「地域助け合い基金」助成先報告
あげおハートフルプロジェクト
埼玉県上尾市 ウェブサイト助成額
150,000円(2020/11/18)助成⾦の活⽤内容
コロナ感染者への誹謗中傷や差別をなくそうという趣旨を伝え、賛同してくれる市民を増やしながら、誹謗中傷や差別がなくなる優しいまちになるよう気持ちを共有していきたいと思っています。また、コロナ禍で活動を自粛していたサロンや施設等でもリボン作りをしていただくことで、自宅や少人数でも取り組め、手先や脳の活性化にも繋がると考えています。さらにリボンをプレゼントしあうことで人と人を繋ぐツールにもなり、リボンの3つの輪の意味(地域、家庭、職場または学校)の大切さを伝え、「ただいま」「おかえり」が言いあえ、誰もが暮らしやすい優しい町づくりのきっかけになればと考えています。
このプロジェクトは、当団体だけの活動ではなく、行政・社協・企業・店舗・地域の他団体などと大いに連携をしていくことで繋がるきっかけ作りとなり、コロナ禍だけに限らず、近隣や大切な人との繋がりの構築や支え合いの関係づくりなどが期待でき、誰もが安心して暮らせる地域作りをねらいとしています。
活動報告
【シトラスリボンプロジェクトINさいたま】として活動をスタートし、1年半が経ちました。
県内市町村の、人権課、まちづくり課、教育委員会、市民活動センター、企業、施設、店舗、大学、PTA、市民活動団体などの協力を得ながら、SNSを中心に個人や施設の賛同者を募り、それぞれが展開していくしくみを作り、啓発活動やつながりづくり、ワークショップ等を開催しました。
ちいき新聞や市民活動センターの情報誌などにも掲載され、新聞を見たという高齢者ひとり暮らしの女性からは、「普段地域に知り合いもいないしコロナで出かける事も無くなった。家でできることで協力できて嬉しい。」との声もいただき、お預かりしたリボンをお近くの小学校におつなぎすることができました。
シニアの男性の方の参加もあり、「不器用だからリボンは結べないけど袋詰めはできる。」「知り合いの施設に紹介するよ」と、それぞれができることで協力し合い活動を展開するこができました。その後施設での取り組みに繋がったケースもありました。
市内の6年生男児は、学校での取り組みや母親の活動に影響され、ひとりで200個のリボンを作成。早速教頭先生にご相談し、1年生への寄付へと繋ぐことができました。
PTA連合会として取り組んでいただけた小中学校もあり、講師を引き受け、児童生徒が結んだリボンを行政職員や医療機関に寄付する活動は、現在も継続中です。
オンライン授業ばかりで学生がつながりを持つ機会がないという地元大学のボランティアセンターとも連携し、対面式のワークショップを開催することで、大学生の「活動の場」と「仲間と繋がるきっかけの場づくり」の実現にもなりました。学内では引き続き製作会を実施しています。
今回の「INさいたま」の活動から派生し、東京都荒川区の施設職員やこども食堂団体を中心に「INあらかわ」が、千葉県房総半島では「from安房」が立ち上がるなど、県を超えた広がりにもつながりました。
今後の展開
県内各地でシトラスリボンの取り組みを広げることができ、シトラスリボンプロジェクトの主旨や差別防止についてホームページに掲載している市町村も増えました。地元の上尾市では、人権男女共同参画課のご協力のもと、市役所ロビーや各公民館・図書館などに設置していただいたリボンが大好評で、関心を持って持ち帰っていいただいています。集団接種会場への設置や医療関係者への寄贈、自宅療養者の方への食料応援セットの中に入れていただくなど、今では「差別や誹謗中傷防止のためのリボン」から「感謝やエールの意味を込めたリボン」としても浸透してきています。
実際に感染してしまいつらい思いをされた方、その声を誰にも言えなかったという方、県外ナンバーの車というだけで張り紙をされてしまったという方など、実際の声を今でも耳にします。最近は「ワクチン未接種者」への差別偏見の声も聞こえてきます。
「コロナによる差別や誹謗中傷をなくそう」という「心の目標」というのは、目に見えにくく形にしにくい物ですが、感染者数の減少=終わりではないと感じます。コロナ禍だけに限らず、近隣や大切な人とのつながりの構築や支え合いの関係性づくりに発展していけるよう、今後も引き続き、「心に響くような啓発活動」を模索し継続して行こうと思います。