「地域助け合い基金」助成先報告

 神奈川骨髄移植を考える会(コットンキャップの会)

神奈川県平塚市 ウェブサイト
その他

助成額

150,000円2022/08/25

助成⾦の活⽤内容

がん治療などで脱毛した患者さんのための、「医療用ケア帽子コットンキャップ」の販売を始めたボランティア団体です。
コットンキャップは脱毛でデリケートになった頭皮の保護と、周囲の視線からも守ってくれる、必需品です。
同様の商品は2,000~4,000円ほどで多数販売されていますが、当会では1,000円ほどで販売し、患者さんの経済的負担を軽減しています。

事前のニーズ調査で要望が多かった子どもむけの商品の試作を始めています。
子ども用は色・柄・デザイン・サイズと種類も多いうえ、作製には細心の注意が必要としています。

商品の作り手さんは、かわさき市民活動センターにて開催したワークショップ参加者した30人の中から、主旨に賛同した10人ほどのボランティアです。年に3回ほど集まり、各自が自宅で作った商品と、次回用の生地のセットを受け渡し、
商品の品質チェックなどをおこない、そして、会員同士のつながりを深めています。

現在、3か所の大学病院売店で販売していますが、営業担当はその病院で闘病していた当会のスタッフです。
思わぬ入院で世間から外れていた時期を乗り越えて、いまでは、治療中の患者さんのために活動しています。

商品には「抗がん剤治療などで脱毛に悩む方へ 少しでも前向きに進んでほしい そんな願いを込めて…」
というメッセージを添えて、エールと共にお届けしています。

病気になっても、病気が治っても、今は病気でなくても、誰かが誰かのために支えあう。
そんな願いを継続していくために助成金を活用したい。

活動報告

私たちは、神奈川県内で骨髄バンクを広げる活動をしているボランティア団体です。
会員の有志が集まり、がん治療などで脱毛した患者さんのために「医療用ケア帽子コットンキャップ」の手作り販売をはじめました。コットン100%の生地を使い、安価で使い心地のよい商品をお届けしたい。
そんな活動をするチームです。

活動は大きく3つに分かれます。
1.ボランティアの作り手を募集する
市民活動センターなどでワークショップを開催し、賛同者にキャップの作り手になってもらいました。
作り手は3か月に一度集まり、生地(5枚分で1セット)と出来上がった商品の受け渡しをしています。
初対面だったメンバーは顔なじみになり、作成のノウハウを交換するなど交流を深めています。
ワークショップ参加者の30名ほど中のから、25名がボランティア登録をしています。

2.営業先は自身が通院する病院
当初はネット販売を中心に考えていましたが、売り上げは思うように伸びませんでした。
そこで、当会のスタッフが通院している横浜市立大学附属病院の売店へ、アポイントなしで営業をすることで、病院売店での販売が始まりました。現在は3か所の病院で販売しています。病気で一時的に社会から離れた期間がありましたが、今ではボランティアとして社会貢献をしています。

3.今、必要としている方へコットンキャプをお届けする
抗がん剤などの治療で脱毛した頭皮はデリケートになり保護が必要です。好きな色柄のコットンキャップを使用することで少しでも前向きな気持ちになってほしい。商品には「私たちは コットンキャップで あなたにエールを贈ります」と書かれたリーフレットを付けてパッキングしています。治療のため「病院という地域」で過ごす方が、一日も早く本来の地域に戻れるように願いを込めています。

□当初の課題と解決方法
・作り手が作製したコットンキャップが、仕上がりチェックで不合格になることがありました。
そこで、作り方レシピの他に、作り方動画を作成して、自宅で復習をしてもらえるようにしました。
・作り手と一方的な関係にならないように、ワークショップで集まった時に、作り方のノウハウを共有しました。作り手全員へ1年間参加してのアンケートを取り、今後の運営の参考にしました。
・運営スタッフ側では、作り手の人数、生地や商品の数が増えるごとに管理が複雑になりました。
生地の購入→生地セット→作り手へ生地セットお渡しと縫い上げ→商品パッキング→病院へ納品まで、それぞれの工程で、管理番号票と共に生地の写真を取り、運営のグループラインにアップ共有し、担当者がエクセルで管理集計するようにしました。

□今後の課題
・売り上げは順調でしたが、1枚あたりのコストが537円ほどの計算になりました。
(売上639枚+製品在庫122枚+生地セット済み140枚=901枚 売上483,958円÷901枚 ≒ 537円)
病院への卸値は700円(ベーシックタイプ)ですので、間接コストの見直しをします。
・作り手が継続的に協力したくなるような仕組みを工夫します。
・運営スタッフが管理できる全体の量に限界があり、一人に負担がかからないように、作業工程を見直します。ネット販売も強化していく予定ですので、スタッフを増やして活動します。

□私たちは、同じ思いを持つ人々を同じ地域と考え、これからも、支えあいの気持ちを伝えていきます。

今後の展開

今や日本人の2人に1人ががんになる時代と言われる程、がんは珍しい病気ではなくなりました。
思いがけず病気になると、今までの生活が一変するかもしれませんが、治療法が進み、多くの方が社会復帰できるようになりました。
それを象徴するように、私たち「神奈川骨髄移植を考える会」の会員も、治療経験者が増えてきて、各自のペースで活動しています。
そんな私たちだからできることがあります。

「医療用ケア帽子コットンキャップ」が、いま必要としている方へ届くように、私たちはこれからも継続してコットンキャップを作製・販売することで、治療中の方の心に寄り添い、応援して行きます。

添付資料