開催、セミナーの内容を当法人のYoutubeチャンネルにて全世界に向けて発信
対象者;子どもに関わる大人、発達障害の専門家ではないが、子どもとの関わりに悩んでいる大人」
活動報告
今回、貴団体から助成をいただいたことで、法人として初めての対面イベントを2023年5月20日に開催することができました。日本全国から医師や作業療法士、公認心理師といった発達支援の専門家を講師としてお呼びし「第一回 発達障害と生きづらさフォーラム ライフステージに応じた生きづらさ支援の方法」と題して法人事務所のある東京都杉並区地域にてイベントを行いました。
発達障害を持つお子さんや成人の支援について考えを深めるイベントのため、発達支援を行う専門家はもちろん、幼稚園や小学校の教員、保護者など興味関心のある誰もが参加でき、それぞれの学びになることを目指しました。
開催にあたり、杉並区社会福祉協議会の生活支援コーディネーター、杉並区役所、すぎなみ協同プラザなど地域の各種機関とやり取りを行い、当NPO法人の概要・イベント開催情報を中心に地域に情報拡散のご協力をいただきました。また、杉並区内で活動をする不登校児の親の会の代表者様とも直接面会し、本イベントについて紹介させていただく機会も作らせていただきました。チラシを持参して情報告知をするタイミングがイベント直前になり時間的余裕がなかったため、次回は余裕を持ってイベント企画・チラシ作成を行うべきであると反省しました。
当日の対面参加者は40名、アーカイブ動画の配信申込者は120名と当初の予定を大幅に上回る参加者数となりました。
参加者アンケートでは、満足度についての評価項目では9割が最高評価の「大変満足している」と回答されました。自由記述の項目では「どの先生のお話もとても勉強になり、最後の質問やディスカッション内容は特に勉強になった。」「ライフステージにまたがって話を聞けたこと、周産期からの関わりの重要性を改めて考える貴重な機会となった。」「様々な専門職からの多角的な視点でのお話が参考になった」といった回答が見られました。
イベント終了後も会場に残った参加者から学びになった、興味深かった、次回以降のイベントも参加したいので情報を流してほしい、といった声が多く聞かれました。
同じ地域で活動する他団体や発達支援を行う支援者らと直接顔を合わせてコミュニケーションをとることができたこともきっかけとなり、当法人が杉並区内で地域の訪問看護ステーションと連携して開催している若者の居場所づくり事業への参加に興味を示してくださる参加者もいらっしゃいました。
今後の展開
当法人では、杉並区内の児童精神科に特化した訪問看護ステーション ナンナルと連携し、発達障害や不登校・引きこもりといった課題を持つ思春期青年期の若者の居場所づくり事業も行っています。今回のイベントを杉並区で開催したことから、イベント参加者の中には上記居場所づくりへの参加について関心を持たれた方もいらっしゃいました。
またYouTubeでの専門家による情報発信、支援者コミュニティの運営など当法人が行っている他事業についても興味を抱いた方もいいらっしゃいました。
イベントに興味はあるものの、様々な事情で会場に直接足を運ぶことが難しい方も少なくないと感じたため、今後はリアルタイムでのオンライン配信や別地域での開催も検討していきたいと考えています。
今回は法人として開催するイベントの初回であったため、慣れない点も多く準備に余計な時間が掛かってしまいました。次回以降は反省点を活かし、時間に余裕を持ってイベントを企画することや、今回助成を受けたことで開催でき、繋がりをもつことができた方々に次回イベント情報を共有することなどを通して、より一層地域での活動を広めていきたいと考えます。
▼当法人ホームページ
https://npokakerutomichiru.wixsite.com/npokm
▼当法人運営YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCP4u3TspHsH_WpBh6jq1SxQ
▼当法人運営支援者コミュニティ
https://lounge.dmm.com/detail/4988/