「地域助け合い基金」助成先報告

 長居プレーパークつくろう会

大阪府大阪市阿倍野区 ウェブサイト
居場所見守り

助成額

150,000円2022/12/09

助成⾦の活⽤内容

都市部の公園では、ボール投げ禁止、大声を出すことも禁止というところが少なくありません。子どもたち自身も、放課後は塾や習い事に追われ、スキマ時間に家でユーチューブを見る、ゲームをするような遊び方が主流になっています。また、未就学の幼い子どもたちも、せっかく公園に来ているにも関わらず、「危ないからやめなさい」「汚いから触らないで」といった保護者の声掛けに従って、遊びを制限されている光景をよく目にします。
さらに、コロナ禍では、地域の祭りや学校行事の縮小、児童館の人数制限等、子どもたちが家以外の場所で楽しむ・遊ぶ機会が少なくなっています。また、昨今の遊びの商業化により、特に都市部においては自然体験ができる遊びをするためには、わざわざ遠方に出かけて行って、入場料と参加費を支払わなければならないことも多く、子どもたちの遊ぶ環境に格差ができつつあるように感じています。
そのような課題を解決するためにも、子どもたちがのびのびと遊ぶことができ、誰もが無料で利用できるプレーパークが自分の住む地域にあることは重要だと考えています。
子どもたちには自ら遊びをつくりだす力があります。ただひたすらに穴を掘る、木に登る、落ち葉や泥んこで何かをつくる、夢中でダンゴムシを集めるなど、やりたいと思うことにはいつまでも集中して取り組んでいます。誰からの指図も受けず、何にも制限されず、好きなことに夢中になる。大人には無駄とも思えるその時間こそが、子どもの栄養源となり、遊びを通じてトライ&エラーを繰り返しながら、子どもたちは自ら育っています。
既存のプレーパークの多くにはプレーワーカーと呼ばれる大人がいて、子どもの安全を見守りながら遊びをサポートしています。さらに地域の高齢者の方々が木工や手芸を教えたり、教育系の大学生が実習を兼ねて子どもと遊んだりもしていて、未就学児から高齢者まで、地域の世代間交流のプラットホームとしても機能しています。
プレーパークでは禁止事項を極力なくし、子どもたちの「やってみたい!」をさまざまな世代・バックグラウンドを持つ大人がサポートしながら、子どもが自ら育つ力を伸ばすことを目的としています。プレーパークは地域全体で子どもの成長を見守り、誰しもが安心して過ごせる場所であり、大人も子どもも「プレパに行ったら誰かに会えるかな?」と気軽に立ち寄って、そこに集う人々が「あそび」をきっかけに繋がることで、自分が住む地域社会への帰属意識や愛着を育てる一助となると考えています。
プレーパークを常設する場所としては、地域の公園や空地を想定しているため、自治体や公園管理事務局、地域の方々の理解、協働は不可欠と考えています。

活動報告

助成金をいただいた約1年の間に自団体が主となるプレーパークを6回開催。その他、大阪市内のプレーパーク他団体との共同開催を3回。合計9回の開催ができました。
プレーパークを開催することで、「子どもがのびのび遊ぶことの大切さ、それを寛容に受け止める場所の必要性」を地域の方々や親子に知ってもらう機会にもなり、1年前と比較すると、プレーパークのことをより多くの人たちに知ってもらえたのではないかと思います。
助成金は、プレーパーク開催のための必要物品購入、チラシや名刺作成などの広報費用、プレーワーカーや子育て支援講座などスタッフの研修に活用し、自団体が今後活動するための基礎の部分を形作ることができました。
プレーパークが開催できる場所を探すところからのスタートでしたが、東住吉区社協の地域支援担当の方が協力してくださり、地域団体への顔つなぎをしてくださいました。そのおかげで、地域が管理しているコミュニティ広場を使わせていただけることになり、2023年3月に「段ボールであそぼう」というテーマでプレーパークを開催しました。
大阪市公園活用事業パークファンには2年連続参加し、2022年11月、2023年8月の2回、阿倍野区地域公園でプレーパークを開催しました。
私たちの活動は、定期的にSNS(インスタグラム)で発信していますが、そこで私たちの活動を知った、長居公園指定管理者のわくわくパーククリエイトさんからもお声がけいただき、長居公園のグラスフェスに参加し、芝生広場でのプレーパークを3回(2023年4月、10月、11月)開催しました。
プレーパークでは、各回80名~100名ほどの親子が訪れ、子どもたちはやってみたいことを自ら選び、遊びを展開していました。
その時の子どもたちはきらきらと輝く笑顔や真剣な表情をしていて、自らつくりだす遊びに没頭できる環境の必要性を改めて感じました。
また、親も我が子が楽しそうに遊ぶ姿を見て嬉しそうにしており、「普段はこんなに遊ばせてあげられないから来れてよかった」「子どもがのびのび遊べる場所がもっとあったらいいですね」という声もありました。
「子どもがのびのびと遊べる場所」は、親子にとって必要なのだと感じ、活動の意義をプレーパーク開催の度に再認識しています。

今後の展開

今後も継続して長居周辺地域でのプレーパーク開催をしていきたいと思います。
現在は不定期開催でイベント色の強いプレーパークですが、今後回数を重ね、定期開催できるようになればと思っています。
さらに、当たり前に「今日もあいてるよ、誰でも遊びにおいで!」と言えるような「日常の遊び場」である常設のプレーパークをつくることが私たちの目標です。
そのためには、地域団体、公園管理団体のご理解ご協力が必要となります。東住吉区社協の地域支援担当の方には、地域団体との関係づくりをサポート頂いておりますので、今後も関係を密にして、地域に根差していけるよう、活動していきたいと思います。
また、頻回開催するには遊び場をつくり、見守るマンパワーも必要なため、一緒に活動してくれる仲間も随時募集しています。asobinotane.osaka@gmail.comまでメールにてご連絡ください。
Instagram/Facebook@nagai.playpark.tsukuroukaiのアカウントで情報発信しています。フォローよろしくお願いいたします。

添付資料