活動の軌跡さわやか福祉財団の挑戦
創立以来一貫して、子どもから高齢者まですべての人が、それぞれの尊厳を尊重しながら、いきがいをもって、ふれあい、助け合い、共生する地域社会づくりに全力で取り組んでいます。
これまでの活動のほんの一端のご紹介です。様々な事業を多角的に進めながら、「新しいふれあい社会づくり」の実現を目指しています。
共生活動創出期:1991~2000
共生型の地域助け合い活動の推進と
介護の社会化
年 |
さわやか福祉財団の主な取り組み |
社会への成果・関連する社会の動き |
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1991年(平成3年) | さわやか福祉推進センターとして発足 | |
1992年(平成4年) | ボランティア底辺拡大へ ボランティア切符(現ふれあい切符)全国ネットワーク構想発表 |
ボランティア切符が「イミダス」等の現代用語事典に掲載(1993) |
ボランティア切符研究会を開催。愛称ふれあい切符としてボランティア啓発を報告書で提言。有償ボランティアを含めた助け合い活動を全国に働きかけ併せてコンピュータ部会も立ち上げて活動支援ソフトのシステム構築 | 厚生省(当時)が時間貯蓄制度に関する研究会を設置(1992) | |
中央社会福祉審議会地域福祉専門分科会が有償ボランティア是認を意見具申(1993) | ||
Jリーグとのあたたかい地域づくり連携 以後毎年多大なご寄付の支援 | 「国民生活白書」で有償ボランティアの社会的意義を記載(2000) | |
Jリーグ開幕・地域密着の理念が全国に広がる(1993) | ||
1993年(平成5年) | 社会改善・新しい生き方の提案に向けて 月刊情報誌『さぁ、言おう』創刊 | 誌面提言が毎日新聞他媒体に掲載(1994) |
全国に助け合い活動を広げるためのリーダー研修会、推進を強力に支援するさわやかインストラクター制度スタート | 助け合いをすすめる地域の推進役を国が制度化。生活支援コーディネーター誕生(2015) | |
1994年(平成6年) | 在宅福祉サービス団体新設・運営マニュアル完成 | |
ボランティア活動評価・表彰研究会まとめで、社会貢献教育、体験学習を強く提言 | 心の教育重視の流れ。「総合的な学習の時間」2002年度から導入へ(1998) | |
人事院担当者に公務員ボランティア休暇制度導入を提言 | ボランティア休暇制度を国家公務員にも導入(1997) | |
1995年(平成7年) | 全国の個人・法人の皆様のご寄付を得て財団法人化。 さわやか福祉財団設立。市民・住民発の財団として大きな注目 |
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助け合い活動の事務管理を支援するコンピュータソフト開発に着手 | ||
阪神・淡路大震災被災地支援。「市民・連合ボランティアネットワーク」創設 | 連合が市民ボランティア局を創設。その後も連携して全国の助け合い活動支援へ(1997) | |
1996年(平成8年) | 介護保険法・NPO法成立に向けたロビー活動を強力に展開。樋口恵子氏らと共に「介護の社会化を進める1万人市民委員会」を立ち上げ、市民運動を展開して介護の社会化を牽引 | |
在宅福祉サービス団体活動支援ソフト「さわやかさん」完成。助け合い活動団体に安価で配布 | ||
地域で連携して児童・生徒に社会貢献教育を広げるスクールボランティアサミットスタート | 佐賀県鹿島市が「福祉教育に関する条例」制定、市教委が福祉教育を実践(1996) | |
企業・学校・自治体等への社会参加促進シンポジウムスタート | ||
ご遺贈者への感謝を込めて、遺贈セレモニー「思恩忌」開始、以後毎年実施へ | ||
遺贈の仕組みの新たな開拓・普及の働きかけを開始 | ||
1997年(平成9年) | Jリーグと共催のサッカーさわやか広場プログラム開始。その後7種目に拡大 | |
企業の社会貢献活動推進に向けて社会貢献マーケット開設を目指す研究会開始 | 労働省(当時)が勤労者マルチライフ支援事業を立ち上げ。実施へ(2000) | |
共生の住まい方の核となるグループホームの全国への提唱 | ||
介護保険制度におけるオンブズマン制度確立の提言 | ||
1998年(平成10年) | ふれあい組織づくり推進大綱制定、2005年を目標に全国へ助け合い活動展開強化 | |
ふれあいシールパイロット事業、ネットワーカー養成講座開始 | ||
高齢者年NGO連絡協議会(高連協)、後に高齢社会NGO連携協議会を関係組織と創設。高齢者の社会参加を提唱 | ||
1999年(平成11年) | 全国自治体と首長に介護保険の枠外サービス充実化をいち早く提言。全国へ提言書発送 | 国が介護予防・生活支援事業開始、市町村へ補助金(2000) |
社協、農協、生協と共催の「地域協同」推進シンポジウムスタート。連携へ | ||
地域連携モデルCD-ROM「世田谷福祉MAP」制作 | 国が地域サービスマップ作成事業支援実施へ(2000) | |
小渕恵三総理(当時)グループホーム初視察働きかけ、実現へ | 全国3200カ所の整備を国が発表(1999) | |
さわやか福祉財団交流総会開始 | ||
2001年ボランティア国際年推進協議会に参加し、高連協として「高齢者憲章」を発表 | ||
2000年(平成12年) | 東京郵政局へふれあいを促進させる切手企画立案、実現 | ふるさと切手「やさしいまち・東京」(東京都)の発行 |
介護保険の健全な発展を目的とした「介護相談員派遣等事業」の養成研修事業を厚生労働省から受託 | 介護相談・地域づくり連絡会を発足。地域内でのネットワーク構築の仕組みづくりへ | |
官邸(小渕総理)における有識者会議で外国人の移民受け入れを強力に提言 | 施設から在宅へ、措置から選択へと一大転換。公的介護保険制度がスタート) |
共生活動推進期:2001~2012
いきがい(尊厳)を目的とする助け合いを、介護保険サービスと包括して実行するよう、さわやかインストラクターと共に推進
2001年(平成13年) | 勤労者の社会参加をすすめる取り組みを他団体と強力に実践開始。全国へ働きかけ | 国が勤労者マルチライフ支援事業強化へ(2004) |
NPO支援税制について要望書を内閣総理大臣・関係機関に提出 | NPO法人への寄付金が一部控除、認定NPO法人制度創設へ | |
近隣の気軽なふれあい・助け合い活動を全国に向けて提唱。地域通貨・時間通貨を推進 | 地域通貨がさまざまな形で普及 | |
2002年(平成14年) | 地域福祉計画スタートを前に市民参画の具体的手法を提言。神奈川県から委託を受け、県下モデル事業を取りまとめた推進ビデオを制作、ツールとして全国へ発信 | 住民主体の地域づくり・助け合い活動推進の新地域支援事業のモデル例へ(2015) |
2003年(平成15年) | 公益法人改革について、特に課税問題におけるNPOの活動環境を国へ強力に提言。併せて「民間法制・税制調査会」を関係団体と組織 | 新しい公益法人制度で、本来事業非課税へ(2008) |
「高齢者介護研究会」(座長:堀田力)が『2015年の高齢者介護~高齢者の尊厳を支えるケアの確立に向けて~』報告書を発表。「尊厳の保持」を最上位理念とし、地域包括ケアシステムの確立を強力に提言 | その後の各種制度や仕組みの土台として大きな影響。 地域密着型サービスの創設、地域包括支援センターの制度化(2005) 「定期巡回・随時対応型訪問看護介護」の創設(2011) サービス付き高齢者向け住宅の制度化(2011)等 |
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ボランティア体験学習のきっかけづくりとして「ふれあいボランティアパスポート」の仕組みを開発、全国へ提案 | 「ふれあいボランティアパスポート」を受けて、国が「ボランティアパスポート実態調査」を実施。当財団が事業受託し、その効果等を全国3300自治体に向けて文部科学省が発信 | |
2004年(平成16年) | 生き方・働き方の新たなパラダイムへの転換を目指して、「人間開花社会」の実現を提言 | |
国の勤労者マルチライフ支援事業を受託(3年間)、勤労者マルチライフ支援センターを設置し、勤労者のボランティア活動参加を強力に推進。全国情報サイト「勤労者ぼらんてぃあ・ねっと」を立ち上げ、情報誌『勤ぼら』を発行。 | ||
高齢者や子ども、障がいのあるなしにかかわらず誰もが気軽に立ち寄れる「共生の居場所づくり」の取り組みを開始。まず子どもに焦点を当てた子どもの居場所づくりを提唱、「さわやか子ども教室・子ども広場」をスタート | 文部科学省が子どもの居場所づくりを全国で推進へ(2004) | |
「民間法制・税制調査会」として、冊子『これでよいのか 政府の構想 -民間の力を活かす22の対案』を緊急発行。国へ強力に提言 | 公益法人改革への重要な提言として大きな反響、成果。 明治以来の民法改正、新しい公益法人制度の誕生(2008) |
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2005年(平成17年) | 地域ネットワークづくりに向けて、さわやかインストラクターの活動をさらに推進する体制づくり-全国都道府県の「ブロック化」スタート | |
「総合的な学習の創造的な展開を推進する会」を組織し、緊急アピールを中央教育審議会「総合的な学習の時間専門部会」に提出。 | ||
2006年(平成18年) | 「尊厳」ある支え合い、包括的な個別ケアネットワーク構築に向けて、モデル自治体のネットワーク現状調査を全国でスタート | |
許可や登録不要の「助け合い移送」が不当に制限されないよう、国に改正道路運送法における考え方を当財団他4団体で政策提言として強力に申し入れ | 国土交通省の事務連絡文書により、自由に行うことのできる助け合い移送の類型の確認が実現 | |
成年後見制度を市民の立場から支える「市民後見人制度」充実を全国に訴えかけ | 「市民後見人」を全国自治体等で養成開始。社会貢献活動として普及へ | |
2007年(平成19年) | 国の特別な休暇制度普及促進事業を受託(2年間)。「勤労者の人間力再生」を目指して、ワークライフバランスを強力に推進。情報誌『人間力Plus』を発行 | |
「教育再生民間会議」を立ち上げ、管理型教育への揺り戻しに反対する提言をまとめ、中央教育審議会に提出 | ||
近隣助け合いの促進に向けて、誰もが気軽に集える「ふれあいの居場所」づくりの推進を本格的に開始。ガイドブック、ホームページなどを充実 | 厚生労働省が地域づくりの基盤として「通いの場」を制度化へ(2015) | |
2008年(平成20年) | 地域における「尊厳を支えるネットワーク」創出に向けて、各地の地域課題を考え合う連絡会・セミナー・フォーラムを全国で開催 | |
国の「総合的な放課後対策推進のための調査研究事業」受託。子どもの居場所で子ども主体を前面に出した「遊びの広場」事業を全国でモデル的に実施。子ども会議、大人のサポート実行委員会などを実践 | ||
「総合的な学習の時間支援シンポジウム」を開催して、引き続き重要性を社会に訴えかけ | ||
2009年(平成21年) | 国の特に配慮を必要とする労働者に対する休暇制度の普及事業を受託 | |
国の「総合的な放課後対策推進のための調査研究事業」受託。子どもの居場所で子ども主体を前面に出した「遊びの広場」事業を全国でモデル的に実施。子ども会議、大人のサポート実行委員会などを実践 | ||
「名刺両面大作戦」スタート。特に勤労者の社会参加ツールとして呼びかけ。 その後、山手線全駅及び東日本大震災被災地での「辻立ち」を順次実施 |
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2010年(平成22年) | 公益財団法人さわやか福祉財団としてスタート尊厳を支える「地域包括ケア」のまちづくりを目指して、新しいふれあい社会づくりをさらに強力にすすめるため、助け合い活動の創出と社会参加推進を全国で強力に展開 | |
2011年(平成23年) | 東日本大震災の復興まちづくりを全国インストラクター有志と強力に支援。 義援金の呼びかけと現地活動への支援、ふれあいバスツアー等の実施。福島県の県外避難者支援として、福島県・東京都と連携実施。 |
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「いきがいの確保をケアと並ぶもう一つの柱に」 本人主体の支援のあり方を提言 | ||
2012年(平成24年) | 「地域包括ケアの町」づくりの促進を東日本大震災の被災地をはじめ、全国の自治体へ働きかけ | |
厚生労働省の検討会等で、生活困窮者の就労支援や生活支援について包括的に行う仕組みを提言 | 生活困窮者支援制度開始(2015) | |
「共生まちづくりフォーラム」を全国で展開 |
共生活動拡大期:2013~
行政や特定の団体の財政支援によらず、幅広い寄付により運営する体質を堅持
2013年(平成25年) | 東日本大震災の被災地で、絆づくりとまちの活性化を目的に「復興応援地域通貨」を開発。現地活動支援 | |
全国的な活動団体と共に「新地域支援構想会議」を立ち上げ、国による体制づくりとそのあり方を提言 | ||
2014年(平成26年) | 「新たな地域支援事業に対する基本的な考え方」「新地域支援構想」を、新地域支援構想会議として国に強力に提言 | |
新地域支援事業における住民主体の地域づくりの推進役となる生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)と協議体の活動及び取り組みについて、全国自治体の強力支援開始 | 国の生活支援体制整備事業、新総合事業に新地域支援構想会議の提言趣旨が反映 | |
2015年(平成27年) | 新地域支援事業における住民主体の助け合い活動を広げるため、全国で活動推進のためのフォーラムや勉強会などを強力に展開 | |
子どもたちが高齢者とふれあいながら共助・共生の気持ちを育む「地域まるごとケアプロジェクト」をスタート | ||
2016年(平成28年) | 熊本地震支援のための義援金呼びかけと物品支給、及び現地の助け合い創出支援 | |
生活支援コーディネーターと協議体の取り組みを考える情報紙『さぁ、やろう』創刊。全国の自治体の地域づくり関係者にほぼ季刊で発信 | ||
2017年(平成29年) | 新総合事業の課題を踏まえて、助け合いによる生活支援を推進するため、「助け合いでできることの研究 報告書」、「“助け合い”を広めるための介護予防・日常生活支援総合事業、生活支援体制整備事業の活用・運用のあり方に関する提言書」をとりまとめ、全国に発信 | |
2018年(平成30年) | 高連協とともに、「民間きずな国民会議」を開催し、12の提言を採択。互助・共助の基盤づくりを推進 | |
「政令指定都市における生活支援体制整備の現状とあり方に関する調査・提言書」を全国自治体に発信し、提言 | ||
公益法人制度改革10周年を踏まえた、よりよい制度への改正提言 | ||
2019年(平成30年) (令和元年) |
有償ボランティアの意義、効果、取り組むための課題を提言。 「より継続的で、より深いボランティア活動を推進するために いわゆる有償ボランティアのボランティア性」提言書を全国に発信し、提言 | |
刑余者の社会復帰を支援する諸活動を支援し、更生保護系活動と一般福祉活動の包括的な展開を提言 | ||
「いきがい・助け合いサミット in 大阪」 共生社会をつくる地域包括ケア~生活を支え合う仕組みと実践~を開催。全体シンポジウム・54分科会で各分野を代表する多数のパネリストが登壇・提言を発表 | 全国から3000人以上の参加者。終了後も参加者同士、さらに参加していない地域の人たちへの情報共有などによる助け合い推進の広がり | |
2020年(令和2年) | 「地域助け合い基金」を創設。地域プラットフォームとの両輪を全国の自治体に呼びかけ、共生社会づくりを推進へ | 国が新地域支援事業(新総合事業)における有償ボランティア活動に、奨励金を出す仕組みがスタート(2020) |
「現役勤労者による助け合いの生活支援活動」を推進するための調査研究開始 | ||
「子どもと高齢者のスポーツや遊びによる世代間交流促進事業研究会」開始 | ||
学生・生徒のボランティア活動推進のための「学生の地域活動研究会」開始 | ||
ご遺贈者への感謝を込めて、遺贈セレモニー「思恩忌・春」を開始。従来お盆の時期に実施していたものは「思恩忌・夏」として、以後年2回の開催方式へ | ||
2021年(令和3年) | 『NEXT~心と心をつなぐ工夫と取り組み~』動画 6本完成 コロナ禍の中でもつながるための工夫を凝らした全国の事例を発信 | 厚生労働省ホームページ内でも好事例として紹介 |
「いきがい・助け合いサミット in 神奈川」 共生社会をつくる地域包括ケア~生活を支え合う仕組みと実践~を、オンラインも併用して開催。全体シンポジウム・34分科会を各分野を代表する多数のパネリストが登壇・提言を発表 | ||
2022年(令和4年) | 「いきがい・助け合いサミット in 東京」共生社会をつくる地域包括ケア〜生活を支え合う仕組みと実践〜を、オンラインも併用してハイブリッド方式で開催。全体シンポジウム・37分科会で各分野を代表する多数のパネリストが登壇・提言を発表。“地域共生社会に向かって、みんなでジャンプ!!” を目指し、全国のそれぞれの地域で住民主体の取り組みを強力に推進する総仕上げのサミットとした | |
2023年(令和5年) | 「いきがい・助け合いオンラインフェスタ2023」 すべての人が幸せに暮らせる社会へをテーマに、全面オンライン配信形式にて開催。応援メッセージでは11分野へ提言。「学ぼう編」「語ろう編」では11テーマ・19コマのプログラムで基本の考え方、具体的な事例や取り組みを紹介 |