「地域助け合い基金」助成先報告
NPO法人 凸凹ライフデザイン
熊本県熊本市西区 ウェブサイト助成額
100,000円(2020/11/16)助成⾦の活⽤内容
コロナ禍によって、当団体がサポートしている発達障害当事者会・自助会に参加していたメンバーの中に、感染の不安、公共交通利用の不安、家族の事情の変化、経済的に厳しくなった等の理由で会への参加が難しい方々がいる。
会に参加したいが難しい、参加できなくなったことで毎月のリズムが崩れ不調を感じているという方々も、会のミーティングに参加できるよう、会場と各自宅をオンラインでつなぎ、多様な参加のスタイルを保障したい。また、参加者が減少し存続できなくなった会もあわせてオンラインでつなぎ、地域の会への参加ができなくなった方々の機会を守る活動を行う。
各会には発達障害当事者、保護者や友人の他、学生等が各県内外から毎回10~20名ほど参加していたが、コロナ禍で参加者は半分程に減少している。特に対人支援職の方や家族に高齢者、子どもや持病のある方がいる方々から、参加したいができないとの声がある。発達障害者を中心とする地域の方々の情報交換、居場所、悩みの軽減などの場への参加を新しい形で保障したい。
会で話されるテーマは個人情報を保護する形で専門職団体や行政の研修に生かしており、また会参加者から研修講師が育っている。地域への還元活動の保障にも、コロナ禍の現在、各会のオンライン化が必要と考えている。
活動報告
当団体は、福岡、熊本、宮崎で発達障害当事者会(自助会)を開催している既存のグループと協力し、発達障害当事者会の会場と、主にコロナ禍で当事者会の会場に来ることが難しいが参加の希望がある発達障害当事者や発達障害に関心のある方々をオンラインでつなぐことによって、新型コロナウイルス等の感染症が懸念される状況であっても、多くの人が当事者会に参加するための取り組みを行った。
助成を受け、これまで保有していなかったパソコンやウェブカメラ等を購入でき、この取り組みを進めることができた。また、オンライン参加の取り組みを周知するためにパンフレットも作成した。
2020年12月の1か月間の事業だったが、残念ながら新型コロナウイルス感染症の「第3波」の時期と重なったために、予定していた当事者会が開催できなかったこともあり、当初より取り組みを縮小・延期せざるを得なかった部分もある。
しかし、本事業においては以下のような成果を得られ、また今後も継続して取り組む予定である。
・当事者会への多様な参加スタイルの保障
オンラインでの参加を可能にしたことで、感染症のリスクやその他(休日に時間通り起き支度をして出かけること・電車の乗継ぎ・会以外で他人と会うことに対するストレス・交通費・運転の不安など)会場に足を運ぶことにハードルを感じていた方々に、会場に出向かなくても当事者会への参加を可能にしたことで、主に福岡・熊本・宮崎県に住む発達障害当事者や発達障害に関心のある方々に対しての、当事者会への参加機会の保障につながった。
・当事者会の取り組みや意義の周知
オンライン参加の取り組みに合わせて周知のためのパンフレットを各グループと協力して作成した。各グループの担当者とは、オンラインで話し合いを行い微修正もできた。パンフレットを作成したことで、発達障害当事者間のオンラインでの話し合いのノウハウが各団体に蓄積されたことも、今後の活動にも生かすことができる成果となった。パンフレットは自立支援協議会、関係団体等を通じて配布中。
今後の展開
当団体では、九州ではまだ数の少ない発達障害当事者会・自助会と連携して、発達障害当事者による主体的な活動を行っています。
当事者会・自助会には、発達障害当事者以外の方もご参加いただける会(時間帯)もありますので、ぜひ気軽なお気持ちで参加していただきたいです。これまでに、「自分の子ども(当事者)には直接聞けないことを、他の当事者が子どもの気持ちを想像して話してくれたり、自身のこれまでの体験を話してくれたりして参考になった」、「みんな、悩みを言葉にできていてすごいと思ったが、それは長い年月悩んだために出てくるものなのだろうと思った」等のご感想をいただいています。
コロナ禍によって、当事者会も中止せざるを得なくなった面もありますが、本事業により新たにオンライン参加という選択肢もできました。参加しやすい方法、スタイルを選んで、多くの方にご参加いただき、発達障害への理解を深めていただきたいと思います。