「地域助け合い基金」助成先報告
宗像地区成年後見研究会
福岡県宗像市助成額
150,000円(2022/10/12)助成⾦の活⽤内容
宗像地区においても今後、後見を必要とする認知症高齢者、知的・精神障がい者の増加が予想されます。これに対応・対処する成年後見制度利用促進に関する市民への啓もう活動と実務支援、一定の専門知識と実務能力を身に付け、職務上の倫理を備えた「適切な市民後見人」の育成は当宗像地区においても緊急の課題であると私たちは考えています。
これらの課題達成のための成年後見に関する研修講演会や無料法律相談会を実施し、制度利用の促進と相続・遺言書作成を含めた広い意味での市民生活支援を行って行きます。そのために行政の包括支援事業、社協の成年後見やライフサポート事業、各施設等との連携を図ります。
①研修講演会などの参加者に対して、基礎的知識や実例研究などにより実際場面での問題の把握、問題解決能力向上を図って頂く。
②相談会においても、相談内容を傾聴して、来談者に対して成年後見制度に関する啓もう活動と実際問題解決のための支援を行う。
③家裁への後見申立てや親族後見人の方々の家裁への事務報告作成支援を行う。
④地域包括や社協などと協力し、要後見の方々の把握と今後予想される要後見ニーズを把握し、次年度の計画している市民後見人育成研修に資する。
活動報告
私たち宗像地区成年後見研究会今年度の活動の柱は次の2つです。
Ⅰ 成年後見講座「研修・講演会」(資料1,2)の実施
2022.7.9~2023.2.18の間、月1回、計8回実施しました。各回の参加者は、19名~34名、平均で24名、延べ191名の方に参加していただきました。
この講座の目的は、成年後見制度の普及、利用促進のために市民の皆さんに制度そのものについて知ってもらうこと、また必要な方に手続きその他の実務支援をすること、また関心のある方々に市民後見人として今後育成研修を受けていただき、活動していただくことです。
今年度のこの講座の特徴は、「企業活動と障がい者の就労支援」という問題で、①公的な就労支援の制度を利用せずに、長年、障がい者の方を雇用し花束結束工場と販売店を経営されている方、②「農福連携」という観点で有機農業と就労支援を連携させ、障がい者就労支援制度を使って、障がい者が自立できる収入を目指し経営活動されている方、の2人に講演していただき、参加者に多大な関心をもっていただいたと考えています。特に②のオーガニックパパの八尋氏の講演は私たちの日常生活の食と環境を、また障がいある方が働くということの意味を深く考えさせるものでした。
宗像地区からだけではなく福岡市、古賀市、山口県長門市から参加された方もあり、宗像市の市会議員2人の参加もありました。当会は12名の会員でしたが、今年度さらに5名の方が参加してくれました。
Ⅱ 無料相談会(資料3)の実施
2022.7.19~2023.1.17の間、月1回、計7回実施し、来談者は、1回平均2~3名で、計18名でした。その他個別の相談会を臨時に設定し、3回実施しました。相談内容は、相続、遺言作成、法定後見、任意後見、福祉施設・グループホーム入居に関する相談等でした。
今年度は、任意後見契約成約が1件、いろいろな面で継続支援中の家族が5件で、そのほとんどが障がいのある子どもを抱えた高齢の親御さんで、後見契約の有無にかかわりなく出来る限りきめ細かな生活支援をしていこうと考えています。
今後の展開
宗像地区成年後見研究会は、基本的には後見を必要とする高齢者、障がい者の方々に対して基幹包括支援センター、地域包括支援センター、社協、医療・介護施設等と連携し、後見制度利用促進と実務支援を通して地域後見を担う活動を行うことを目的としています。これからも、高齢者も子どもも、障がいのある人もない人もかかわりなく誰もが分け隔てなく、普通に安心して暮らせる地域づくり、寄り合い助け合いのある街づくりを目指していきます。
そのために次年度以降次のような計画を実施することにしています。
Ⅰ 「市民後見人育成研修」を宗像地区において実施する
福岡市に本部をおくNPO法人「高齢者・障害者安心サポートネット」(森山彰理事長)と連携し、その指導・支援を仰ぎながら定員30名規模の研修を実施し、市民後見人養成を図る。
Ⅱ 「NPO法人」の設立
法人格を持った組織づくりを次年度中に実行する。現在の会員は上記「安心サポートネット」の育成研修の修了者ですが、Ⅰの育成研修を宗像地区で実施することで後見人職務担当者候補を養成し、組織の拡大、強化につなげていきたいと思います。
地域社会で後見を必要とする方々に支援をお届けするということには大変苦労を伴うこともありますが、笑顔で感謝される大きな喜びのある、生きがいのある活動でもあります。共に活動してくださる皆さんのご参加をお待ちしています。