「地域助け合い基金」助成先報告
奥武蔵ピースラボ
埼玉県日高市 ウェブサイト助成額
150,000円(2021/04/12)助成⾦の活⽤内容
これまで大きな会場を借り地域の人たちに足を運んでもらっていたが、コロナ禍の影響を受けこれまで足を運んでくれた人たちが会場に足を運ぶことが困難になってしまったため、私たちとしては、運営の方法を新たに考えざるを得なくなった。これまで大きな会場を借りて行っていた講演会、展示会、ミニコンサート、映画上映、紙芝居などを動画や静止画でズームなどのリモート配信やyoutubeなどの動画配信を利用していく他に、ホームページなどにより、ホームページやインスタグラム、FacebookなどSNSを利用して、情報発信していくなどの方法に切り替える必要性が生じた。それに伴い、新たに機材や消耗品、インフラの整理等の費用が必要となった。このような状況を鑑み、下記のような方法を取らざるを得なくなった。
・講演会のリモート配信
・上記講演会の録画の動画配信
・ミニコンサート、紙芝居などの録画配信
・展示会の作品を静止画に撮ることによるスライドショーの配信
・講演者並びに講演者が運営する施設などの、インタビューや取材などの動画作成と配信
活動報告
・今年7年目になる日高市民による平和祭「ピースフェスティバル」を開催した。
・コロナを鑑み、初めてオンラインで参加できるように、Wi-Fiをレンタルし、事前に何度もリハーサルを行い本番に備えたため、無事にハイブリットで開催できた。
・生活支援コーディネータによる提案で、戦争体験をされた方の取材を行い、動画に編集しYouTubeと奥武蔵ピースラボのホームページに公開した。
https://www.youtube.com/watch?v=LVzzgdc-Koo
・生活支援コーディネータや民生委員の方が仲介に入ってくださったおかげで、戦争体験者の方々には、取材を快く受けてくださり、これまでの遺族会や関係者らの手紙や写真など、たくさんの資料の提供を受けることができた。
・戦争体験されたご本人たちは、これが最後になるからと、体験されたことをとても喜んで語ってくれた。
・戦争を体験したことは、戦争が終わっても記憶にずっと残っている。人の人生にとても大きな影響を及ぼしていることが伝わってきた。記憶には、その時に感じた「気持ち」が心の奥に残っていて、80年近く経ってもまだ当時の複雑な思いは消えることはないという貴重なお話を記録することができた。
・戦争の記録は事柄などが多いが、今回の取材を通して、そこに人がいて、そこからの人生がずっと続いていることを教えて頂く取材となった。また、ご本人方も、取材を受けることに喜びを感じておられ、この体験を後世に残すことを快諾してくれた。
・ピースフェスティバルの会場作りには、日高市在住の方にバルーンアートでカラフルに装飾をして頂き、また社会福祉法人日和田会 障害サービス事業所 かわせみ(B型就労支援施設)利用者の方々にご協力いただき、展示用パネルにたくさんの「平和の絵」などを描いていただき、とても明るく柔らかい雰囲気を作ることができた。
・バルーンアートは参加者のお土産とし、大変喜ばれた。
・平和についての講演会を開き、会場とオンラインで開催した。
・平和の紙芝居を行った。
・近隣地域の環境問題を絵本にした「くうのなみだ」を紙芝居に製作し、上演した。
・戦争体験記が大変好評で、話す側にとっては、これまでは身内にしか話せなかったことを、記録として残すことができた。苦しかった体験も後世に伝えることで、価値あるものとなり喜ばれた。
・絵本製作者、関係者とのつながりができ、紙芝居の上演に参加してくれた。紙芝居制作についても、とても喜ばれた。この絵本にある環境問題について、多くに人に考えてもらうきっかけになった。
・ピースフェスティバルで戦争体験を語る講演をした。戦争体験者だけではなく、親や家族の戦争体験の話を聞いている人が参加者の中にもおられた。皆、この戦争の体験を誰かに伝えたい思いがあることがわかった。今後も戦争体験記を取材する必要性を知ることができた。
今後の展開
生活支援コーディネーターから民生委員を通じ、日高市内に住まわれる戦争体験者の取材を行い「戦争体験記」としてYouTubeやH Pに載せることができ、貴重な体験談の記録を残すことができた。戦争の体験談には、どのようなことがあったかという事柄だけではなく、辛い記憶であるため、心に寄り添いながらその時の気持ちなど可能な限り話していただくように努めた。遠い記憶であり、忘れてしまったこともあるが、何十年経っても忘れることなどできない「気持ち」があった。そのことなどが他にはない「貴重な資料」として評価を受け、さらに取材を進めることとなった。日高市内だけではなく、近隣地区での取材ができるように市役所などへ働きかけている。遺族会、博物館の協力を得られ、資料の保存などは博物館で行う話が進んでいる。
戦争体験について、親や家族から聞いている方々から、戦争体験を伝えたいという方々がピースフェスティバルでおられた。こちらから闇雲に戦争の体験談を聞かせてくださいとは、言えるものではなく、社協や市役所などの協力を得ながら、取材を続けていきたい。また取材したデータについては、当事者の方々の許可を頂き、博物館などへ寄贈するなどを考えている。さらに、子どもたちへ向けて、わかりやすいものを作り、教育に役立てることを目的としている。