「地域助け合い基金」助成先報告

 たちばな支援の会

群馬県渋川市
居場所見守り生活支援

助成額

150,000円2022/11/14

助成⾦の活⽤内容

まず、「たちばな支援の会」の趣旨や活動内容を広く北橘町内に周知したい。
しかし、現状そのための資金がなく、渋川市では行政機関等による助成金の制度も十分に整備されていないことから、本基金を活用し、会の周知に繋げていきたい。
具体的には、会員が着用する会の名入りベストを作製し、活動時に着用することで、制度に基づいた団体が行っている活動であると地域住民の信用度を高めたい。併せて年2回ほど会の周知チラシ・たよりを作成・発行する。
また、現在取り組んでいる粗大ゴミ収集支援や除草作業は、危険を伴う活動でもあるため、それに備えたボランティア保険加入費用や必要備品の購入費用、支援協力者への謝礼等にも本基金を活用したい。
さらに将来的には高齢者の見守り活動や居場所作り活動などにも会として取り組んでいきたいと考えており、それに伴う経費(見守り訪問時の配布品、居場所のための部屋賃借料、お茶代等)にも本基金を活用したい。
これらの活動が広く町内に周知され、浸透していくことで、既存の自治会活動、民生委員児童委員活動、長寿会活動等に寄与できると考える。

活動報告

・購入したベストを活動時に着用することで、地域住民に対してたちばな支援の会(以下、「本会」)が制度に基づいた団体であることを周知できた。

・これまで各地区や個人負担であったボランティア活動保険料を団体として支払えるようになった。

・活動に必要な備品を団体として購入できた。また、他団体との情報交換会開催にも活用することができ、活動の幅が広がった。

・講習会受講費用に活用し、除草・清掃活動時における安全確保について、会員へ広く周知することができた。

上記を通じて、団体として取り組んできた「粗大ゴミ等収集支援」の実施地区拡大に繋がった(申込時は16地区中11地区であったが、14地区まで活動が広がった)。上小室地区における除草・清掃活動についても活動回数が増加傾向である。

新たな取り組みとして、八崎第一地区で「地域ふれあい活動」を開始した。渋川市社会福祉協議会(以下、「渋川市社協」)の事業である地域ふれあい活動のエリア拡大計画に、本会が参加したことによる。この活動は民生委員児童委員に対象者調査を依頼し、76歳以上独居世帯及び81歳以上高齢者のみ世帯のうち、支援を希望した世帯を対象者とする。たちばな支援の会の一組織である「八崎第一ボランティアの会」が活動主体となり、渋川市社協と契約。渋川市社協から委託金を受け、その範囲内で自由な発想によるふれあい活動を実施している。具体的には対象者世帯への日用品等配布を兼ねた見守り訪問が主な活動内容となっている。

また、群馬県前橋市桂萱地区で始まった「幸せのベンチプロジェクト」を参考に、たちばな支援の会による「幸せをつなぐ黄色いベンチプロジェクト」を開始した。高齢者等が散歩や買い物等で移動する際の中継・休憩場所及び高齢者等の見守り、地域住民同士の会話や交流の場、居場所づくりなどを目的とする。本会が一方的にベンチを製作・設置していくのではなく、北橘地区内の個人・学校・企業等、趣旨に賛同いただいた方々の協力のもと進めていく事業である。本プロジェクトの開始にあたり、地域助け合い基金(以下、「基金」)の一部を活用し、ベンチ製作に必要な資材を購入した。現在5基を製作し、地区内のまつりにて展示のうえ活動を周知したほか、うち4基は渋川市立北橘中学校へ塗装及び描画を依頼した。この4基は令和5年12月12日に地区内の愛宕山ふるさと公園に設置した。

基金の助成期間内に2度、他市団体との情報交換会を開催し、同じ目的を持って活動している者同士で情報共有ができたことは大変有意義であった。

基金の活用全体を通して、少しずつではあるが北橘地区内に本会が周知されてきていると感じる。令和4年度途中と、令和5年度初めに地区の自治会連合会会議に本会が出席し、活動についての周知と協力を依頼した。その結果、自治会から一定の理解が得られ、粗大ゴミ等収集支援の実施地区拡大に繋がったと考えている。
また、本会のメンバーにも増員があった。このことも地区内で本会の周知が進んできた結果だと考えている。
一方で、活動推進のためにはまだまだ会員数が不足している。自治会に協力を求めた際には、「ボランティアとは、したい人がしたい時にするものであり、半ば強制のように協力を求めてくるのはボランティアではない」などの厳しい言葉をいただくことがあった。

今後の展開

・粗大ゴミ等収集支援の地区内全域実施を目標としたい。(16地区中1地区は他ボランティア団体が同様の支援を行っているため、15地区での支援実施を目標とする。)

・上小室地区での除草・清掃活動では、刈払機使用講習会で学んだ内容を活かし、引き続き安全な作業に努めるとともに、自治会活動を補完する役割も果たしていきたい。

・地域ふれあい活動は、令和5年度に八崎第一地区をモデル地区として開始したが、「高齢者のみ世帯」という現行制度では見守り対象とならない世帯の見守りができる点は、民生委員活動の補完にもなると本会は考えている。そのため、八崎第一地区での活動内容を検証し、来年度以降、北橘地区内での活動拡大を進めていきたい。

・幸せをつなぐ黄色いベンチプロジェクトは、渋川市内では初の取り組みであり、ベンチを設置する形での見守り・交流・居場所づくりは大変意義のある活動だと考えている。生活支援体制整備事業においては、地域住民の理解を得づらいことや担い手不足が渋川市全体の課題となっていることを踏まえ、学校や企業等へ協力を求め、北橘地区全体で取り組みを進めることに重点を置いている。令和5年度はまず北橘中学校との連携を深めることができた。今後は小学校との連携も視野に入れている。ベンチ製作を通じて、児童・生徒に福祉やボランティア活動への関心を高めてもらうとともに、自身が協力したことが地域の役に立っていると実感してもらうことで、将来的にはボランティア活動の担い手となっていただければと考えている。また、生活支援体制整備事業においては、活動を進めるうえで企業との連携が推奨されているが、なかなかそれが進んでいない現状がある。そこで本プロジェクトを推進するにあたっては、企業からの協賛金、企業敷地内へのベンチ設置、場合によっては物品を現物支給していただくなどの形で企業との連携を図っていきたい。顧客の増加に繋がるなど、企業にとってもメリットがある提案を行い、本プロジェクトが企業との連携の1モデルとなるよう創意工夫していきたい。

・同じ目的を持って活動している方々との交流は、本会メンバーにとって大いに刺激となり、自分達の活動を振り返ること、より高めていくことにも繋がるので、他団体との交流の機会を今後も積極的に設けていきたい。

・活動推進のためにはまだまだ会員数が不足していることから、多くの地区住民から理解や協力が得られるよう、引き続き地道な周知活動を行っていきたい。

添付資料