「地域助け合い基金」助成先報告
くしろ高齢者劇団
北海道釧路市助成額
150,000円(2021/02/10)助成⾦の活⽤内容
社会全体、心の繋がりが希薄になって来ていると感じております。その心の繋がりの希薄さが、親と子の関係においても少なからず影響を及ぼしている様に思います。俗に「親を捨てる」と言う言葉を見聞きする事がありますが、血を分けた親子「親の面倒を見る必要があるの…」、「意見が合わない…」、「親には何もしてもらっていない…」、「生んで欲しいなんて頼んでいない…」と、実の親を見捨てる事があるとすれば、それは人としての尊厳をあまりにも軽く扱う事になるのではないかと思います。コロナ禍の中「引きこもり現象」が要因になっているのかも知れませんが、「令和の姥捨て山」が起きる事だけは止めなければなりません。私共「くしろ高齢者劇団」は、芝居を通して、年老いた親と子が正面からしっかり見つめ合い、わだかまりや偏見を払拭し、真摯に話し合う中で「お互いを理解し、認め合う事」の大切さを訴えながら、そのためのヒントを提案し、地域の皆さんと一緒に考えて行きたいと思います。このことは地域としても関心を持ち、地域の風土としていく育む事の必要性を強く感じております。折角与えられた「長寿」です。長生きを謳歌しながら生活できる地域を創り上げていく。その為の小さな一歩を、今回、私共の「芝居」の公演からスタートしたいと思います。
活動報告
●活動11年目を迎えた令和3年度は、地域の皆さんからのリクエストが多かった《年老いた親への寄り添い方とかかわり方》をテーマに作品を作り上げました。(50分程度の短篇作品=高齢者の方々の集中力を勘案して短めに作成。更に分かりやすい内容…講演を聴いたり、関係する本を読むことよりもテーマに対する理解度、納得度が高くなる「芝居」の特性を十分に生かせるようにしました。
・シナリオの作成には、令和元年頃から、釧路市東部北地域包括センターの皆様(特に「生活支援コーディネーター」の曹路地さん)から色々な情報を提供いただきました。釧路市社会福祉協議会からのアドバイスや私(事務局長=佐藤)の体験談、団員のみんなからも貴重な体験談が寄せられました。それらを素材としてストーリーを組み立てて、ともすると暗くそして重苦しい内容になりがちな今回のテーマを、<笑いと涙>を織り交ぜながら深刻な内容にはならない様、注意をしながら作品を作りました。
※この様な姿勢で作りあげました作品「♯ポッ ポッ ぽ ハート ポッ ぽ」は、皆さんのアンケートにもある様に、多くの皆さんからの共感と理解を得ることが出来ました。
今回、芝居「♯ポッ ポッ ぽ ハート ポッ ぽ」が思いのほか好評だった事、作者としてこの上ない喜びです。今後の活動の大きな弾みになると思います。
<寄せられたアンケートから>
・楽しく観ながら考えさせられました。・来て良かった。大変感動しました。これからもガンバッテください。・親を思う気持ちや家族への感謝を忘れないようにします。次回も見に来ます。・このお芝居を、多くの若い方や中年層の方にも見ていただきたいと思いました。・祖父に対する言葉や態度を改めようと思いました。介護士を目指す私には大きなヒントになりました。
●今回、初めて<ボランティア・スタッフ>を新聞で募集しましたところ、男性1名、女性4名の方に参加いただく事が出来ました。(今後の公演等でも「協力させてください」と言っていただけました)。
アンケートの中にも「何かお手伝いができたら…」と申し出て下さった方も一人おられましたので、私共の活動の輪が、今回の公演を機にひとまわり大きくなった様に感じて喜んでおります。
●コロナの影響で外出のチャンスが少なくなっていた地域の皆さんが、今回「芝居を見る」と言うひとつの目的で久方ぶりに外出を楽しみ、《地域の繋がり》を感じていただけた…と思っております。
今後の展開
●単なるエンターテイメントとしての「芝居」ではなく、地域の高齢者の皆さんが抱えている課題や問題を解決するためのヒントや具体策を「芝居」を通して多くの皆さんに見ていただき、役に立っていきたいと思っています。その波及効果として高齢者パワーが、《地域の活性化》に貢献できる様にしていきたいと思っています。
●団員の平均年齢は70歳。まだ10年は、現メンバーが活動できるでしょうから2031年には、まず{20周年記念作品}を上演。順次、若いお仲間を劇団にお誘いしながら次へステップし、一歩前進したいと考えております。(私の後継者の育成を急がなければなりません)
●私達が取り上げたいテーマは、まだまだたくさんあります。
※ファンの皆さんから、「アンケート」で提案いただいているテーマ ※釧路市社会福祉協議会から提案いただいているテーマ ※釧路市東部北地域包括支援センターから提案いただいているテーマ…無尽蔵。
●「入場料無料」の公演…劇団創設以来11年間(11作品・64舞台・延べ観客数6,764名)の公演全てを無料で行ってきました。これからも全公演、高齢者の皆さんのために「入場料無料」で公演できるよう、いろいろな財団法人に『助成金』のお願いをしていきます。
●コロナが終息した際には、コロナがまん延する以前の公演システムに戻し、『本公演』1回…午前・午後2回の公演、観客延べ400名。『出前公演』…年5~6回実施。延べ400名の方に見ていただける様にしたいです。