「地域助け合い基金」助成先報告
下ノ江ささえあい隊
石川県能美市助成額
150,000円(2021/04/28)助成⾦の活⽤内容
市や全国の平均よりも高齢化率が高い下ノ江町では、家族の少人数化が進み、移動や外出に困難を抱える人が増えてきました。そうした状態に危機感を抱いたメンバーが集まり結成された下ノ江ささえあい隊は現在、①「ごみ屋敷」の解決、②車が無い人への移送支援、③健康づくりと交流促進のためのイベント企画と移送の3本柱で活動しています。ところが、希望者が増えて活動頻度が高まり、様々な情報が集まるようになるにつれ、一元的に活動や情報を管理する活動拠点の必要性を強く感じています。
そこで、公民館の使われていない1室を使わせてもらう交渉を町内会や市まなび文化課と進めているところです。コロナ禍の中、昨年公民館では内部を光触媒とプラチナ・銀イオンを組み合わせた「デルフィーノ」という噴霧式の抗菌抗ウイルス処理を施したものの、活動拠点として借り受ける予定の部屋は使われていないために除外されました。今後、この部屋を皆が安心して活動拠点として使い、また誰もが安心して訪問することができるように、抗菌抗ウイルス処理を下ノ江ささえあい隊独自で施したいのです。
活動報告
助成金が得られて近々活動拠点・事務所が整備されるという安心感もあり、本年4月、メンバーは一段と活動に熱心に取り組むことができました。①「ごみ屋敷」について、4月は新たに町内に4軒あるうちの2軒目の片付けに着手し、「ごみ屋敷」とは言えませんが一人暮らし高齢者宅の片付けも行いました。メンバーの軽トラックを使った市美化センターへの搬出は合計12回でした。②車が無い人への移送支援は、9名の高齢者等に8回(うち1回は2名同時に利用)実施しました。行先は各地の医療機関、スーパー、ドラッグストア、衣料品店、銀行、郵便局、弁護士事務所など多岐に渡りました。
③健康づくりと交流促進のためのイベント企画と移送ですが、町内の新興住宅地にある自治会と町内グラウンドゴルフクラブ有志(グラウンドゴルフ健康サークル)が、健康づくりのための簡易グラウンドゴルフ場を4月22日にオープンさせました。コロナ禍の中、外出・交流支援とフレイル予防のために利用を促したい人を下ノ江ささえあい隊がリストアップし、利用希望者を募り、会場への移送を行いました。合計12回の送迎を実施しました。
この日のオープニングイベントでは、高齢者34名の他、下ノ江ささえあい隊12名、グラウンドゴルフクラブ有志5名のほか、市内の福祉作業所・パン屋と商業協同組合加盟の衣料品店を招き、参加者にはグラウンドゴルフ体験や買い物を通じて主に屋外での交流を楽しんでもらいました。また、地元住民以外にも社会福祉協議会・あんしん相談センター・健康推進課をはじめとする市の複数の部署、4社のマスコミ等も加わり、久しぶりのちょっとした賑わいが生まれました。参加者の笑顔が絶えず「もっとやりたかった」という事後の声もありました。なお、町内会長を通じて臨席を依頼した市長には始球式をお願いしました。
今後の展開
地域で見えてきた課題に対して「放っておけない」という人たちが集まって設立した団体ですが、「地域を良くしたい」「困っている人を支援したい」という共通の思いで一緒に活動するうちに、メンバーの仲間意識が一段と強くなってきました。これまで交流の機会が無かったメンバー同士も年齢の違いを超えて仲良くなってきました。あたたかい支え合いの関係はメンバー相互にも生まれてきています。
今は3つの領域で活動をしていますが、今後は新たに顕在化するかも知れない地域課題に対して柔軟に対応したり、必要に応じて他の団体と連携したりすることも必要になってくるかも知れません。自分たちも楽しみながら無理せずできることを続けていきたいと思います。
ただ、60歳代から70歳代で構成された今のメンバーを中心にあと10年は続けられるでしょうが、その後も地域の支え合いが持続するように、今後は一つ下の世代にもこの活動を常に見える状態にし、将来の支え合い活動の主体になってもらえるよう、モデルを示し続けていくことが重要になってくるかと思います。