「地域助け合い基金」助成先報告

 長崎ホームレスを支援する会

長崎県長崎市 ウェブサイト
見守り生活支援配食・会食その他

助成額

150,000円2020/12/07

助成⾦の活⽤内容

毎週1回(木曜日の夜)に実施している「お弁当配り」の活動の際、活動者へのフェイスシールドの配布。また、相談対象者へのマスクの配布。(ひとり2枚ずつお弁当時配布)。活動の際の消毒薬の設置。体温計(非接触型)の購入。年末居宅訪問活動(年越し用の食品・生活雑貨の配布)。
※ホームレス(ホカロン、飲み物、お弁当、肌着他)、居宅者(餅、ラーメン、洗剤、ホカロン、飲み物、食べ物他)、被支援者との交流会(食事会)
※交流会が出来ない場合は、団体紹介のパンフレットを作成

活動報告

①2020年末には、恒例の「年末居宅訪問活動」を行った。この活動は以前、当会がお世話をした居宅の方々を訪問し、年越し用の物品をお届けすると同時に、近況を伺う活動である。ただし、2020年は新型コロナウイルスの影響で、一部の方を除き、例年のような「訪問」ではなく、宅配便を利用してお届けすることとなった。
そのため、直接近況を伺えなかったのは残念ではあるが、お届け後に一部の方から久しぶりに連絡があり、話を伺うことができた。
また、普段なかなか会の活動に来られない会員の中に、この居宅訪問には参加するというメンバーが複数おり、会員同士の交流・情報交換の場としても有益であった。

②2021年1月ごろには、コロナウイルスの影響で公園での路上生活を余儀なくされている方への支援を行った。厳寒の中、衣類も十分にお持ちでない状況で、衣類、防寒具、食料などを連日メンバーが交代でお届けした。いつまでも路上での暮らしを続けられない状況で、市役所福祉課に相談の上、生活保護受給と救護施設への入所が決定したが、入所までに1週間程度の時間を要する状況で、緊急的にホテル・民宿に泊まっていただいた。また、入所前の準備として、PCR検査、健康診断(無料低額診療)を受けていただいた。
各会員の尽力、福祉課、医療機関の協力の甲斐あり、何とか救護施設へ入所でき、結果的に一人の生命を救うことができ、支援終了後は皆肩をなで下ろしていた。
一人の路上の方をここまで多くの会員が同時に動き、施設入所へと繋げたケースは会史上、稀にみることであり、会の活動上のモデルケースとして、今後の支援活動に大いに役立つと思われる。

③2021年5月~11月には「生活支援ガイドブック」の改訂作業を行った。このガイドブックは、当会が以前(2011年3月)に発行した「生活支援ガイドブック 初版」について、掲載の情報が現在では変わってしまっているものが多くあるため、内容を見直し「改訂版」を作成するものである。
会の中で「ガイドブック編集委員会」を組織し、何度も会議を重ね、内容を練った。古い情報が多いため、掲載されている機関等への確認作業を行った。どのようにすれば、ガイドブックを手に取った困窮者の方へ、簡潔に的確に情報を伝えられるかという視点で編集を行った。編集委員以外の会員の意見も取り入れながら編集を行った。
最終的に掲載内容が決定した後、表紙等のデザインに関しては、プロのデザイナーの方に依頼し、デザインしていただいた。
実際に活用するのはこれからであるが、このガイドブックを手に取っていただければ、困窮した時にどこへ相談すれば良いか、どのような制度があるかを簡潔に理解していただくことができる。
配布・設置する場所としては、各種行政機関、病院、商業施設などを想定している。ガイドブックを置くことで、困窮されている方のみならず、そうでない市民の方にも当会の存在、活動について知っていただくことができるものと確信している。

今後の展開

会の活動をする中で、会員が一番良く聞かれることが、「長崎にホームレスっているのですか?」という質問である。確かに、日頃街の中で生活、移動される多くの市民の目には届いていないであろうし、以前より数は減少しているものの、現実に、現在でもホームレス(住居を持たない方、正確に表現すると「ハウスレス」)の方は少数ではあるが長崎の市街地に存在する。

ホームレスとなった経緯は人によって異なるものの、その中には行政による支援(公助)を受けることを拒まれる方も存在する。話を伺う限り、その根底には、以前行政から受けた対応に対する不信感があるようである。

我々民間団体は、「公助」の届かない部分への支援をすることが役割であると思っている。困窮した時、順序としてはまずは「公助」が第一であり、それを補完するのが「共助」、そして最後に「自助」でできるようになると思っている。そのため、我々民間団体は困窮者を直接支援するだけでなく、「公助」を行っている行政機関への働きかけも重要な役割だと認識している。

しかし、残念ながら、当会のような極めて小規模な任意団体に所属する会員は専門知識にも乏しく、組織力もないため、なかなかそのような働きかけをするまでには至っていない。

今後は、新規活動メンバー、協力者・団体(専門知識のある方々)の獲得、各会員の知識のレベルアップが課題である。

添付資料