「地域助け合い基金」助成先報告
椎泊桜の家
新潟県佐渡市助成額
150,000円(2023/01/19)助成⾦の活⽤内容
桜の家を活用し、新たに、「さくら食堂」を定期的に開く。
高齢者の介護予防と一人暮らしの高齢者への支援に役立てるため、いわゆる地域食堂として、「さくら食堂」を継続して運営する。近時、新型コロナウィルス防止対策により、地域での集まりがなくなり、自宅にこもりがちとなったので、地域住民の交流場所としても役立てる。
今年の5月から、月一回程度、お試しで実施したところ、評判が良く、毎回25名程度の参加があった。また、受付・調理・接客などのボランティアも、毎回10名程度の協力があった。よって、「さくら食堂」の試みは、地域から大いに歓迎されていると評価した。
そこで、この取り組みを本格化し定期的に続けるため、高齢者や障がいを持っている人も安心して利用でき、一年中快適に食事を楽しめるような環境を整える必要があり、この基金を施設整備費用の一部に充てて活用したいと思う。
活動報告
椎泊桜の家は、市から無償で提供された施設を居場所として活用してきた。地域の茶の間やグループの茶話会などにより地域住民が対面での会話を楽しむために。ところが、新型コロナ対策により、交流が困難な状況になった。何とかしたいとの模索の中で、22年5月から、感染対策に配慮しながら、一人暮らしの高齢者の引きこもりを防ぎ介護予防を図るため、「さくら食堂」(地域食堂)をお試しで運営したところ、好評を得た。ただし、夏場は、冷房設備がないので休みとした。
そこで、本格的に継続して運営するため、「本助成金」を活用し、空調設備を設置した。
これにより、夏場も食堂の運営が可能となった。また、夜間の地域サロンや健康活動「ゆるジム」(各家庭で使わなくなった健康器具を持ち寄っていて、気軽に参加できるジム)の活動もできるようになった。
食堂の運営は月1回。サービス提供スタッフはボランティアで約10名。調理・受付・接客を分担。参加費は1回500円。献立は地元の米・野菜や海産物を活用しつつ、メニューも工夫している。
平均25名ぐらいの参加者からは「会話が楽しい」「美味しい」と歓迎する言葉が多く寄せられている。
また、22年2月には貴財団の鶴山理事の訪問があり、全国の事例紹介などアドバイスを受けた。
課題は参加者が事実上会員や集落民に限られがちなことである。今後、ウィズコロナの状況となり、引き続き感染対策を心がけながら、地域食堂の社会貢献性・サービス提供の対応能力・経営上の採算なども踏まえて、参加の呼びかけや働きかけのし方を検討する予定である。
今後の展開
これまで、椎泊桜の家では、施設を活用して、「ラジオ体操」や「ゆるジム」(フィットネスクラブ)などの健康づくり、「夕市」や「子供塾」や「さくら食堂」などの交流活動を企画してきた。
これからは、居場所としての役割にとどまらず、ここを拠点にして、対外的なボランティア活動を展開することを目指している。手始めに、佐渡市社会福祉協議会の「ごむしんネット」を通して、ごみ出し、買い物代行などの有償ボランティア活動も始めた。
これらの活動を進めるにあたり、大切なのは担い手の確保である。そのため、会員や集落民はもとより、交流・関係人口を増やすことにも取り組みたい。
また、活動を継続し発展させるためには、住民が主体となり、多様な生活支援活動を無理のないやり方で楽しく取り組むことや、助成金をうまく使うことが重要である。
さらに、周辺の集落との協力・連携を図れれば、より効果的な取り組みに発展しうると期待する。