「地域助け合い基金」助成先報告
くまの子
東京都豊島区助成額
150,000円(2022/10/20)助成⾦の活⽤内容
くまの子は、絵本の読み聞かせを通して、①区民に、地域社会で今求められていることや身近な課題(例えばSDGs)を知り、考え、行動を起こす機会として頂く、②地域の乳幼児(含む、保護者)から高齢者まで、世代を超えて、絵本の素晴らしさ・楽しさを知って頂き、世代間交流を行う機会を作る、③読み聞かせ活動をすることで高齢者自身の身体的・認知機能的・社会的等の機能低下(フレイル)を予防し、自立した生活を維持するとともに、孤立や引き籠りといった地域社会の課題を解決する一助となることを目指しています。
具体的には、①②について、区内の区立公園を含む諸公共施設を、場所や参加者の特性に合った絵本を選ぶことで、参加者により楽しんで頂きながら、地域住民の世代間交流を実現しています。
③については、参加者のみならず、本会の会員自体のフレイル予防のためにも、毎月定期的に東京都健康長寿医療センター研究所の認定したインストラクターを招いて、選書や読み聞かせ技術の向上を図る「絵本勉強会」を開催。更に、一般の絵本読み聞かせに関心のある方対象に「講習会(全12回)」を開催。その講習は、「絵本勉強会」の内容に加えて、子どもや高齢者との接し方、更には、諸制度に関する知識と技能の習得と向上も目的とした内容になっています。
活動報告
「絵本読み聞かせ活動」は、社会参加(介護予防)、地域活動、集いの場作りなど地域貢献や健康増進に寄与できる意味のある活動ですので、この活動の継続こそが、私達「くまの子」の役割と考えております。
講座開講の苦労は、受講生の確保と会場の確保でした。
私どもでは、受講生を募集するチラシを作成し、図書館、区民ひろば等を訪問しチラシを置いて頂くお願いを、更に、活動場所での人間関係などを活かして、絵本読み聞かせ講座受講生募集のお知らせを致しました。
他方で、豊島区保健福祉部高齢者福祉課、豊島区社会福祉協議会、東京都健康長寿医療センター研究所が後援をして下さいました。豊島区保健福祉部高齢者福祉課は、受講生募集記事を「広報としま(豊島区報)」に掲載の他、同課が管轄する区施設を無償で使用許可して下さいました。社会福祉協議会は受講生募集記事を、「ボランティアセンターだより」に掲載して下さいました。区の後援が、講座の信頼性と受講者の応募決定への力強い後押しになりました。
東京都健康長寿医療センター研究所には、会場確保と受講生募集に対する区の後援が頂ける目途が立ちそうな段階でご相談をし、インストラクター派遣やワークブックの提供、開催回数と時期などに多大のご配慮をいただきました。また、応募を締め切った段階で、受講募集者数15名に対して、60歳から84歳まで18名の応募があり、超過3名の扱いが問題になりましたが、18名全員の受講を許可頂きました。
受講生は1/12~3/23までの毎週木曜日に全10回の講座を受講し、絵本の読み聞かせの技術の修得を通して、ご自身の健康維持増進と認知症予防について、更に、地域社会への貢献などについて学びました。
受講者の皆さんの、最終日に行われた発表会での堂々たる絵本の読み聞かせの披露、或いは、講座は「学ぶことが多く大変だったけど楽しかった!」との修了式で伺った沢山の声には、主催者として初めてのイベントをやり切った歓びとともに、ご指導・ご協力下さった方々への感謝の気持ちでいっぱいになりました。
そして、受講者18名の内、8名が、「くまの子」の会員となり、新たに活動を開始いたします。
他方、講座を修了はしたが、ご自身のスキルアップが目的だったから、或いは、現時点では「くまの子」の活動計画をスケジュールに組み込むのは難しいなどの理由で、「くまの子」での読み聞かせ活動には残念ながら参加されない方もいらっしゃいました。
しかし、今回の受講の結果、絵本の読み聞かせの効用が、その方々の周りの方々へ、なんらかの形で広がっていくのではないかと想うと、それも地域社会における貢献活動の一つと捉えられるかもしれないと考えるに至りました。
今後の展開
23年度の「絵本読み聞かせ」活動においては、常にSDGs目標の幾つかに焦点を当てて、推進のお手伝いをしていくことを心掛けたいと考えております。
絵本で取り上げているSDGsの目標としては、3番「すべての人に健康と福祉を」、5番「ジェンダー平等を実現しよう」、13番「気候変動に具体的対策を」、14番「海の豊かさを守ろう」、16番「平和と公正をすべての人に」等が、直ぐに思い当たります。
それ等のうち、5番「ジェンダー平等を実現しよう」については、区男女平等推進センター(通称、エポック10)が6月に開催の「フェスタ2023」に参加致します。
そこでは、絵本の持つ「チカラ=可能性」を実感して頂こうと、以下のような内容で、講演と読み聞かせのデモンストレーションを企画しました。
全体のスローガンは、
~知ろう!あなたとわたしの可能性~です。そして、くまの子では SDGs目標3番を加味して、次のように展開を致します。
たいせつなあなたへ ~絵本の役割~
絵本の中にあなたがいます!
絵本で読み解くゲートキーパーの役割
SOSを見逃さないためのポイント
SOSの出し方授業 (モデルケース)
モデルケースは、臨床心理士(東京都健康長寿医療センター研究所・研究員)による、実際に行われている授業に関する報告になります。
先に報告したように、「絵本読み聞かせ講座」の結果として新たに 8名の入会 がありました。
その方々(2期生と称呼)の加入で、これ迄人数上の制限で出来なかった、新規活動場所獲得も、いよいよ実行できる可能性が高まってまいりました。
くまの子の会員の健康長寿を実現しつつ、地域共生社会の実現に貢献するという、二兎を追う活動が、これから先どの様に展開されていったかを、近い将来ご報告できることを祈念しつつ、「地域助け合い基金」による活動実績報告とさせて頂きます。