「地域助け合い基金」助成先報告
一般社団法人 FROM PROJECT
秋田県秋田市 ウェブサイト助成額
146,000円(2021/03/29)助成⾦の活⽤内容
東京都初となる、新たな事業として活動するふろぷろ多摩は、企画するだけという域を脱し、行動する中で試行錯誤を繰り返すProject Based Learning (課題解決型学習) を基盤としたワークショップを通し、超実践的な学びの機会を提供します。高校生のやりたいことと地域課題を掛け合わせたプロジェクト企画から始まり、実施運営、振り返りまでをサポートします。プロジェクトの拡大時期には、特に複数の地域で活躍する起業家や活動家を積極的に巻き込み、憧れとなる地元の大人との出会いも生まれます。3月27日(土)から始まる予定であるふろぷろ多摩の高校生の参加は15名程度を想定しており、体験講座を1回、ワークショップを9回、5/15(土)に中間報告会、6/26(土)に最終報告会を行う予定です。また各報告会では、例年にのっとり50~100名の地元の方の参加が見込まれ、様々な人が地域を跨いで交流する機会を生み出します。
ふろぷろ多摩第1期のテーマは、「けど、でも、だけど、踏み出したい。」です。新しいことに挑戦してみたいが、何をすればいいのかわからない、または実際に踏み出す勇気がない高校生たちに対し、「思いを行動に変える力」や「他者と協働する力」を育むことを目指します。3ヶ月のワークショップを通して高校生たち自己実現へ向けて踏み出す機会と経験を提供し、社会的自立を促進します。
活動報告
今回のふろぷろ多摩では、コロナの影響もあり、当初の予定より少ない10人の大学生が中心となり、3人の高校生に実践型のワークショップを行った。ふろぷろに参加する高校生は、自分の興味と身の回りにある課題から「プロジェクト」を創り、実際に行動を起こす。10回のワークショップと2回の報告会で構成される約4カ月間のプログラムで、アイデア発案に始まり、企画練り、検証、実施、発表、振り返りという一連の「自らの手で実行する」流れを大学生のサポートを受けながら体験した。
このような活動を通し、高校生が成長したり、新たな自分を発見することのできる時間を提供することができた。参加高校生からは、「4ヶ月間を通じて、自分の意見を伝えることや、想いをすぐに実行に移すことができるようになった」「今までは講演会などでも自分で手を挙げたことがなかったが、プロジェクトの中で相手の話を疑問を持って聞いたり、たくさん質問したりすることができた」などの声が上がった。
今回参加高校生から生まれたプロジェクトは2種類ある。一つ目は、「わくわくの輪」プロジェクト:さまざまな人のワクワクした瞬間やワクワクしていることを、アプリやインターネットでの発信を通じてさらに多くの人にワクワクしてもらうプロジェクト。二つ目は、「ココナッツプロジェクト」:発展途上国(フィリピン)の同年代の女性にメイク道具と手紙を届け、自己表現や自信につなげるプロジェクトである。
コロナ禍下ということもあり、主な活動場所がオンライン上となり、どちらのプロジェクトも多摩地域に限らず国内外の多様な方々を巻き込んで進める形となったが、プロジェクトを実施するまでの企画、検証、修正の際、多摩地域の方にワクワクした瞬間に関するアンケートに答えていただいたり、難民や貧困世帯への支援をしている複数の団体に電話でお話を伺ったり、また、中間・最終報告会でも、多摩地域でご活躍されている方々をゲストとしてお招きし、高校生のプロジェクトへのアドバイスをいただくなど、プロジェクトを実施する過程において、高校生と多摩地域の方々との、世代を超えた交流や学び合いの機会を生み出すことができた。
今後の展開
この度助成していただいたふろぷろ多摩第一期は、対象地域が"多摩"と広く、参加高校生の募集や、弊団体が重要視している地域密着性を確保することが困難であったため、今後ふろぷろ多摩第二期を行うか否かについては検討中です。とはいえ、第一期を通じ、多摩地域のさまざまな方々との繋がりを得ることができ、ふろぷろ多摩の運営に携わった大学生・社会人全員が、多摩地域の人のあたたかさやコミュニティの強さを感じることができたことは、私たちにとって大きな財産となりました。そのため、現在はこれらの発見や出会いを生かすべく、多摩地区の中でも特定地域に絞った形での開催など、多摩地域とのつながりを維持することのできる新たな体制を検討しています。
弊団体は、東京都の多摩地域だけではなく、秋田県(秋田市・湯沢市・横手市)、和歌山県(和歌山市)、三重県(津市)など、様々な地域で活動を展開しています。それぞれの地域で、地域の方々との交流を通して地域課題の解決に取り組みながら、多種多様な人々が集まり高校生とともに学びあう場(半学半教)を創造し続け、地域内交流に留まらず、地域間交流も促進していければと考えています。