「地域助け合い基金」助成先報告
椋の木会木曜チーム
長崎県佐世保市助成額
142,000円(2021/10/25)助成⾦の活⽤内容
山澄地域包括支援センターが主催する「課題抽出会議」に地域代表として出席し体の衰えの前段階に必ずオーラルフレイルがあるがそのほとんどが見過ごしたまま経過していることが分かった。地域でもこの課題に対してできることを取り組みたいと考えた。
「オーラルフレイル予防の仲間を増やそう」を地域のキャッチフレーズとし、みんなで取り組むことを目的とする。
・オーラルフレイルの簡易自己検査を取り組みの前後に実施する
・みんなで声を掛け合いながらセルフケア(ペコパンダを使った舌筋力UP訓練)に取り組む。
・口腔、栄養、社会参加、介護予防などの講座を開催し、1人1人が介護予防の啓発ができるようになる。
・取り組みの効果をみんなで体験し、オーラルフレイル予防に取り組む仲間づくりをする。
歯科医師 歯科衛生士 菅理栄養士 広域リハスタッフ 第2層SC 山澄地域包括支援センターと協力しながら毎週木曜日に継続して3か月間取り組む。
活動報告
「オーラルフレイル予防の仲間を増やそう!」
椋の木会(木曜チーム)参加者21名 平均年齢77歳
男性4名 女性17名 要支援認定5名
独居 48% 自宅周辺が斜面地 74%
(専門職)
歯科医師 2名 歯科衛生士 3名 管理栄養士 2名 言語聴覚士1名 薬剤師 1名 生活支援コーディネーター
①「オーラルフレイルの自己検査とチェックシートで気づこう!」
・オーラルディアドコキネシス (回/秒)
「パ」4.97、「タ」5.13、「カ」4.90 6回/秒以上
。租借力(5段階評価)
3.47 4以上
・舌圧(kPa)
29.03 70歳以上であれば30kPa
※結果は「口の力は自分で思っているより少し弱っている!」でした。
②「みんなが啓発できるよう勉強する!」
1月13日 みんなで要介護予防~オーラルフレイル予防の巻~/太田歯科診療所 太田 信敬 氏
1月20日 オーラルフレイルと栄養/佐世保耀光病院 管理栄養士 松尾 歩 氏
1月27日 オーラルフレイルと薬/東ファーマシー 薬剤師 篠崎 彩香 氏
2月3日 オーラルフレイルとリハビリテーション/佐世保中央病院 言語聴覚士 山口 めぐみ 氏
2月10日 口の健康 すべては口からはじまる!オーラルフレイル予防のために/長﨑県歯科衛生士会 松崎 知夏 氏
2月24日 なぜ 人は介護予防に取り組むのか/山澄地域包括支援センター センター長 園田 康訓 氏、山澄地域包括支援センター 第2層SC 松尾 謙一 氏
③「みんなで声をかけあいセルフケアに取り組む!」
・それぞれの舌圧に合わせたペコパンダを使って自主訓練を継続!
舌圧検査の結果若干口腔機能の衰えがあることが分かりました。2名の歯科医師と歯科衛生士でメンバーそれぞれのペコパンダを選んでもらい、舌圧が弱めの方には柔らかめのピンクパンダからスタートしバイオレット、グリーンパンダを配布しました。訓練を継続しクリアできたら次のステップにレベルUPすることを目標としました。
・振り返りシートを記入し成果を感じる!
毎日、1人1人が振り返りシートを熱心に記入し取り組んでいます。振り返りシートでは、「買い物を遠回りしてリハビリだと思って頑張った」とか、ボランティアに参加している話題などを記入しメンバーと共有することで日常の幸福感が増したと感想がありました。また、椋の木会で人に会うのが楽しみ、参加できてよかったとの感想や参加していない人に歯を大事にすることなどを伝えたい、気づいてほしいという意識の変化が記入されています。
④感じた効果を伝え、仲間を増やそう!
椋の木会メンバーは、フレイルの前段階には必ずオーラルフレイルの状況にあること、また要支援認定の方のうち約7割はオーラルフレイルになっていることが分かり、1人1人の問題にとどめるのではなく地域全体の問題として予防していきたいと思っています。まずは、椋の木会メンバーで毎週顔を合わせるときにお互いにオーラルフレイルに気づきあう力をつけ声をかけあい、メンバー以外の大切な身近な人にオーラルフレイル予防を伝えていきたい、まずは家族から。自分たちが地域の発信源となっていきたい。
今後の展開
今後の目標
佐世保市内で初めて歯科医師・歯科衛生士・管理栄養士・言語聴覚士・薬剤師・第2層生活支援コーディネーター、山澄地域包括支援センター職員と一緒に「オーラルフレイル予防」に取り組むことが出来、活動や自主訓練も椋の木会の中では定着することができた。今後の目標としては以下の3点があげられる。
①山祗町内で椋の木会メンバー1人1人が「あんた 口は大事かって知っとると?」「体操だけじゃダメって知っとるね?」「歯医者さんは行った方がよかよ」などを親しい人、大事な人に伝えることで自分たちの地域をよくしていく。
②今回の取り組みを第2層生活支援コーディネーターや山澄包括と一緒にまとめてモデル地区となることで地域全体の取り組みとして広げていき特別だった取り組みが当たり前の取り組みになるようにしていきたい。
③今後も会議などに参加し取り組みの効果や体験を伝えていくことで、熱心に取り組んでくれる専門職の方々が増えた地域でも連携する体制ができるようしていきたい。
最後に
地域は地域、専門職は専門職ではなく地域と医療と介護のそれぞれの分野がオーラルフレイルを見過ごさないという一つの目標に向かって取り組むことで達成感が大きく効果や取り組みが広がりやすくなりました。また。今回参加してくれた専門職の方たち1人1人がそれぞれの職域で患者さんや利用者さん達が地域ではどのように過ごしているのかを知ることができとてもいい機会となったという言葉があった。自主活動は自分たちの力だけで継続することではなく、医療と介護の専門職の方たちと力を合わせることでその効果をもっと発揮できることを感じました。