「地域助け合い基金」助成先報告
NPO法人 チーム東松山
埼玉県東松山市 ウェブサイト助成額
150,000円(2021/06/15)助成⾦の活⽤内容
フードバンク東松山に食料品を求める方々向けに必要な食料品の購入(米は現在、地域の農家からお裾分けでいただく分で賄われているが、おかずになる食材が不足気味)、および食料品の宅配(ゆうパック代金)費用に使いたい。また、今年度も、フードバンクから地域のこども食堂に必要な食料品を提供してきたが、それに加えて、フードバンクの担当者(4名が社会福祉士)が必要な方々へのソーシャルワークを行い、コロナ渦がもたらした様々な問題を解決するための活動を実施したい。なお、当法人も東松山市の第二層協議体に加盟(個人参加)しているが、将来的にはモデル地区でのフードパントリー(食料品等配布)を開催することも検討している。
活動報告
フードバンク東松山は、コロナ禍による生活困窮者、陽性者や濃厚接触者として自宅療養を余儀なくされた人々に対して、必要な食料品を提供することができた。ゆうパック等による宅配18件、置き配12件、社会福祉協議会経由での手渡し5件、市役所社会福祉課経由での手渡し13件、フードバンク来場での手渡し16件、小計65件、子ども食堂への提供(3カ所延べ25名×5回=125名)、合計190件の提供となった。9月に新型コロナ陽性者が爆発的に増加した際、市内の学童保育の児童に陽性者が出たため、濃厚接触の疑いがある児童が自宅待機となったが、フードバンク東松山を一度利用したことのあった家族が知りあいの家族に紹介したことにより、個人情報を保護しながら効果的に個配することができ、買い物に行けない家族に喜ばれた。保健所へも自宅療養者の個配を申し出て、フードバンクの存在を周知してもらったお陰で、同様に買い物に出られないご家族に個配することで喜ばれた。食糧支援を通じて困りごとを抱えるご家族とも出会うことができ、社協の生活支援コーディネーターに緊急小口資金の貸付等の依頼を行ったり、住居確保給付金等の施策を伝えて行政の支援をサポートすることができた。毎月、当法人が主宰するコミュニティカフェでもフードドライブを開催し、多くの方々かお米やレトルト食品、野菜など支援物資を提供してもらうことになり、「お裾分け」の支援の輪が広がった。
今後の展開
フードバンクは食品ロス対策として当初は始まったものかと思われるが、コロナ禍による生活困窮や自宅待機等により普段の暮らしが奪われるなか、必要な食料品を適宜購入することでタイムリーに必要な方に必要な物資が提供でき、「お裾分け」「支え合い」の精神が地域に広がるきっかけとなった。今回、社協の生活支援コーディネーターと連携することにより、社協の生活困窮者支援(特例の貸付や総合福祉資金)を知らなかった方々に紹介することができ、また、生活保護のケースワーカーや生活困窮者自立支援事業の担当者と連携しながら、食料品の支援(現物支給)で苦境をしのぐための協働事業を実施することができた。第二層協議体の活動もコロナ禍で思うように進まない現状があるが、フードバンクの活動そのものへの注目や関心を高めることができ、食料品提供者が増えている。フードバンク東松山のスタッフは4名の社会福祉士が担っているが、そのうち2名が居住支援団体(居住支援法人を目指す)としてアパートのサブリースを始め、フードバンクと直結して緊急対応できる体制が整ってきた。また、食料品だけでなく、生活用品(化粧品や生理用品等)や衣類の提供も連動して小規模ながら始まっており、「暮らしバンク」のような方向性での展開も考えている。