「地域助け合い基金」助成先報告
生活支援グループ「なでしこ」
岡山県真庭市助成額
150,000円(2021/08/24)助成⾦の活⽤内容
自分の住む地域で高齢者の「ちょっとした困りごと」をなんとかしたいという思いがそれぞれ構成メンバーの中にあった。市が開催した「生活援助者研修」の受講をきっかけに、その思いがつながり話し合いを持つことができた。
受講したメンバーは地域も異なっていたが、地域にとらわれず、久世地域(中学校区)全体を活動範囲に、高齢者だけではなく、障がいのある方や子育て中の方も対象とすることとした。
また、ケアマネジャーさんや生活支援コーディネーターさんから、ヘルパー不足の現状を聞くことで活動への思いが高まり、困りごとの把握と支援の取り組み方についても協議を重ねていった。
「お互いさま」の精神で、有償による生活支援の助け合い活動とすることで、介護保険制度の対象にならない、または不足しているニーズに柔軟に対応できることを目的としている。
活動報告
私たち生活支援グループ「なでしこ」は、令和3年7月に設立し、生活圏域の高齢者、障がい者、子育て中の方の「ちょっちした困りごと」をお手伝いするため活動を始めました。
活動を始めるに当たって、チケット作成やパンフレット作成、実績の集計等に必要なパソコンを購入させて頂きました。
ニーズの把握やサービスのマッチングには、地域包括支援センターのケアマネジャーに相談し、介護保険ではできない「生活支援」を紹介してもらいました。最初の支援は、庭にある細めの木の伐採から始まり、バルサン処理をしてほしいというニーズでした。徐々に、掃除や窓拭き、粗大ゴミの片付けなどのニーズがケアマネジャーさんや利用者の口コミで少しずつ増えていきました。
設立当初は、スタッフ4人で対応していましたが、ニーズも徐々に増えてきたので、ボランティアスタッフさんも声かけをして徐々に協力者を増やしていくことができています。
現在、ボランティアスタッフは13名、利用者登録数は22名(内高齢者20名、障がい者2名)です。
令和3年7月から令和4年3月末までの支援件数は100件となっています。
地域住民からは、感謝の言葉を頂き、スタッフは充実した支援ができています。また、リピーターや口コミで徐々に広がってきています。
支援内容については、5割以上が受診同行と買物支援のニーズで、草取りや窓拭き、粗大ゴミの運搬など非日常的な支援も多く、高齢者の方々に喜ばれています。また、障がい者の支援については、病院の相談員やデイケアの職員の方に相談しながら支援に入らせていただいており、利用者からは大変感謝されています。
今後の展開
「久世地域で暮らす人々が、ささえあい・助け合いにより安心して生活ができるように”おたがいさま”の気持ちでお手伝いします」をモットーに昨年7月からスタートした生活支援グループです。地域の高齢者がどんな困りごとがあり、ちょっとしたお手伝いで生活が支えられるのか、包括のケアマネさんや生活支援コーディネーターさんと一緒に一人一人訪問してアセスメントをしてから支援に入らせていただいています。最初に専門職からの情報が得られることや、支援するスタッフと利用者さんがアセスメントを介して信頼関係を築いてから実際の支援をさせていただくことで、気持ちよく支援させていただいています。
スタッフ一人一人、無理をしないよう、自分ができるちょっとした時間が地域の「困りごと」に役に立つことで、充実した一日になったり、利用者さんからの感謝の言葉でやりがいを感じたりしています。
今回支援を始めてわかったことは、ニーズの半数以上を占めるのが移動支援です。通院や買物などの移動手段を公共交通やタクシーだけでは安心した生活が確保されていないのが現状です。住民による住民のための自動車を活用した生活支援が、地域の中で道路運送法に抵触することなく、構築できることが今後の課題です。