活動報告

北から南から 各地の動き

さわやか福祉財団では全国各地の助け合いの創出、
住民主体の地域づくりの推進を支援しています。
その取り組みの一部をご紹介します。

2024年4月1日~4月30日分

SC=生活支援コーディネーター
3ステップ=ステップ①体制づくり、ステップ②ニーズと担い手の掘り起こし、ステップ③助け合い創出

協議体の活動・編成等に協力

越前町(福井県)

4月13日

 越前町では、住民中心で構成される第2層協議体の設置に向けて、各小学校圏域で複数回の協議体準備会(住民勉強会)を開催してきている。今回は町内4圏域目となる織田地区で、最終回となる3回目の準備会が行われ、15名の住民が参加した。
 構成は、①前回の振り返り(町担当者)、②協議体の具体的取り組み(当財団)、③グループワーク。グループワークは3グループに分かれ、「地域の困りごとに対して自分たちでできることは何か」「どんな人が仲間にいると取り組みを進めやすいか」について話し合った。
 各グループからは、居場所、見守り、移動手段等をどう進めていくかの発表があった。3回目ということもあり、参加者からは活発な意見が多く出ており、男性参加者からは「男女が一緒に考えていける場づくりが大事」という発言もあった。
 開催後アンケートでは、参加者のほとんどが協議体への参加意思を示しており、今後はこのメンバーを中心に協議体を発足させる予定。(髙橋 望)

蓮田市(埼玉県)

4月24日

 蓮田市で「高齢者になっても暮らしやすい地域を考える」ワークショップが開催された。参加者は、第2層協議体と地域住民の約100名。
 同市では、すでに第2層協議体が設置され活動も進んでいるが、協議体設置から時間も経過していることから、あらためて助け合いの大切さを学び直すとともに、新たにやる気のある人を呼び込み協議体を再編することも狙い、このワークショップを企画した。助け合いに関心のある人に広く参加を呼びかけようと、市広報誌への掲載のほかに、ボランティア講座修了者、介護予防サポーターにも声をかけた結果、参加者の約半数が協議体以外からの参加者となり、市民の関心の高さがうかがえた。
 冒頭、市在宅医療介護課の鈴木美和課長より、同市の高齢化率、一人暮らし高齢者の世帯数等が説明され、少子高齢が進む中で住み慣れた地域に安心して住み続けるためには、地域の中での見守りや助け合いが必要であり、「人と人がつながる助け合いの地域づくり」を住民の皆さんと一緒に進めていきたい、と話があった。
 続いて当財団から、助け合いの大切さについて事例も交えて説明した後、ワークショップを実施し、「目指す地域像」と「地域課題」について話し合った。
 ワークショップは1グループ6名程度とし、進行も住民が務め、住民同士で十分に話し合える環境とした。グループごとに大変活発な意見交換が行われ、途中からは山口京子市長も飛び入りで会場を訪れ、住民を応援したいとメッセージが送られた。
 発表では、5つの第2層協議体圏域からそれぞれ1グループをSCが選出して、目指す地域像とその思い、また、その実現に向けた地域の課題が発表された。目指す地域像では、地域のつながりや、あいさつ・声かけ等による近隣での交流や顔の見える関係づくり、ほどよいおせっかいで気にかけあう関係づくりなどが挙げられた。地域課題では、自治会加入率の低下、地域のつながりや交流が少ないことが多く挙げられていた。
 5月に財団も協力し、2回目のワークショップを実施する。その際、現在の第2層協議体メンバーも含めてあらためて協議体への参加意思をアンケートで確認し、希望者を中心に第2層協議体を再編成していく。(岡野 貴代)

江東区(東京都)

4月25日

 江東区において、大島7・8・9丁目を対象とした第2層協議体の設置に向けた第1回「支え合い大島東ワークショップ」が実施された。今年3月に準備会として一度勉強会を実施しており、今回はその準備会で助け合いに共感した住民とあわせて、新たな参加者への集客も行い、10名が参加した。
 江東区社会福祉協議会地域福祉推進課長のあいさつに続き、この地区を担当するSCが高齢化率等の地域の状況を説明。SCは、大島地区は江東区の中でも75歳以上の世帯割合が最も高く、その分、高齢になっても元気に活躍している人が多い地区であり、皆さんと一緒に助け合いを進めていきたい、と話した。
 続いて当財団より、助け合いの大切さについて説明した後、ワークショップの進行を行った。ワークショップでは、近い地域ごとに3つのグループに分かれ、目指す地域像を話し合い、その目指す地域像の実現に向けて地域にはどのような課題があるかを話し合った。
 発表では、目指す地域像として、あいさつや食を介したつながり、井戸端会議のような気軽に相談ができる場、多世代交流がある場づくりなどが挙げられた。地域課題として、町内会活動や自治会への未加入者が多いなど、人と人とがつながる機会、人と地域がつながる機会が減ってきていることが出された。また、多世代が自然と交流できる場がなく、世代間のコミュニケーション不足などの課題も挙げられた。
 5月にも財団が協力し、第2回ワークショップを実施する。次回は、課題解決のために必要な活動を話し合い、引き続き話し合いを続けたい人を中心に、大島7・8・9丁目の第2層協議体を設置する予定。(岡野 貴代)

市の戦略会議に参加

新潟市(新潟県)

4月18日

 新潟市の戦略会議にメンバーとして参加した。メンバーは福祉部長、地域包括ケア推進課長ほか市担当者、政策調整監、支え合いのしくみづくりアドバイザーの河田珪子氏。議題は、
1  地域包括ケア推進課等の新年度体制について
2 「実家の茶の間・紫竹」の協働運営終了と今後のモデルハウス事業について
 2では市から、現在の「地域の茶の間」の数、訪問型サービスBの数、それぞれの補助数について、モデルハウスの実施状況の報告があり共有した。また、新規事業「地域包括ケア推進モデルハウスを活用した支え合いの地域づくりの推進(支え合いのしくみづくり推進員の定期派遣)」の説明があり意見交換した。
 10月で基幹型モデルハウスである「紫竹」が終了する。「なぜ閉じるのか、市の計画上での決定であることを市民にしっかりと発信してほしい」と政策調整監。また、市は「河田さんの築いてこられたDNAをしっかり受け継いでいきたい」と新規事業の計画についての説明があった。地域包括ケア推進モデルハウスは「助けてと言える地域をつくる」という目標をもち推進してきた。これまでの取り組みをいかして次につなげ、さらに助け合う地域を広げるための議論をした。
(鶴山 芳子)

アドバイザー派遣事業に協力

東彼杵町(長崎県)

4月30日

 東彼杵町で「令和6年度支えあい活動に関する検討会」が開催され、長崎県のアドバイザー派遣事業として協力した。
 昨年度、同町ではフォーラムから勉強会を重ね、手上げ方式で第2層協議体を選出。そのお披露目も含めた機会となった。第1層・第2層協議体、そして勉強会に参加したすべての人に声をかけて開催。第1層SCの末竹将司氏から、第2層協議体がこれから何に取り組んでいくかについて「自治会エリア=顔が見える身近なエリアでの話し合い“座談会”をしていきたい」と提案。来年3月までの大まかなスケジュール案と、第2層協議体が仕掛ける第3層での座談会開催と第1層の協力、また、その成果から生まれる勉強会等の動きが説明された。
 続いて当財団から、住民主体の地域づくりを推進していく上で、多くの住民の声を聞いていくことの大切さ「ニーズの掘り起こし」や、主体的な人を発掘していく「担い手の掘り起こし」の必要性を伝えた。山梨県南アルプス市を協議体の事例として地域団体(自治会や老人クラブ等)と協議体との関係、新潟県新発田市川東地区の事例を通じて具体的にどのような話し合いがなされているかを紹介。特に若い世代を巻き込んだ話し合いについて具体的に紹介した。人口8000人弱の過疎が進む東彼杵町だが、「人口減少は避けられないが、だから諦めるのではなく、元気な過疎を目指そう」と発想を転換して活発に活動している新発田市川東地区の事例も参考に、座談会を開始し住民主体の地域づくりを推進してほしい。
(鶴山 芳子)

(本稿担当は、岡野貴代、髙橋望、鶴山芳子)