「地域助け合い基金」助成先報告
NPO法人 ターサ・エデュケーション
群馬県前橋市 ウェブサイト助成額
150,000円(2021/11/19)助成⾦の活⽤内容
前橋市の城南地域は市街地調整区域であり、自然豊かな地域です。地域には2つの中学校があり、令和3年5月1日時点で863人の中学生が居住しています。しかし、郊外であるがゆえに子どもたちの居場所や学び場となる場は少なく、また核家族化や共働き家庭が増加、また昨今の新型コロナウイルス感染拡大の影響から居場所がない子どもたちが増加しており、第三の居場所の必要性が高まっています。そのような現状を解決するために、前橋市城南地域に居場所機能と学ぶ環境を整備した場をつくります。居場所機能としては前橋フードバンクと連携し茶菓子を調達し、子ども同士が力を抜いて過ごすことができる環境を整備します。学び場機能としては集中して学習に取り組む事ができる机や椅子等を整備します。この場の運営には地域等のボランティアスタッフに関わっていただき、地域の繋がり形成も目指します。
実施日は原則毎月曜日15時から18時とし、利用料は無料とします。
活動報告
いただいた助成金を活用し、子どもたちが集中して学習しやすい環境と居場所整備に取り組みました。居場所型学習教室の名称は「オドリバ」とし、開校前には地域の方々へ説明に伺い、周知の協力に回りました。 またHPやSNSでも開所したことを発信しました。しかし2022年4月に開所した当初は認知が足りず、子どもの利用に繋がらない期間が1ヶ月程度ありました。そのためチラシを作成し、近隣の中学校へ出向き周知の協力をお願いしたものの、市の事業でないと協力はできないと話をされました。そこでボランティアスタッフや教育委員会と相談し、イベントの企画・実施であれば前橋市教育委員会の後援をいただくことができ、学校へのチラシ配布が可能になることを確認したことから、居場所を利用したイベントを企画し、2022年5月22日(日)「オドリバ春まつり」を実施しました。オドリバ春祭りでは水風船ブースや焼きマシュマロブース、ボードゲームブースを設置し15人の中学生が参加してくれました。イベント実施後より中学生が訪れるようになり、1日平均5人の中学生が訪れ、のべ145人の中学生が利用してくれました。学習に取り組みながらも、前橋フードバンクより調達したお菓子を食べながら放課後の居場所を楽しんで過ごしていました。集客にも苦労しましたが、地域との連携は難しいものがありました。長期化するコロナ禍において、当初考えていた地域の高齢者の方々は参加が難しい状況にありました。ただ高校生や社会人など比較的若い層の方々のご協力をいただくこともでき、運営に支障をきたすことはありませんでした。
今後の展開
城南地域においても、全国と同様に共働き世帯が増加や核家族化が進む中で、子どもが一人で過ごすことが全体として多くなってきていると感じています。さらには長期化するコロナ禍においては、学校行事や地域行事が中止または縮小されることにより、子ども同士の繋がりをつくる機会も減少しています。友人宅に遊びにいくことも抵抗感を持つ家庭も存在します。こうした状況により子ども同士の繋がりが薄れ、自宅で一人で過ごすことが多くなれば、子どもたちの社会性を育む観点からも課題であると感じています。今回チャレンジした居場所型学習室「オドリバ」は学習することを目的としながらも、子ども同士が気兼ねなく繋がり過ごすことができる居場所として課題解決につながると考えています。気軽に友人と集まることができる、あるいはここに行けば友人と会える。そんな場所は郊外地域にはほとんどありません。できる限り持続的に運営できるよう努めて参りますので、活動へのご参画および地域の子どもへの周知など、ひきつづきご協力いただければ幸いです。