「地域助け合い基金」助成先報告
リユースプール
神奈川県厚木市 ウェブサイト助成額
150,000円(2022/06/22)助成⾦の活⽤内容
“10年後にすべての洋服が循環している社会に”
目的:地球環境に配慮し、リユース衣類を地域で循環させる
生活支援として、洋服を必要とする方を探して無料で渡す
生活支援コーディネーターと連携をして、情報が届かない地域の方にも支援をする
*リユースに頼れない下着を購入して、必要としている方(目標30人)に手渡す
*成長期の女児を対象に、サニタリー給水ショーツとファーストブラジャーの提供
*衣類の循環を促すメンバーを募り、啓発活動を行う
*洗濯・衣類管理をするボランティアには、洗剤とお弁当を渡す(感謝の気持ちとして)
*地域助け合いにおいて、『支えあい・寄り添いあえる・優しさに満ちている』衣類支援活動があることを浸透させていく
活動報告
<どのような活動ができたのか>
リユース衣類の配布・新品下着の支援・衣類の交換会
☆衣類の募集を行いフードバンクやパントリーを利用の方へお渡ししました。利用者の方のサイズや好みや用途に合った衣類を選んで用意することは地道な作業ですが、助成を頂いたおかげで、メンテナンスにかかるお洗濯や保管倉庫の心配が無く衣類を集めることが出来ました。食品と共に衣類の応援も出来て、12月までに365名に2,943枚をお渡しすることが出来ました。続けて今年に入って6月までに1,191枚をお渡しすることが出来ました。たくさんの方が衣類を持ってきてくださり誰かの役に立ちたい。大切な衣類をまた誰かに着てほしいと思ってくださる方がたくさんいるのがわかりました。パンデミックで仕事を失い元気のなかった方が、衣類を渡したことで、また自信を持って面接に行きますと言ってくれて、仕事が決まった時には一緒に喜びました。実家からの仕送りが減ってしまった学生はおしゃれな衣類をとても喜んで下さいました。精神を病んで仕事に就けない方や、洋服屋さんに入れない方もいらっしゃいます。衣類を渡すと本当は欲しかったと言って喜んでくださいます。そして生活に変化をもたらします。
☆成長期の女の子へ新品の下着を購入して、約30名にお渡し出来ました。感謝でいっぱいです。フードバンクに食品を取りに来る子育て世帯に多く共通している点は、仕事に忙しくママ友。パパ友を作る時間が無い。頼る人が居なくて情報が少ない事です。それにより成長期のお子さまの対応についてわからないことが多い様子です。下着の購入にまで気持ちが回らずに、成長過程に合った下着を身に着けられない方がいらっしゃるので、小・中学生の女子を持つご家庭の方にお話しをしながら選んで頂くと、大変喜んでいただけました。お渡しするときに財団のことを伝えさせて頂いて、たくさんの方から感謝の言葉を頂きました。シングル子育て中のお父さんは、娘にどんな下着を渡したらいいのかわからないので、これをきっかけに相談に乗ることも出来て、娘さんにしてあげられることが増えたと喜びます。配布した下着は、生理の時に着用するサニタリーショーツやナプキンの使用回数を減らせる吸水ショーツ。二重肌着や薄いカップの付いたタンクトップやブラトップなど、年齢やサイズに合わせてお渡ししました。吸水ショーツは子どもだけではなく大学生や大人の女性にも必要ならばお渡しすることが出来ました。何を着せたら良いのかわからない。子どもも説明出来ないなど、下着特有の悩みの解決策として、購入した物を見て頂きながら説明し、年齢毎に形もサイズも変わっていくことを知って頂くと、じゃあ今はこれかな?と安心して頂けました。
☆洋服の交換会を行い、まだ着られる衣類を無駄にしない活動を行いました。イベントは6回開催。約930枚の衣類を循環し地球規模の化学繊維による環境汚染を防ぎ、運搬や焼却によるCO2の削減に寄与することが出来ました。助成金を頂いたおかげで幅広く人を誘い活動に参加してもらうことができました。作業時やイベント開催時のスタッフのお弁当代になり、一日通しの活動を活発にこなすことが出来ました。
<すすめるうえでどのような苦労があったか>
衣類を保管場所から、フードバンクやイベント開催地まで一回で数百枚を運ぶのに苦労しました。保管場所と配布場所が同じに出来ると、効率的に効果を発揮できると思いました。また、衣類を無償でお渡しするという取り組みを理解していただくのが難しく、広報活動に苦労しました。資源回収ではなくて、まだ着られる服の循環を行いたいことをきちんと案内する事で、綺麗な衣類を渡すことが出来ます。ただ、理解して頂けなくてもう着られないほど痛んだ衣類が届くこともあるので、説明が大変でした。
今後の展開
地域で衣類が循環することが定着して欲しいです。神奈川県厚木市が資源を大切にする街になること。
必要な方が必要な衣類をすぐに受け取る場所を作ることが目標です。
活動中地域で火事があり、靴も履かず、家着のままで外に飛び出した近隣数軒の方々へ市役所からの要望を受けて服をお渡しすることが出来ました。市役所からの緊急の現金支給もありますが、税金を使わなくても、あるもので現物支給をする仕組みを作れば税金を増やさなくても出来ることはたくさんあると感じました。また、一時しか使わないものは必要な方へ渡すこと。厚木市は一人暮らしの大学生が多い街です。就活に着るスーツが高くて買えないという学生は喜んでくれました。
一年で15万円という貴重な支援を頂き、あるおかげで大変有意義に活動することが出来ました。これだけあると、本当に草の根的に、必要な支援がいろいろと出来ることがわかりました。感謝の気持ちでいっぱいです。
衣類を循環させる場所を作り、そこに人が集い、衣類のメンテナンス・リメイク・繊維の活用・研究。衣類をゴミにしないでいろんな人が着まわしていく文化を作るべく、大切に循環させながら人も交流するような居場所作りが出来たらいいなと思います。持続可能な社会を引っ張っていく若者や学生が積極的に参加できるような活動に発展させていきたいと思っています。
また、衣類はかさばるし多種多様な種類があるので個人ではメンテナンスや保管に限界があります。保管や開催場所を学校や公的機関などが関わって下さると大変嬉しいです。今回の助成金の使い道や方法は、残念ながら厚木市と蜜にやり取りは出来ずに、資源の有効利用について積極的な意見の交換は出来ませんでした。それは市の職員の方も、どこの課が担当するべきかわからないといった様子で、もう少し行政の中でのコーディネートをして頂ける人がいれば良いと感じました。
衣類の支援と循環の二本柱と、新品のインナーを支援する取り組みはこれからも継続していきたいと思いますので、行政・企業・関心を寄せて下さるみなさまのご協力をどうぞよろしくお願い致します。