「地域助け合い基金」助成先報告

 つるはしにほんごきょうしつ

大阪府大阪市福島区 ウェブサイト
居場所生活支援その他

助成額

150,000円2021/12/10

助成⾦の活⽤内容

現在は、毎月第2、第4日曜日の午前11時から12時半の90分間、日本語教室を開いており、教室の貸室代は、ボランティアから徴収する会費からだけでは賄えず、代表の持ち出しで、これまで行っており、財政的サポートを必要としている。
今年度は日本語ボランティアの研修を2回(2021年度として)、親睦を深める交流企画行うことを予定している。研修としては、一つは、実際に職業として日本語教育に取り組んでいる専門家を招請した形で実施する日本語教育講座を、もう一つは、定住外国人の暮らし全般をサポートする目的に資するよう、外国人の生活状況に関する講座を、日頃外国人の生活支援活動される専門家を招請し、ボランティア向けに講座開催を予定している。親睦を深める交流企画としては、遠足や料理大会、雄弁大会などが検討されている。これら企画を実施するにあたり、必要となる謝礼・交通費等費用についても、財政的サポートが必要である。あいにく資金不足と、コロナ禍もあり、これまでまだ開催できていない。助成金の使用期間内でぜひとも実現したい。

活動報告

毎月第2、第4日曜日の午前11時から12時半の90分間、日本語教室を定期開催することができました。
以前は、代表個人の持ち出しで会場費を捻出していたが、今回助成金のおかげでその負担がなくなりました。外国人が利用するインターネット交流サイトでの広報が功を奏し、下期以降、日本語教室学習者が大幅に増加しました。

ボランティア研修では、3月に日本語教師有資格者の山田靖幸さんをお招きし、学習者向けに日本語ビジネスマナー講座(1回60分の授業)を2回行っていただきました。ボランティアの多くもこれに参加し、研修を兼ねました。
1日目は、名刺交換の方法とコミュニケーションを円滑にする手段としての「ホウレンソウ」について、2日目は電話応対の方法とあいまいな言葉について学びました。受講した学習者からは、名刺交換や電話応対について、実際に活かせることが学べたという声や、講師と生徒双方がコミュニケーションを取りながら、にぎやかに勉強することができて良かったという感想が聞かれました。山田さんから、当日使われた資料をいただき、動画で記録を残したので、ボランティアは必要な際、学習サポートに活かしております。

9月にはMinamiこども教室の実行委員長をされている原めぐみさんをお招きし、ボランティア向けにMinamiこども教室の活動について講演いただきました。つるはしにほんごきょうしつに通う学習者たちには、日本に来て間もない方、今後日本で生活されていく方、日本語の書類に難しさを抱いている方、日本語を勉強し就職の準備をしている方など、様々な課題を抱える方がいます。学習者たちのニーズ、また地域の特性に沿ったサポートの内容、活動の在り方について検討が必要であると考えさせられる機会となりました。

その他、ボランティアの有志が、RINK主催の「通訳者・相談員スキルアップ講座」やNPO法人クロスベイスとIKUNO・多文化フラット主催の「外国につながる子どもの日本語/学習サポーター養成講座」へ参加しました。

親睦を深める交流企画としては、昨年12月に忘年会、5月にバーベキュー交流会、10月にハイキングを行いました。忘年会は、日本語教室終了後、そのまま当時教室として使っていたKorean Book Caf?「ちぇっちゃり」で行い、飲食しながらささやかな親睦会を行いました。5月のバーベキューは、鶴見緑地公園のバーベキュー場を利用して行いました。18名が集まり、天気もとても良く、少し暑かったですが順調に進み、みんなで楽しくバーベキューができました。10月は生駒山へハイキングに出かけました。たくさん歩き疲れましたが、大きな達成感を得ることができました。

数年続くコロナ禍で、特に交流・親睦会の開催が心配されましたが、各種事業を大方計画通りに実施することができました。いずれも経費を必要としますが、今回助成金をいただけたことで、1年間充実した企画を催すことができました。研修や交流企画をすることで、当会だけでは出会えなかった経験豊富な方々、地域に暮らす外国ルーツの方々と接点を持つことができました。この1年で参加する人数は大幅に増えましたが、一方で定着率は上がっておらず、より学習者たちのニーズや地域の特性に合ったサポートを追求し、それに合わせ、ボランティアもより積極的な関わりと、サポート力量向上が今後の課題として残されています。

今後の展開

今後も、地域に暮らす外国人向けの日本語教室、ボランティア向け研修、参加者同士の親睦・交流会の3つを事業の柱として運営を継続していく予定です。
現状教室に集う学習者の日本語能力は、日常生活ではほぼ支障なくできるほどの力量を持つ層と、ひらがなを書くこともままならない、入門レベルの層と二極化しています。また、特に日本語能力が高い層ほど、入門レベルの層と違い、生活のためというよりも、より豊かな暮らしを求めて教室にアプローチしている傾向がみられ、学習内容について具体的な希望を持つものが少ないです。
こういった状況を踏まえ、今後は入門者に対しては日本語の学習を支えるボランティア人員の確保、教授ノウハウや、教材の蓄積等、体制の充実化を図るとともに、日本語がある程度できることを前提とした上で、共通課題に取り組む、あるいは学習者、ボランティア双方がともに充足感を得られるようなコミュニティーを目指す。例えば、日本語学習をベースとしながらも、互いの違いを確かめ合え、それを認め合えるような多文化共生教育手法を意識的に取り入れることや、一つの目標に向かって協同作業ができる空間づくりを実践していけたらと考えています。

加えて、持続可能な活動のためには、地域の特性に合わせた教育や支援、そしてそれらを自治体や、地域の他のグループとの連携に取り組む必要を感じています。地域性の研究とともに、他の地域活動をされている方やグループとの陣形づくりを実践していきたいです。幸いこの1年で、世間はウィズコロナの雰囲気が高まり、よほどのことがない限り逆行することはないと見られ、従来はあった地域のお祭りやイベントも再開されるものと思われます。そういった催しにも、団体として関わっていけたらと考えています。
こういった私たちの課題に、お力をお貸しいただける方がいらっしゃいましたら、ご一報ください。

添付資料