「地域助け合い基金」助成先報告

 共に生き命を守るネットワーク(TLネットワーク)

宮崎県宮崎市
居場所見守り生活支援移動支援その他

助成額

150,000円2021/03/24

最終助成額

84,667円2022/08/22
(一部返金:65,333円)

助成⾦の活⽤内容

当団体は、平常時の暮らしのみならず災害時などの非常時も踏まえ、問題課題を抽出、具体的に整理し、その現状と対策の確認を行い、分野やエリアでくくらずに繋がり、お互いを支え合える「地域共生社会」実現に寄与する目的で設立した。
地域共生社会を実現するためには、当事者や関係者だけで繋がるのではなく、積極的に他の分野との繋がりや互いに理解を深める事が必要であり、平常時から横で繋がったネットワークの構築が期待できる。
今後は、これまで以上に、お互いを知り理解し支え合える平常時の関係性がコロナ禍や非常時に必要とされると考えている。地域共生社会についてより多くの方々が理解し考えていく機会となるような研修会や勉強会を企画実施し、当事者や関係者だけの活動に留まらず、みんなが自分事として考え行動できる社会を築いていけるようなネットワークを広げていきたい。

活動報告

地域包括ケアシステムについて 講師:SC 中瀬美樹氏
中瀬氏が準備してくれた手作りの紙芝居風の地域包括ケアシステムの説明は、大きな文字や絵で表記され、内容も分かりやすかった。地域共生社会実現のためには、平常時からの地域との関りが大切であることも分かった。地域推進委員であるSCは、地域に住む全ての人が対象だが、成り立ちから高齢者への支援が主になっている印象だった。そこで、障害者や高齢者に特化しないコミュニティの具体的な事例を挙げ、地域交流の場のコーディネートを提案した。中瀬氏に持ち帰り協議して頂いたが、今年度のコロナによる緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置など、具体的な活動が出来ない状況が続き、次年度以降もSCと継続した関りを持ちながら、今出来る事から進めていこうと考えている。

共生社会を目指す視点から、様々な課題について勉強会を行った。その中で、共生社会啓発の入口として幅広く関心のある、不登校の子ども達が社会から置き去りにされつつあるのではないか、また、その家族も周囲の理解を得るのに苦労しているのではないかという点に着目することとした。その子どもたちが大人になり、社会への不安を抱えたままでストレスを発散できず、問題になっているのではないかと考え、関係者等意見交換会を行った。「不登校になる子ども達 それぞれ理由があるのです」学校は何のために行くの?自分の為?将来の為?行かなきゃ良い大人になれないの?家族だけの問題なの?自分らしく生きるにはとの内容で1月30日にトークセッションを計画していたが、コロナウイルス感染症拡大の為、延期し、7月3日に開催した。TLネットワークのメンバーと、不登校児者保護者の会を開催されているNPO法人たわわハートねっと代表、地域で子どもたちに寄り添う活動を展開されている青木氏を交え、この問題に対してトークセッションを展開した。不登校当事者、不登校生徒家族等、様々な視点から意見が交わされた。参加者からは、「今まで不登校の子にどう声を掛ければ良いのか分からなかったが、今回参加したことによって見方が変わり、今後は子どもに寄り添った声掛けをしていきたい。」や、「自分も昔、当事者だった。その経験と、今日の勉強を活かして今後も子ども達に寄り添った活動をしていきたい」等の声が聞かれた。今後も、地域で活動されているNPO法人や当事者団体などとも連携を図り、様々な課題に取り組んでいきたい。

今後の展開

全ての人が相互に支え合う地域共生社会実現のためには、お互いを知り理解し合える平常時からの関係性が重要であることを、活動を通し改めて確信しました。
コロナ禍に於ける孤立化とコミュニケーション不足による様々な問題は、自殺や引きこもりや不登校など、年代に関係なく目に見えて影響が拡大している現状もあります。
SCとの連携した具体的な活動は、コロナ感染拡大により実現できませんでしたが、SCから得た学びや情報を基に、行政や教育や他団体等に対して、情報発信や共有等にも役立てることが出来ました。
当団体では、未来を担う子ども達の問題の一つ「不登校」に注目し、当事者や保護者や支援者等との懇談や勉強会を実施しました。
当初計画していた令和4年1月のトークセッションは延期となりましたが、Facebookやチラシ等での告知に、宮崎県内のみならず県外や海外からの関係者やその他の方々からの問い合わせ等もあり、当団体がテーマとした内容に関心の高さを感じました。
改めて1月のトークセッションを同年7月に実施する際、宮崎市内の公立小・中学校にも文書案内を送付したところ、現場の先生方にも広く周知・関心を持っていただくことができ、様々な立場や観点からの意見交換ができ、事業の成果を感じました。
他団体や関係者との繋がりも出来たため、今後、コロナ禍でも啓発できる方法を検討しながら継続した活動を実施予定です。
コロナ感染状況や社会活動の考え方やルールに基づいて、今年秋頃に、「障がい有る無し関係なく 誰もが参加できるデイキャンプ」の内容で企画検討しています。
全ての人が自分事として考え行動できる社会を築いていけるようなネットワーク構築に向け、様々な立場の人を巻き込みながら、今後も様々な課題に取り組んでいきたいと思っています。

添付資料