「地域助け合い基金」助成先報告

 ゆきどけの会

大分県日田市
居場所その他

助成額

150,000円2022/05/30

助成⾦の活⽤内容

私たち家族会は前身の会の活動から約3年間、同じ立場にある者同士が互いに悩みなどを語り合ってきました。その中で思いを共有しながら「ゆきどけの会」を設立し家族会としての活動を歩み始めています。
毎月の定例会や勉強会を企画し今年度進めておりますが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で深刻化する社会的な引きこもりは増加していますが、住民理解が進んでおらず、一般住民や公的機関等に正しく理解していただく必要があり、今後家族会を進めて行く為にも協力者や理解者を増やす必要があります。
具体的には5月に日田市長へ家族会の活動報告の機会をもってもらい、この「ゆきどけの会」や、本助成金活用で予定している講演会開催の話をしたところ、その周知を全世帯(27,356世帯)へちらし配布協力をいただけることとなり、また自治会連合会(163自治会)への講演会後援依頼、民生児童委員会(200人)や福祉委員(500人)、地元企業への連携依頼を進めております。報道関係の取材依頼もありますので様々な方面に協力を仰ぎ、会の周知と共に「ひきこもり」について、地域住民の皆さんに広く知って頂くための講演会の周知を行い、今年度、参加者200人規模で講演会を開催したいと考えております。
(講師は県内で共生社会の実現や地域医療に取り組む精神科医に依頼予定)

また多くの市民に理解してもらい講演会で「引きこもり」への正しい理解をしてもらう事や、今困っている人達にも家族会がある事を知っていただく事と、この活動への理解や協力が行える方々とも連携して、公的関係機関やボランティアも募り市内高校のJRC(日本赤十字)部等とも連携し、先々には多世代が交流できる、「居場所カフエ」を作り、年代問わず誰もがふらっと寄れて色々な話ができる当事者を中心としたプラットホームを作りたいと考えています。まず実現可能な地区での公民館等から小規模でも集まりや居場所を始めながら、空き家の活用や商店街の活用等行政にも相談していき、理解者や協力者の仲間づくりを促進していく為にも、地域の行事や祭り等でも積極的に家族会の活動周知を継続して行きます。

2~3年おきに、住民対象研修会を開催して行ける様に色々な団体とも連携を図り、計画的に家族会としての活動を継続していきながら、少しづつ住民理解や協力を得て日田市に根付く家族会でありたいと思います。私達の大切な家族はこの日田市でこれからも生きていきます。家族会の存在が「ひきこもり」のみならず行き辛さを抱える全ての人の希望の光に繋がる事を切に願い、歩みを止めない活動を続けて行きたいと思います。

【コロナ禍での日田市状況】
また現在生活支援コーディネーター1層にも助言を頂きながら、公的機関との連携を図ってもらっていますが、社協や地域包括・市保健師・障がい相談支援事業所、地域においては地区社協を通じ自治会長や民生委員・福祉委員等への周知も協力してもらい広げていきながら進めて行ける状況となっています。
今後「ゆきどけの会」を中心として、住民協力、生活支援コーディネーターからの公的機関の協力等と 
連動して家族会の活動展開をして行きたいと考えています。
現在日田市では新規コロナ感染者は日々報告されていますが、講演会や研修会も大人数での研修が5月下旬から
(200人~500人対象)実施されています。

活動報告

私たちひきこもり家族会「ゆきどけの会」は、ひきこもりについて正しく理解して頂きたいという思いと同時に、どんな状況や環境にあっても一人ひとりが社会の大切な存在であることを理解し、共に支え合える地域を目指していきたいという思いから、共生社会実現に向けて多くの取り組みをされていらっしゃいます佐伯市の精神科医・内科医の山内勇人先生に依頼をし、「20年後も暮らしていける地域であるために必要なこと~誰もが必要とされ、活躍できる地域づくり」という題で講演会を開催させて頂きました。
家族会の正式な立ち上げから、一年での単独開催ということで多くの不安を抱えてのスタートではありましたが、家族会一丸となった活動、チラシの全世帯(約2万8千)配布という日田市自治会連合会様のご協力、新聞掲載などに加え、民生委員協議会や奉仕団体・福祉施設など様々な会合の場に一件一件お邪魔して事務局と共に当事者家族の想いを綴った手紙や講師の紹介、家族会の思いなどを繰り返し伝えて参りました。
その際に初めて家族会の存在を知った方も多く、会の応援に繋がれば…と講演会の告知やチケット販売に力を貸して下さる方が多数いらっしゃいました。
開催日当日は地域の皆さんのお力添えもあり、無料招待の高校生を含む270人の来場者を迎えることが出来ましたし地元ケーブルテレビによる放送もありますので、より多くの方にご覧いただけると思います。
また中学生や車椅子の方などにもボランティアスタッフとしてお手伝いを頂き、世代や立場を超え思いのある地域住民一体となって講演会を開催できたように思います。
アンケート回収も約90%と高く「地域づくりの大切さがわかりました」や「共に誰もが暮らしやすく、活動出来る日田を作っていきましょう」などの意見や家族会への励ましの言葉、継続した講演会のお願いなど多くの市民の声が寄せられました。
今回は家族会の単独開催でありましたが、結果として地域の多くの皆さんが共催となってくれて講演会を無事に終えることが出来たと感じております。

今後の展開

今回のアンケート調査の結果から、半数に近い方が「身近にひきこもり当事者がいる」という回答をし、未だ何処とも繋がらずに悩み苦しんでいる仲間・家族がいることを改めて知ることが出来ました。家族ごと地域から孤立してしまうことのないよう家族会の存在をしっかりとアピールすると共に、「生きづらさを抱える全ての人」の心の拠り所となる会を目指していきたいと思います。
そのためにも、家族会の拠点となる場所を設けたいと思っています。誰もが気軽に立ち寄れる場所、そこでは一人で過ごしても良いし、話がしたければスタッフとおしゃべりを楽しむ、社会的な距離に苦手があったとしてもそこでは自分の心地良い距離で過ごすことができる、そんな「地域の中の我が家」のような居場所づくりが出来たら良いと考えています。アンケートではほぼ全ての方が家族会の必要性を感じていらっしゃいましたので地域の方と一緒に拠点づくりができればと思います。
また常に研修会や勉強会を開催し、家族会が学びの場となるように進めていきたいと思います。
あるご家族の方が「私の大切な子どもは、これからもここ日田で生きていきます。だからここを誰もが安心して暮らせる地域にしたいのです」と仰いました。それが家族会みんなの共通の思いであることが分かりました。その思いを胸に山内先生のご講演から得たことを生かし、ひきこもり家族会「ゆきどけの会」は支援を受けるだけの立場ではなく地域の一員としての役割を果たし、支え合って共に未来を築いていきたいと考えています。

添付資料