「地域助け合い基金」助成先報告

NPO法人 フリースクールみなも

大阪府大阪市北区 ウェブサイト
居場所その他

助成額

150,000円2021/08/19

助成⾦の活⽤内容

当フリースクールを利用している不登校状態にある子どもたちへの支援活動において、これまで以上に「在籍している学校」や「地域の人々との協働」を強化したい。

1.在籍校との連携
在籍校とフリースクールが連携して支援を行うことの最大のメリットは「それぞれの得意分野」や「それぞれの立場」を生かし、「それぞれの子どもの目標達成に向けて、丁寧に支援を行うことができる」ことである。その実践のため、当フリースクールでは子ども本人や保護者の了承を得て、在籍校と子どもの日々の活動の様子だけでなく、現在抱えている課題等に対する支援方針について共有、検討を行っている。更に、フリースクールが、家庭-学校間の良好な関係性に向けた調整役を担い、子ども本人や保護者、担任の先生等、それぞれの立場からの要望を聞き取り、それぞれの困り感の解消に向けての援助を行っていく。そして、このプロセスを何度も繰り返しながら、子ども本人の自己実現に向けた支援を行う。
具体例を挙げると、担任の先生と子ども本人の関係が希薄なケースの場合、学校の協力を得て、学校とフリースクールをビデオ通話で繋ぎ、担任の先生にフリースクールでの学びの成果を発表する機会を設けることができる。子ども本人にとっては、これまでの頑張りを称賛される機会となり、自信をもつきっかけの1つになる。また、場合によってはフリースクールでの学びが子ども本人の学校での成績に反映されることもあるため、高校受験を控えた子どもにとって、フリースクールと在籍校の連携は重要なものである。

2.地域での居場所づくり
当法人が運営するフリースクールの周辺地域及び子どもの居住地域の人々との連携を強化する。不登校の子どもの中には、不登校状態にあることで居住地域との関係が希薄である子どもも多く、それゆえに外出にしんどさを感じる子どもも少なくない。また、当フリースクールを利用している子どもの多くは校区外から電車を利用して通っているために、居住地域との関係が希薄である傾向がある。そのため、社会的な孤立を防ぐためにも、当フリースクールが率先して、地域ぐるみで不登校の子どもたちを支え、育ちの機会を提供していく、「子どもの地域での居場所づくり」を行う必要があると考えている。
具体例としては、地域の不登校問題に関心のある方や習い事教室の先生にワークショップの開催をお願いし、実際に子どもたちと関わっていただく。ワークショップを通じて、子どもたちは興味関心が広がる体験や学びだけでなく「家庭」と「フリースクール」以外の「安心できる居場所」が誕生する。これまでの実践例として、作業療法士による体の悩みの相談会の他、レジン工作や陶芸、ヨガ等のワークショップが挙げられる。そして、今年度の実践として、「地域のボードゲームカフェとの交流活動」を計画している。地域のボードゲームカフェにご協力いただき、定期的に子どもの課外活動先の1つとして利用させていただくことが決定している。継続してボードゲームカフェの店員の方と一緒にボードゲームを楽しんだり、会話をしたり等の関わりをもっていただくことで、地域の人々に不登校問題についての理解を深めていただく機会になるだけでなく、子どもにとっては「身近にいる安心できる大人」が増えることになり、子どもの孤独感や社会的孤立の解消の1つの手立てとなると考えている。

3.社会福祉協議会との連携
大阪市北区社会福祉協議会や生活支援コーディネーターの方々に働きかけ、地域内の不登校で困っている保護者、子どもたちにフリースクールの情報を伝える、また、不登校問題に興味関心がある方に対してボランティアコーディネートをお願いする等、不登校支援活動へのご協力をお願いする。

助成金をお願いしたい背景として、新型コロナウイルス感染症の流行以降、不登校の子どもの中には新型コロナウイルス感染症への不安から外出できない状態に陥っている子どもや、外出時出の影響で外出機会そのものが減ってしまっている子どもも少なくないことが挙げられる。同様に、当フリースクールの利用している子どもも外出が難しくなっている子どももおり、当フリースクールの収益も著しく下がっている現状がある。
そのため、助成金による支援をいただいた際には、地域の人々にご協力いただきながら、「外出のきっかけ」を設けたり、「安心して外出する」ための環境を整えたりする、子どもへの支援を行いたいと考えている。そして、その実践のために、当法人の支援コーディネーター職員を中心として在籍校や地域の人々や施設等と連携し、子どもの支援ネットワークづくりを行っていきたい。

活動報告

1.在籍校との連携
 今年度下半期より新たに地域の「学校連携担当」のスタッフを配置し、当フリースクールに在籍する児童生徒のに関して、所属校と連携しながら支援を行った。具体的には、当フリースクールでの活動や学習の様子を学校に報告して成績に反映していただく、現在抱えている課題等に対する支援方針について共有・検討を行う、フリースクールが家庭-学校間の良好な関係性に向けた調整役を担う、等を行った。こうした支援の結果、生徒1名は高等専修学校への進学を決め、中学校及びフリースクールを卒業した。また3月から学校への復帰を少しずつ行っている生徒や、2022年度も継続して学校と連携しながら支援を続ける生徒もいる。

2.地域での居場所づくり
 周辺地域の人々や施設と連携してこどもたちを支えるため、今年度は以下のような地域との連携を行った
・地域のボードゲームカフェのご理解を得て、当フリースクールから利用する場合はスタッフの利用料のみで、こどもたちは無料での利用としていただいた。
・近隣の就労移行支援施設の体験会に参加し、こどもたちの就労に向けた支援を行った
・近隣の通信制高校と当フリースクールの学習支援とを共に利用している生徒に関し、通信制高校の担当と面談し、連携してこどもたちの支援にあたった

3.社会福祉協議会との連携
大阪市北区社会福祉協議会を訪れ、改めて団体の説明および団体の登録を行い、ボランティアの募集やフリースクールの告知等でご協力をいただいた。また当フリースクールの生徒で生活に課題を抱えるこどもがおり、その生徒との面談を社会福祉協議会の「見守り支援室」の担当の方にしていただいた。

今後の展開

不登校の児童生徒は年々増加しており、また大阪府はの不登校のこどもたちも多くいる地域であり、支援を必要としているこどもたちが多くおります。
当法人は不登校で悩みを抱える児童生徒に対し、「楽しい!」という想いや体験を重ねることから不登校状態でも「安心」と「自信」を持ち、少しずつ「次のステップ」へ踏みだす支えとなることを目的に活動をしております。
2022年度も引き続き、不登校のこどもたちが楽しく、安心して交流できる居場所として活動して参ります。また地域の学校と連携して、共に不登校のこどもたちを支援して参ります。

添付資料